この春から、お弁当作り生活がスタートしたという方、毎日のお弁当作りに疲れてしまっている方、必見! 3月に『頑張らないお弁当 おかずは1品でも、大満足!』を出版された、YouTubeチャンネル登録者数約94万人のにぎりっ娘。さんに「頑張らない日&ちょっと頑張れる日」のためのお弁当作りのワザやコツについて伺いました。
忙しい朝、朝ごはんを作るだけでも大変なのに、栄養もバランスよくお腹が満たされるお弁当を作るという作業はなかなかの負担。でも、意外と思い込みでハードルを上げているだけなのかもしれません。
「私が作るお弁当は、基本的におかずが3品のものが多いのですが、疲れているときや、忙しいときには1品だけのお弁当を作ることもあります。お弁当を作るのが大変……という日もあれば、ちょっと頑張れる日や、今日は作るぞ! とやる気満々の日もありますよね。その日の体調や気分に合わせてお弁当を作ればいいし、1品でも、食べる人が満足できるお弁当は作れるんです」(にぎりっ娘。さん)
お弁当のおかずが1品!? それはいくらなんでも少なすぎるのでは……と感じてしまいそうですが、にぎりっ娘。さんが作る、頑張らないお弁当(1品)は、どれもおいしそうなものばかり。そのコツを教えていただきました。
「1品弁当として、まずおすすめなのが丼かのっけ弁、麺類のお弁当です。お弁当箱にご飯を詰めたら、その上に丼ぶりの具材をのせたり、おかずを乗せた『のっけ弁当』でもOK! 麺類は食べる時に絡まってしまうのでは、という声も聞きますが、焼きうどんや焼きそばは、炒めるときの油があれば固まることはありません。パスタはゆでた後にオイルを絡めることでくっつき防止になりますよ」(にぎりっ娘。さん)
本書でおすすめの1品弁当「焼き鳥弁当」「青椒肉絲弁当」とのこと。まずはこの2種類から始めてみてはいかがでしょうか?
YouTubeでは、「焼き鳥弁当」「青椒肉絲弁当」のちょっと豪華なバージョンの動画がアップされています。作り方の参考にご覧になってみてください。
1品ならできそうと思いつつも、いざ自分で作った時に「なんか映えない…」「レシピ本の写真と違う!」ということありますよね。今回はそんなことにならないよう、大事なポイントも伺いました。
「お弁当というと詰め方で悩まれる方も多いかと思いますが、ご飯は斜め半分に入れるとおかずも入れやすく、見栄えも良くなります。また、おかずカップなどもありますが、私は抗菌作用も期待できる大葉を使って仕切っています。ギザギザがアクセントになって、お弁当の中で良い存在感を放ってくれます」(にぎりっ娘。さん)
「1品弁当の日は、物足りなさを感じないように、ラップにお味噌と顆粒出汁、お好みの具材を丸めたみそ玉や、インスタントスープも付けます。汁物を足すだけで満足度がアップするのでおすすめですよ」(にぎりっ娘。さん)
「昔の人の食事は、ご飯と漬物と味噌汁が基本でした。彩りに茹でたブロッコリーやミニトマトを入れがちですが、それではご飯は進みませんよね。それなら市販のお漬物や佃煮、ふりかけの方がいいんじゃないかなと思ってます」(にぎりっ娘。さん)
3つのポイントをおさえれば、1品のおかずでも見栄え良し・満足度も高いお弁当が作れますよ。ぜひ明日から試してみてください!
ちょっと頑張れそうな日には、メインのおかずのほかに、“黄色いおかず”か“野菜のおかず”をプラスするのがおすすめとのこと。品数が増えても、ちょっとだけの頑張りで作れるコツは何なんでしょうか?
「お弁当初心者さんは、最初は1品弁当からスタートしていいと思います。お弁当作りに慣れてきたら、卵焼きを作ってみたり、レンチンで副菜を作ってみたりして、おかずの数を増やしていくのが良いと思います」(にぎりっ娘。さん)
品数が増えると調理器具や洗い物も増えて時間がかかってしまわないか心配です…。
「お弁当を作り始めたばかりの頃は、卵焼き用のフライパン1つでお弁当を作っていましたが、今は鉄のフライパン1つで作っています。卵を焼いてお皿にうつしたら、そのまま洗わずにメイン作りに使えるので、あれこれ調理器具を使わなくてラクですよ」(にぎりっ娘。さん)
確かに言われてみれば、ベタベタとしたソースのおかずでもない限り、フライパンを洗わずに次の料理を作ることもできますね。こうしなきゃという思い込みで自分自身でお弁当作りのハードルを上げていたことに気付かされます。
にぎりっ娘。さんのお弁当と言えば、彩りで入っている卵のおかずがとってもおいしそうです。その中でも、卵1つで作る卵焼きは、YouTubeでも大きな反響があったそうで。
「卵料理はお弁当の必須アイテムですよね。お弁当箱の中に、赤、黄、緑が入っていると彩りも完璧になります。お弁当のための卵焼きに、卵を何個か使うと、お弁当箱に入りきらない量ができたりしますよね。そこで、1個でも厚みのある卵焼きを作るようになりました。卵1個でこのボリュームが出せると、お弁当作りがとてもラクになりますよ」(にぎりっ娘。さん)
卵1つで作れる卵焼きを知ってしまうと、お弁当にいれる卵料理は、卵焼きばかりになってしまいそうです。卵焼きがマンネリしないコツはありますか?
「いつも同じ卵焼きばかりではなく、いろいろな味にしてみるほうが食べる人が楽しいかなと思うので、私はいろいろなバージョンの卵焼きを作っています。味つけによって、お弁当のトーンが変えられるのも手軽でおすすめなんです」(にぎりっ娘。さん)
桜えびを入れたらお好み焼き味のように感じそうですし、ハム入りなら洋風のお弁当にも合いそう! 新しいメニューを覚えようとせずに、定番メニューを少しアレンジするという発想は、いろいろなおかずに応用できそうです。今回ご紹介いただいた、にぎりっ娘。さんのワザを取り入れて、ぜひみなさんもお弁当作りを頑張らずに、楽しんでみてくださいね!
(TEXT:上原かほり)
「お弁当は、作る時は辛いけど、食べるときは嬉しいものです。毎日のことだからこそ、頑張らないということが大事。でも、頑張りたいときにはとことん頑張って、凝ったお弁当を作ったっていいですよね。この本には、頑張れない日だけではなく、頑張れる日のお弁当レシピも載っているので、お弁当を作ることになった方全てに伝わる内容になっていると思います」(にぎりっ娘。さん)
本書の担当編集者の前山さんにも、この本の見どころを聞きました。
「20年以上、子どもと夫のためにお弁当を作ってきましたが、最近、子どもたちが自立し、お弁当作りから解放されて、楽しい朝を迎えられるようになりました(笑)。お弁当を作っている頃は、週の中でも水曜、木曜日のお弁当作りが辛かったです。眠くて眠くてふらふらになりながらお弁当を作ったこともあります。そんな日々の中で、『作ってるだけで褒めてほしい』という気持ちがずっと心の中にありました。買ったお弁当より、鮭が1つだけでも手作りしているんだからいいじゃないという気持ちを、この本に込めました」(前山さん)