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コラム

現代人が不足しがちな◯◯を補う!シンプルな「献立の考え方」をご紹介

早藤千紘

子育て奮闘中の管理栄養士

【元気になれる食事術 Vol.2】食材の選び方や食べ方、献立の考え方など、健康維持のために知っておくと役に立つ「食事術」をご紹介。不調知らずの毎日を過ごすために、ちょっと取り入れてみませんか?

「元気になれる食事術」の連載第2回目は、献立の考え方をお届けします。

毎日の食事作りは、家事の中でも多くの時間を費やすことが多いですよね。自分や家族、大切な人の健康を守るためにも理想的なバランスの良い食事をしたいところですが、たくさんの品数を作るのは大変ですし、毎日となると負担に思うこともあるのではないでしょうか。

バランスの良い献立をシンプルに考えられるようになると、日々の食事からしっかりと栄養を補給できるだけでなく、気持ちも楽になりますよ。

献立を考えるときに大切なのは「食材を3つのカテゴリー」に分けて考えることと「栄養価を高める乾物食材を常備しておく」ことです。

献立を考えるときに大切なこと

1.食材を3つのカテゴリーに分けてみよう

簡単にバランスが良くなる献立を考えるには、食材を「主食」「主菜」「副菜」の3つのカテゴリーに分けて考えていくことが手軽でおすすめです。

まずは、主食を決めていきます。「ごはん、麺類、パン」などの糖質を補う食材が主食に該当します。次は主菜になる「肉、魚、卵、大豆食品(納豆・豆腐など)」のたんぱく質を摂ることができるものを。そして最後に、ビタミンやミネラルを補給するための副菜やデザートは、「野菜、果物」を使うものを考えていきましょう。

一日三食ありますので、これらの食材を組み合わせて献立を考えていけば、様々な栄養素を取り入れることができます。手のこんだものを作ろうとする必要はなく、例えば、朝は納豆ごはんと野菜の味噌汁、昼は卵のサンドイッチとサラダ、夜はごはんとお肉の野菜炒めなど、シンプルな構成にするといいですね。

厚生労働省が定めた、緑黄色野菜の1日の必要摂取量は350gなどの目安がありますが、難しいことはいったん抜きにして、数種類の野菜や果物を使うようにしてみましょう。その時、「旬の食材」を意識すると、その時季に必要な栄養素を上手に摂取できますよ。

とはいえ、献立の組み合わせを考えて何品も作るのが面倒な日もありますよね。そんなときは、肉や豆腐、数種類の野菜を入れた具沢山の汁物がおすすめ。あとはごはんを炊くだけでバランスが整った食事になります。

余裕のある時は品数を多くしてもいいですし、疲れているときは少ない品数でも大丈夫。短期的にではなく、1週間・1ヶ月といった長いスパンでみてバランスをとることが大切です。そうすることで、精神的な負担を減らしながらも、健康的な食事を維持できるようになると思います。大切なのは、その一食ではなく継続することです。

2. 乾物を上手に利用して栄養価アップ

献立を考えるときの2つ目のポイントは、「栄養価を高める乾物を常備」すること。乾物は、私たちが不足しがちな栄養素を摂ることができる、非常に優秀な食材なのです。

最近では、野菜に多く含まれるビタミンを摂取する大切さをご存知の方も増えていると思います。そのビタミンと同じくらい大切なのがミネラル。たくさん種類があるのですが、中でも「マグネシウム、亜鉛、カルシウム、鉄」などは、私たちの体を作る上でとても重要な栄養素なのにも関わらず、不足していることが多いといわれています。

カルシウムは骨や歯を形成する栄養素として有名ですが、実は、マグネシウムも骨の形成に欠かせない栄養素の1つです。また、鉄が不足すると鉄欠乏性貧血を招きやすくなったり、亜鉛不足も貧血や味覚障害、免疫機能障害などの病気に関係するといわれています。病気とまではいかないけれど、日々のなんとなく感じている不調は、こういったミネラル不足が関係していることもあるようです。

そんな大切なミネラルを上手に補給できるのが、ストックもできて便利な「乾物」。私のおすすめは、ごま、青海苔(焼き海苔)、鰹節、桜エビ、ひじき、高野豆腐、わかめ、切干大根、きな粉です。

これらには、不足しやすいミネラルが含まれているため、料理する際の食材としてこまめに取り入れていくことが理想的です。乾物は賞味期限も長く、保管しやすいのも嬉しいポイントですね。「乾物の使い方がイマイチ分からない...」という方に、乾物の簡単な取り入れ方をいくつかご紹介します。

まずは、野菜の和え物。これに、ごまや鰹節、海苔、桜エビ、わかめなどの乾物を加えると味に深みが出てグッとおいおいしくなります。また、これらの食材はごはんに混ぜて、おにぎりにしてもおいしいですよ。

ひじきは煮物にして食べるイメージが強いかもしれませんが、サラダや和え物にも合います。さっと茹でるだけでいいので使い勝手もいい食材ですね。あと一品欲しいときや野菜不足のときに重宝するのが切干大根。煮物や和え物、サラダ、味噌汁などに使える万能食材なんです。

高野豆腐は、そのまま使うだけでなくかさ増し食材としても威力を発揮します。すりおろして使うと、ひき肉を使った料理などをボリュームアップさせることができますよ。きな粉はヨーグルトやグラノーラにトッピングしたりすると、手軽に摂取することが可能です。

ポイントをおさえて健康維持を続けよう!

いかがでしたか? バランスの良い献立というと、ハードルが高く感じてしまうかもしれませんが、食材を3つのカテゴリーに分けて考え、乾物を上手に取り入れることにポイントをしぼると、もっとシンプルに健康的な献立を考えることができると思います。皆さんもぜひ日々の食事作りにご活用くださいね。

早藤千紘

管理栄養士、食学士、野菜ソムリエ。 大手企業の社員食堂栄養士、有名クッキングスクールの講師、食学士としてセミナー講師などを経験。現在は自身の子育てをメインに、管理栄養士の資格を活かして、食事と健康・美容の大切な繋がりや、子どもへの食育の大切さを多くの方に知っていただけるよう活動中。

執筆者情報

早藤千紘

管理栄養士、食学士、野菜ソムリエ。 大手企業の社員食堂栄養士、有名クッキングスクールの講師、食学士としてセミナー講師などを経験。現在は自身の子育てをメインに、管理栄養士の資格を活かして、食事と健康・美容の大切な繋がりや、子どもへの食育の大切さを多くの方に知っていただけるよう活動中。

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