【体にやさしい「いたわりごはん」 Vol.8】今日はなんだかちょっぴりしんどい……そんな日は、体にやさしいごはんでパワーチャージ! 身近な食材で手軽にできるプチ薬膳メソッドで、体の調子を整えましょう。
春の大型連休も終わり、いつもの生活にエンジンがかからない人も多いのではないでしょうか。やる気が出ない、なんとなく体調が悪いなどの症状はありませんか?これは、連休中に乱れた食生活や生活習慣で胃腸が疲れていることが原因かもしれません。
漢方や薬膳の考えでは、胃腸から気(エネルギー)や血が作られると考えられているため、胃腸の調子が整っていないと消化吸収が十分に行えずに栄養分がエネルギーと変換されるのを妨げるため、だるい、疲れやすい、やる気が出ないなどの症状が出やすくなります。
そんな症状を和らげるのが、「キャベツ」です。キャベツには胃腸の働きを促進する働きがあります。薬膳的には、気を補い体の機能を高めるとされています。そのため、疲れやだるさの解消や、やる気が出ないなどの5月病にみられる症状にも効果が期待できます。
キャベツには、胃酸の分泌を抑えて胃粘膜の修復を助けるビタミンUが豊富に含まれています。ビタミンUはキャベツから発見されたので別名「キャベジン」とも呼ばれています。また、潰瘍で傷ついた部分の止血に役立つビタミンKも含むので、ビタミンUとの相乗効果が期待できます。胃痛や胃もたれを感じた時は積極的に食べましょう。
キャベツの性質は「平性」といって、体を冷やしも温めもしない食材です。そのため、万人に適した食材といえます。スープなどにして常食すると、気力を養い体力をつける効果も期待できます。ただし、生のままたくさん食べると体を冷やすことがあるので冷え性の人は食べる量に気をつけるか、加熱して食べましょう。
キャベツは薬膳では胃腸の働きを良くすることで、体全体の気力を高める食材とされています。他にも胃腸の調子を整えて元気を付けてくれる食材(鶏肉、じゃがいも、ブロッコリー)と組み合わせることで胃を元気にする相乗効果が期待できます。
気を補い胃腸の力を高めてくれる鶏肉と組み合わせて、胃腸を元気に。ポン酢の爽やかな香りでさっぱりといただきます。
じゃがいもにも、胃腸の働きを高め、元気を補う作用があります。卵は栄養豊富で血を補うので、やる気が出ないなどの精神の不安定さの解消にも役立ちます。
ブロッコリーも、胃腸を丈夫にし、消化吸収をよくして生命力を高める効果があると言われています。じゃがいもと玉ねぎも入っているので、胃腸の調子を整えるレシピとして適しています。野菜もたっぷり摂れますね。
連休明けは疲れが出やすい時期です。やる気が出ない、だるいなどの症状を伴う5月病に負けないためにも、今回紹介したレシピを参考にキャベツを取り入れてみてくださいね。
漢方薬・生薬認定薬剤師。調理師。薬膳アドバイザー。大学卒業後、薬局にて従事している時に、病気の予防、健康維持には食育が大切であると感じ、服部栄養専門学校に入学し卒業する。お料理好きの漢方マニア。