節約アドバイザー・ファイナンシャルプランナーの丸山晴美さんの「食費節約レッスン」で、貯め上手・遣い上手になりましょう。今回は、食品が値上がりしたときにオススメのやりくり術についてお話を伺いました。
天候不順による野菜の値上がりや、バイオ燃料への転用による食用油や大豆などの価格が上昇しています。また、新型コロナウイルスの影響で生産が落ち込んだ牛肉など食肉の価格も上昇していて、食費が膨らみがちな家庭が増えていると思います。このような値上がりの場面においての上手なやりくり方法をご紹介します。
限られた食費でやりくりする場合は、買う食材や食品の優先順位を考えましょう。優先順位が高いものとは、自炊に必要な野菜や肉など加工されていないものです。加工がされているものは値段が上乗せされているため、食費が膨らむ原因になります。また、お菓子などの嗜好品も優先順位としては下です。
すべての野菜が値上がりしているわけではありません。大きく値上がりしている野菜は避け、そこまで値上がりをしていない野菜やきのこ類を買うようにしましょう。
おすすめはキャベツです。キャベツは現状そこまで値上がりはしていません。また、大玉のキャベツなら、葉を1枚1枚剥きながら調理することで、傷みにくく長持ちします。
保存するときはレジ袋に入れて空気を抜き、野菜室で保存するだけと簡単です。キャベツは切ったところから傷んでくるので、半分などにカットされたキャベツを買うなら使い切り用として買うことをおすすめします。
また、もやしも1袋あたり20~30円と手ごろですし、価格の変動幅が少ないので家計お助け食材には変わらないのですが、1玉150円のキャベツ=5~7.5袋分のもやしと考えることもできるので、その時によって使い分け、買い分けるといいでしょう。
冷凍野菜を取り入れてもいいでしょう。ブロッコリーやいんげん、ほうれん草など青みのある野菜はお弁当にも欠かせない食材です。これらは冷凍野菜で購入したほうが安くなる場合があります。産地が気になる場合は、必ず確認してから購入しましょう。各スーパーのPB(プライベート)商品の冷凍野菜は手ごろな価格で、産地表示もされているのでおすすめです。
キノコ類は、冷凍することもできます。安売りの際にまとめ買いをして、小房に分けてからファスナー付き保存袋に入れて、冷凍しておくと便利です。
おやつと言えば、スナック菓子や菓子パンといった手軽に食べられるものを思い浮かべがちですが、これらは食費を膨らませる一因になります。また、スナック菓子や菓子パンは、量が少なくなったり、値段が上がるなど1つあたりの単価が高くなってきています。1つでは満足できずに、いくつか食べるとおやつ代(食費)は増えるばかりです。
スナック菓子や菓子パンの代わりに、ゆで卵、魚肉ソーセージ、小分けしたご飯、食パン、切り餅といった比較的安く、腹持ちが良いものを常備しておくといいでしょう。これらは通常の食事にも使えるものなので無駄になりにくく、単価で考えると、ゆで卵なら1つ10~20円、魚肉ソーセージなら5本束で約200円で1本あたり40円とかなり安く済みます。
スーパーなどが展開するプライベートブランド(PB)の認知度はかなり高くなりました。いつも手ごろな価格で毎日提供されるPB商品は値上げ時にも比較的頑張ってくれる商品です。パッケージ変更などが行われると、内容量が減っていることも多々ありますが、価格はほぼ据え置きなので食費を予算内に収めたいときには心強い存在です。
また、野菜はもちろんのこと、食用油や調味料、インスタント食品といった定番食品は、定期的に特売になりやすい商品ですので、特売品も忘れずにチェックしておきましょう。
食用油が値上がりする場合、たっぷりの油を使った揚げ物料理は避けがちです。揚げ物をする際は、天ぷら鍋にたっぷりの油で揚げるのではなく、少量の油で揚げ焼きにする方法や、衣を付けずにオーブンで焼く方法などがあります。
食肉価格が値上がりしても、鶏むね肉や豚こま肉は節約食材として人気です。パサつきがちな鶏むね肉は、下味冷凍をすることで、味が染み込んで柔らかくなり食べやすくなります。下味冷凍とは、肉にあらかじめ調味料を加えて冷凍しておくことです。解凍後に加熱調理をするだけなので、手軽にメインおかずが作れて時短になるメリットもあります。
豚こま肉はボール状にしてから揚げを作り、甘酢あんかけをかけたり照り焼き味にするなど、味を変えてバリエーションを広げることができます。
値上げは家計にとって痛手ですが、工夫次第で食費の節約は可能です。値上げで慌ててまとめ買いをすることはかえってムダ遣いになってしまうことも。まずは1度レシートを確認して、日ごろの買い物を再点検して、食材の優先順位や、買い物の仕方などを改めてチェックするといいですね。
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画像提供:Adobe Stock
旅行会社、コンビニ店長などを経て2001年節約アドバイザーとして独立。節約アドバイザー、ファイナンシャルプランナー、消費生活アドバイザー。食費はもちろん生活全般の節約術・ライフプランを見据えたお金の管理運用のアドバイスなど様々なメディアで活動中。
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