【八百屋さんの旬ごはん Vol.7】無人青果店・コミュニティースペース・居酒屋がひとつになった「イエローページセタガヤwithプラスヤオヤ」を運営する尾辻あやのさんが、今おいしい旬の野菜と、おすすめの食べ方をご紹介します。
こんにちは。プラスヤオヤの尾辻です。記録的に暑い毎日、かと思えば記録的な大雨。この天候で全国の農家さん、みなさま大変なご苦労をされていらっしゃることと思います。そう思うと、日々当たり前に手元に届くお野菜がより一層大切に思えてくるこの頃です。
さて、今日のテーマはトマトです。真っ赤な見た目もやはり目を引くのか、うちの八百屋でも老若男女、どこでもいつでも一番人気なのがトマトです。生でもよし、煮てもよし、保存食にもなる、調理のバリエーションの多さと、朝・昼・おやつ・夜ごはんといつでも使える便利さがトマトの強み。お客様からも「うちは土佐酢に漬けるよ」など皆様楽しそうにお料理の仕方を教えてくださいます。
そして食べるだけではなく、家庭菜園などでも一番ポピュラーなのがトマトではないでしょうか。
今回はまたしても、山梨県北杜市の伊藤農園さんにトマト農園を見せていただきました。 伺った際は長雨が始まる前の夏真っ盛り! 今年は豊作とのこと、畑も元気に育ったトマトの苗でぎっしりです。
こちらがトマトの子ども。トマトは上へ上へどんどん伸びて行きますが、段数が増えると、あまりいい状態のトマトができなくなるため5〜7段くらいで通常はストップします。トマトのサイズによっても変わりますが、中玉トマトであれば、一段につける実は8〜12個、つまり1苗で60-80個ほどのトマトが収穫できます。
トマトといえばみずみずしいイメージがありますが、トマトの原種の原産地はアンデス山脈の高地と言われています。実は高温多湿の日本と相性がいいお野菜ではなかったんですね。その話からか「トマトは乾燥させればさせる程よい!」なんて話もよく耳にします。
私も以前ベランダプランターでトマトを育てた際に、その話を信じてなるべく水をやらないようにしてみたのですが、その結果がこちら……
トマトのお尻が真っ黒に! 驚いて調べてみたところ「尻腐れ病」と言う何とも怖いネーミングの病気になってしまいました。乾燥しすぎ、栄養分の不足、水のやりすぎ、などが原因でおきる病気だそうです。
「トマトがおいしくなる秘訣はありますか?」と伊藤さんに伺ったところ、「適度な雨!」との一言。伊藤さんの畑では水やりはせず、お天気次第。それでこれだけの美しい量が作れるのですから、本当に農家さんの技術はすごいものです。
さて今日のレシピは、トマトたっぷりドライカレーです。たくさんトマトをもらっても、余ってしまったり、腐ってはなくても柔らかくなってしまうことがありますよね。そんな時は、冷蔵庫に余った野菜も一緒にドライカレーにしてしまうのが一番です。
合い挽き肉…400g
トマト(中玉)…4〜5個
人参…1本
玉ねぎ…1個
(その他、ピーマン、ナス、ズッキーニなどあまり野菜…適量)
ニンニク…1かけ
サラダ油…小さじ1
A
生姜…1かけ
ウスターソース…大さじ1
カレー粉…大さじ1
ケチャップ…大さじ2
赤ワイン…大さじ2
顆粒コンソメ…小さじ1
塩こしょう…適量
1.人参、玉ねぎ、ニンニク(その他あまり野菜)はみじん切りに。生姜はすりおろしておく。
2.トマトは角切りにする。
3.フライパンに酒少々(分量外)を入れたお湯で挽き肉をサッと湯通しし、水気を切りバラバラにして取り出しておく。
4.そのフライパンで1で刻んだ野菜ををサラダ油でしっかり炒め、3の肉を入れ戻し炒める。そこにAと2のトマトを入れ炒め、香りが立ったら塩こしょうで味を調える。
いかがでしたでしょうか。少しずつ余ってしまったり、鮮度が下がったお野菜も、カレーにしてしまえば簡単においしく生まれ変わります。ごはんとカレーライスはもちろん、ポテトとチーズと一緒に焼いたり、ホットサンドの中身など、いろいろアレンジもできて便利です。ぜひお試しください。
プラスヤオヤは、農業繁盛・地域円満をモットーに、農家さんと食べる人をちゃんとつなげる新しい八百屋を展開するプロジェクトです。2020年9月より、プロジェクトの第一歩として、私、尾辻あやのと、料理人の夫と世田谷にて始めたお店「イエローページセタガヤ」にて昼間は有機野菜の八百屋とコミュニティスペース、夜は居酒屋を運営しています。