【今週のおすすめの一冊 vol.7】編集部が特に「おもしろい!」と注目した料理にまつわる本をピックアップし、気になる内容をダイジェストでお届け。今回は『ワンパターン買いが平日晩ごはんをラクにする。』(学研プラス)についてご紹介します!
1日の終盤の疲れと共にやってくる晩ごはん作り。献立を決め、買い物に行き、調理する工程は時間がある時は楽しめても、忙しいと苦痛になりがち。その晩ごはん作りを楽にするコツこそが買い物にあると考え、「ワンパターン買い」という買い物テクニックを提案するのが料理研究家の星野奈々子さん。一体どんな買い物の工夫で晩ごはん作りが楽になるのでしょうか?
「ワンパターン買い」とは、1週間分の晩ごはんの食材を、野菜、肉、魚などの項目ごとに何種類買うかを覚え、買い物をすること。そうすることで売り場で頭を使わずに、無駄買いすることなく、まとめて食材を買うことができるそうです。
・野菜10種(定番野菜5種、お好みの野菜5種)
・肉3種類(鶏肉、豚肉、ひき肉の中から1つずつ)
・魚介2種(新鮮そうな物、特売品)
・肉魚の加工品・豆類2種(ベーコン・ハム、豆腐類や豆の水煮など)
・缶詰2種(ツナ缶、コーン缶、さば缶、トマト缶など)
また、献立は1食分ずつ考えるのではなく、買った食材を元に献立を決めることで悩まず、無駄なく食材が使い切れるんだそう。
でも、最初から上手くいくのか心配になりますよね。そんな不安を解消するために、本書には3回分の「ワンパターン買い」の買い物リストで作る、6週間分の晩ごはんの献立とレシピが収録されています。
まずはリスト通りに買い物をし、1週間分の献立を続けて作ってみることで、負荷の少ない晩ごはん作りが習慣づくように設計されています。
星野さんの考える献立の特徴は、主菜と副菜は使う調理器具がかぶらず、段取りや調理がスムーズにできること。フライパン、レンジ、小鍋など調理エリアや工程がかぶらないだけで時短が実践できそうです。
今回は本書の中から、パスタがメインの洋風献立を紹介します。フライパン1つで作れる「ワンポットパスタ」は湯を沸かす手間のいらない便利な調理法! 野菜がたくさん摂れるバランスの良い献立ですよ。
長ねぎ……1/2本
ミニトマト……6個
ベーコン……1枚
オリーブ油……大さじ1
合いびき肉……200g
水……400ml
【A】
塩……小さじ1/2
おろしにんにく……小さじ1
スパゲッティ(ゆで時間7分)……160g
1. 長ねぎはみじん切りにする。ミニトマトはヘタを取り、半分に切る。ベーコンは1cm四方に切る。
2. フライパンにオリーブ油を熱し、合いびき肉と1のベーコン、長ねぎを入れて中火で肉の色が変わるまで炒める。具材を炒めたあと、ひたひたになるくらい水を加えます。
3. 水とAを加え、煮立ったら半分に折ったスパゲッティとミニトマトを加え、8分ほどゆでる。表示のゆで時間よりも1〜2分長くゆでるとちょうどよい固さに。混ぜながらゆで、途中で水分がなくなりそうだったら少しずつ水を足します。スパゲッティの固さは1本食べてみて確かめて。
大根……200g
塩……小さじ1/4
しめじ……1/2袋
【A】
砂糖……大さじ2
酢……大さじ2
オリーブ油……大さじ1
1. 大根はせん切りにして塩をふって混ぜ、5分ほどおいて水気を絞る。
2. しめじは石づきを落とし、小房に分けて耐熱ボウルに入れ、ラップをかけて600Wのレンジで40秒加熱する。
3. 2に1を入れ、Aを加えて混ぜる。
ミニトマト……3個
ベーコン……2枚
コーン缶……1/2缶
オリーブ油……大さじ1/2
水……400ml
塩……小さじ1/2
卵……1個
1. ミニトマトはヘタを除き、半分に切る。ベーコンは1cm四方に切る。コーンは汁気をきる。
2. 鍋にオリーブ油を熱し、コーンとベーコンを加えて中火で全体に油が回るまで炒める。水と塩を加え、煮立ったらアクを取り、ミニトマトを加えて3分ほど煮る。
3. 溶き卵を加え、ふわっと浮いてきたら火を止める。
著者である星野さんはITエンジニアから料理研究家に転身した経歴の持ち主。働きながら料理を作る経験や課題から考案された「ワンパターン買い」をぜひ実践してみませんか? 日々の苦労から抜け出せるきっかけになるかもしれません。
(TEXT:小菅さちえ)
ありそうでなかった、「買い物」がテーマになっているレシピ本。買い物リストがダウンロードできるQRコードまで掲載されていて、料理が完成するまでのすべての工程を細かくケアしてくれている1冊ですよ。