ダイエットの成功をTwitterに投稿したところ、そのビフォー・アフターの後ろ姿画像が大きな反響を呼び、約8万人もフォロワーが増えたというかのまんさん。産後に20キロ以上増えた体重を約2年かけて落としただけではなく、理想的なスタイルを手に入れたかのまんさんの、「人生が変わる」整形級ダイエット方法についてお話を聞きました。
――かのまんさんのTwitterの文体は、辛いダイエットがなんだか楽しくなってしまう魅力があるのですが、なにかポリシーのようなものがあるのでしょうか?
ダイエットって自分との戦いなので、本当辛いんですよね。なので、菓子パンを元カレという設定にして、いい女風を装って距離を置くんだ(食べない)みたいに、面白がって楽しむ事に思考を全振りしました(笑)
他にも脳内豚っていうのを考案したんですけど、ダイエット中に食べたい気持ちが高まって、何かを食べてしまって罪悪感に陥ったときに「私は悪くない、脳内豚が悪いんだ!」って思うようにしてます。自分を責めないようにすると、辛いダイエットも乗り切れると思ってます!
私は今まで『抑圧されすぎた脳内豚は、ある日いきなりブチ切れてFAT MAX怒りのデブロードを大爆走する』というやんわりした表現をしてきましたが()、これは『脳が制御不能になり過食衝動を抑え切れなくなる』という意味です。『我慢』は決して近道ではない。遠回りに見える道こそが最短ルートです🐷
— かのまん (@kanotantan) February 10, 2021
――本気の筋トレ用のご飯は、鶏胸肉とブロッコリーというイメージだったのですが、かのまんさんのレシピはすべておいしそうでびっくりしました! ご自身で考えられたんですか?
全部自己流で考えました(笑)世に溢れる高たんぱく質食品ってだいたい冷たいじゃないですか。「ダイエットのために冷たいサラダチキン、冷たいゆで卵は食べたくない! 私は、温かいタンパク質が食べたい! さらに、おいしく食べて、見た目もおいしそうで、いい匂いじゃないとダメ!」という、脳内豚の執念で、いかに低脂質なものを飽きないように、おいしく食べるかに命をかけた結果、鶏胸肉レシピがたくさんできました。
今回はTwitterでも大好評の「基本のふわやき鶏胸肉」の作り方をご紹介します
鶏胸肉(皮付き)…290gから300g×3枚
【A】
砂糖…ひとつまみ
酒…大さじ3
鶏ガラスープの素…大さじ1
にんにくチューブ…6cm
片栗粉…大さじ3
1.皮をはぐ
鶏皮という名のかつて愛し合った元彼に別れを告げる(はがす)。
2.筋に沿って切り分ける
肉を裏返し、まんなかに縦に走る筋肉の筋に沿って2つに切り分ける。
3.上の部分を横に切る
切り分けた大きいほうの上の部分(繊維の向きが変わる部分)を切り分ける。
4.繊維の向きを確認し、繊維を断つようにそぎ切り
パサパサの原因となる繊維を断つように切る。繊維の向きと垂直になるように包丁を置き、肉をそぐように斜めに切る。大きさは一口大!
5.そぎ切りが完成!
繊維の向きが微妙に異なるので、最初はきちんと確認しながら切る。
1.【A】の調味料をもみ込む
ボウルに一口大にそぎ切りした鶏胸肉と【A】を入れ、調味料がなじむまで手でよくもみ込む。
2.片栗粉をよくもみ込む
片栗粉を加えて、粉っぽさがなくなりしっとりするまでさらにぐいぐいっともみ込む。
3.サッと焼いて焼き目をつける
フライパンにサラダ油(小さじ1)を熱し、鶏肉を重ならないように並べ、強火で両面サッと焼いて焼き目をつける。
4.ふたをして蒸し焼きにする
弱火にしてふたをし、4分ほど蒸し焼きにする。4分以上加熱すると硬くなるので注意!
5.完成
できたてはめちゃうまいのでつまみ食い注意! 冷めたら250gずつ小分けに保存すると便利です。
――かのまんさんのレシピはネーミングも秀逸で、虚無餅や泉と気になるものがたくさんあるのですが、どのような経緯でこのような名前になったのでしょうか?(笑)
マッチョのみなさんが減量期に食べる「沼」という、鶏胸肉とお米、野菜やワカメ、カレー粉などを炊飯器で炊きこんだ、マッスルグリル(シャイニー薊さん)考案の栄養素が完璧で美味しくて減量にもぴったりなレシピがあるんですけど、私がTwitterで、それをかなり簡素化してほとんどただの鶏肉入り中華粥のようにした物を「基本の沼」と投稿ところ、一部のマッチョのみなさんから「こんなにきれいな沼は見たことがない! これは泉だ」とリプをもらったことから「泉」と命名しました。沼を清らかにしたのが泉です(笑)野菜や調味料を後入れしやすくしてアレンジの幅を楽しめるように主婦なりに工夫してみました。
「虚無餅」は、ダイエット中もスイーツは我慢したくない私がおすすめしている「サイリウム(オオバコパウダー)」で作る餅です。カロリーはほぼないのに、お腹がめちゃくちゃ膨らむんです。食感も謎で、食べると頭にはてなマークがたくさん浮かんできます。まさに、虚無を食べているとしか思えないものなんです。だから、虚無餅。私、得体の知れないものに名前をつけると安心するんですよね(笑)
――最後に、万年ダイエッターだったり、挫折を繰り返している方にアドバイスをいただきたいです!
ダイエットを続けている間はずっと痩せるわけではありません。ちゃんと成果が出る方法を知っていても停滞期はきますし、ダイエットスイッチが切れることだってあります。ダイエットを特別なイベントだと思わないでほしいんです。
努力する動機を自分のダメなところに向けるのではなく、「もっとよくなりたいからがんばろう!」と前向きに持って、より良い自分になろうという気持ちを持ってほしいなと思います。万年ダイエッターだって良いし、ちょっと休む期間を持ったら、また立ち上がっていけば人生もダイエットも成功すると思います。
私は、ダイエットをしたことで、「一生を通して健康に生きて、かっこいいばあさんになってやる!」という気持ちになりました。ダイエットは人生が変わります。楽しく幸せに生きるためにダイエットをしましょう! 頑張りすぎることなく、ゆるやかに頑張ってください!
――「ダイエットを特別なイベントだと思わない」のは大事ですね。かのまんさんの方法で継続してければと思います! ありがとうございました!!
(TEXT:上原かほり)
「ダイエットを始める人にとって必要な情報を詰め込んだスターターキットのような一冊です。マッチョが提唱している超王道の厳しいダイエット方法を、頭のおかしい主婦がおもしろおかしくやろうと思って作ったことが載っているので、ガチで痩せたい人は、ガチで計算して取り組めば4ヶ月で恐ろしいくらい体型が変わります。誰かが歩いた道なら安心して歩けるじゃないですか。なるべく面白い街灯を立てておいたので、楽しく一緒にやりましょう!」(かのまんさん)
ダイエット本として注目を集めている本ではありますが、健康な食生活を送るためのレシピ本としてもおすすめです!
「本気でダイエットしたいと思っていない方は、レシピ本だと思って手に取ってもらえると嬉しいです。レシピの多さには自信があります」(かのまんさん)
1984年生まれ。そこら辺にいる、運動嫌いで食べることが大好きで産後太りしたただの一般主婦。2020年3月にSNSで自身のダイエットのビフォー・アフター写真を公開して大反響を得る。現在はSNSを通して、「ハッピーに痩せて超ハッピーになる」ための情報を発信し続けている。
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