【今日からはじめるスパイス&ハーブ入門vol.6】最近、近所のスーパーでも手に入りやすくなってきたスパイスやハーブ。でもいまいち使い方がわからない……。そこで、ハーバルセラピストが初心者向けにスパイス&ハーブの使い方をご紹介! 普段の料理を手軽にワンランクアップしてみませんか?第6回目は、強い抗菌力が特徴の「タイム」をご紹介します。
スッと長めの枝から可愛らしい葉が連なる「タイム」。グリル料理のあしらいでよく見かけることも多いのではないでしょうか。少し渋みがありつつも鼻に抜ける爽やかな香りが特徴のハーブです。
タイムはミントやラベンダーと同じく、シソ科の植物。生命力が強く育てやすいことから、園芸店でも様々な種類のタイムが販売されています。料理で見かけるときには枝だけが使われることが多いですが、枝先には白やピンクの小さな花をたくさん咲かせ、かわいらしい花の姿も楽しむことができます。
夏風邪を引いてしまい、大体治ったのだけど咳だけが長引いて…ということ、よくありませんか? そんなときに役に立つのがタイム。ハーブティーにして飲んでみましょう。フレッシュでもドライでもどちらでもOK。熱湯を注ぐと立ち上る香りにも癒されます。
タイムを語る上で忘れてはならないのが、並外れた抗菌力です。そのパワーを料理に活かすことで、ピクルスやコンフィといった常備菜にもよく使われています。強い抗菌作用が料理の保存性を高めてくれるということです。
また、強い香りを持つタイムは、肉や魚の臭み消しや、香り付けに使われることも多く、フレンチの煮込み料理には欠かせない「ブーケガルニ」にも使われています。
抗菌力の強さを活かすことで、キッチン周りなどのお掃除にもタイムが活躍してくれます。口に繋がるキッチンなので、なるべくナチュラルなものを利用したいというときには、お酢にタイムを漬け込んだものをお掃除に利用してみてはいかがでしょうか。水垢を落としたり、気になるところの拭き掃除にも使えます。
名前の由来には諸説ありますが、ギリシャ語で「勇気」を表す言葉が語源になっているとも言われ、ヨーロッパでは「勇気」の象徴とされています。中世では、「タイムの香りのする人」と言われることは男性にとって最大の褒め言葉だったと言われています。余ってしまったタイムをティーバックに入れて、お風呂に入れるとタイムバスを楽しむことができます。リラックスしながらタイムの香りをまとってみるのはいかがでしょうか。
画像提供:ピクスタ
ハーバルセラピスト。北海道生まれ。都会に憧れ上京しつつも北の大地への望郷の念を捨てられず、現在札幌在住。東京でハーブの師匠に出会い、ハーバルセラピストの資格を取得。生活や料理にささやかに活用しながら日々過ごしております。