【料理研究家が教える作りおきのコツ】毎日のごはんはラクにおいしくしたいけど、忙しくてなかなか難しい……。そんな方におすすめするのが「作りおき」。でも、どこから始めたらいいの? という方に、作りおきのプロで料理研究家・鈴木美鈴さんが、これを知ってればできる! 「作りおきのコツ」をお届けします。普段の献立にも役立ちそうな調理法や手順などのアイデアも必見です♪
平日のごはんの準備をラクにしてくれる便利な作りおきですが、たくさん作りすぎてしまうと同じものばかり食べることになり、途中で飽きてしまうことはありませんか?
せっかく作ったのに余らせてしまったり、同じおかずが続いて家族から不満が出てしまっては悲しいもの。そこで、作りおきの達人・料理研究家の鈴木美鈴さんに、最後まで飽きずに食べられる作りおきのアレンジのコツを教えていただきました。
作りおきとはいっても、食材や調理法によって保存期間はいろいろですよね。何日くらいで食べ切れる量を作るのがベストなのでしょうか?
「日持ちのする酢の物やマリネ、煮物などを除いて、だいたい2日ぐらいで食べきれる量を作ることをおすすめします。2日以上日持ちするものもたくさんありますが、それ以上置いておくとどうしても衛生面が気になりますし、味も落ちるように感じます。」(鈴木さん)
鈴木さんによると、どうしても残ってしまった場合や作りすぎてしまった場合は、さらにアレンジして食卓へ出すのがポイントだそう。食材ごとにアレンジのコツを紹介します。
細かく刻んで炒飯や春巻き、餃子の具など混ぜ込んで使うとアレンジがしやすいと思います。葉物野菜は加熱をすると水分が出てきます。さらに日にちが経つとそれだけ水分が出やすくなるので、加熱後は水気をしっかりと絞ってから調味をするのも大切です。
根菜を作りおきにするときは、大きめに切って煮物などにすることが多いと思います。そうした根菜を天ぷらにアレンジすると、アレンジ料理と思えないほどおいしく仕上がります。
また、ニンジンやレンコンなどは細かく刻んで酢飯に混ぜると、ちらし寿司があっという間にできあがり。ちらし寿司の具の役割をしてくれます。コツは、だしをしっかり効かせて調理すること。便利な顆粒だし、かつお節や昆布で手作りだしまでいろいろありますが、使いやすいものでOKです。
肉類のアレンジは、味つけや調理法で変わってきますが、細かく切って混ぜご飯にしたり、パンに挟んでサンドイッチにしたりするとボリュームが出て満足感もたっぷりです。ひと口サイズに切って生野菜サラダの上にのせるのもおすすめ。ごちそう感が出て野菜がよりおいしく味わえます。
「わが家でよく作ってアレンジするものをご紹介します。「春雨の炒めもの」をたくさん作り、当日はそのまま食べて、翌日は春巻きの皮で包んで「春巻き」にします。お肉はなんでもいいですが豚肉を使うとうま味が増します。野菜はキャベツ、玉ねぎ、きのこ、ピーマン、白菜、ニンジンなどなんでも合うので、冷蔵庫にあるもので作れるのも嬉しいところです」(鈴木さん)
いちから作れば手間のかかる料理も作りおきを活用することで時短になりますね。慣れてきたら、どうアレンジしようか考えるのも楽しくなりそう!
「これから気温が上がってくると、保存期間などが気になり作りおきもしづらくなります。2日ぐらいで食べきれる量を心がけると、常にいい状態で食べきることができるので、ちょっと少ないかな?ぐらいの量がおすすめです。初めからアレンジを想定して計画的に多めに作るのもいいと思います」(鈴木さん)
衛生面でも、おいしさの面でも、「2日」というのがちょうどいい日数なのですね。特にこれからの季節はどんどん暖かくなるので、調理器具や保存容器はしっかり消毒すること、料理はしっかり冷めてから冷蔵庫にしまう、といった点にも気をつけて。アレンジを楽しみながら作りおきをよりおいしく味わいましょう!
※ 記事の写真はこちらの記事をイメージして選定させていただきました
保存状況により、保存期間は異なりますので、なるべく早く食べきりましょう。
- 冷蔵庫で保存…常温での保存は避ける
- 清潔な保存容器を使用する…水滴や汚れは腐敗の原因に
- 取り分け用の清潔なスプーンなどで取り出す…口に直接入れるスプーンや手でさわるのはNG
- 作った日付を記しておく
- 冷蔵の場合は、2〜3日を目安に早めに食べきる
料理研究家。トータルフードコーディネーター。クックパッド公式アンバサダー。作りおき・お弁当を得意とし、素材の味を大切に心と身体にやさしい家庭料理を考案、発信している。ウェブ・雑誌・企業へのレシピ掲載をはじめ、数々の料理コンテストにて受賞歴あり。著書に『盛るだけ つめるだけ 毎日かんたん 作りおき おかず』(オーバーラップ)。クックパッドにも絶賛投稿中♪>>>鈴木美鈴さんのキッチン