【体にやさしい「いたわりごはん」 Vol.13】今日はなんだかちょっぴりしんどい……そんな日は、体にやさしいごはんでパワーチャージ! 身近な食材で手軽にできるプチ薬膳メソッドで、体の調子を整えましょう。
8月に入り、本格的な暑さにバテ気味の人もいるのではないでしょうか?暑くて、水を飲んでものどの渇きが癒やされない、顔がほてるなどの症状も出やすい時期です。漢方・薬膳の考えでは、夏は熱が体にこもりやすく、熱は上昇する性質があるので顔が赤くなったり、のぼせやすくなるといわれています。 そのため、夏を快適に過ごすためには、体に余分な熱がこもらないように冷ます、潤いを与えることが大切です。
そこで役立つ食材が「トマト」です。トマトは薬膳では、体液を増やし、口の渇きを止め、余分な熱を冷ます食材として知られています。そのため、熱がこもることによって起こるのぼせやのどの渇き対策に役立ちます。その他にも、胃腸の働きを高め、消化を助ける働きがあるので夏バテ防止効果が期待できますよ。
トマトの注目の栄養素はリコピンです。有害な活性酸素の働きを抑える強い抗酸化作用があり、ガンや動脈硬化などの予防効果が期待できます。その他にもビタミンCやビタミンEなどの抗酸化作用の高い栄養素を含むため、紫外線によるダメージから肌を守る効果もあります。
トマトの性質は薬膳で「寒性」といって、体を冷やす食材です。そのため、体にこもった余分な熱を冷ましてくれ、暑い季節の体調管理に適しています。しかし、冷え性の人は生のままたくさん食べるのは控えましょう。もしくは、加熱して食べるか、しょうがなどの体を温める食材と組み合わせることで冷やす作用を緩和してくれます。
トマト同様、きゅうり、なすなどの夏野菜、豆腐、わかめにも体の余分な熱を冷ます作用があります。これらとトマトを組み合わせたレシピをご紹介します。
体の余分な熱を冷まし、潤いを与えてくれる組み合わせのサラダです。彩りもきれいで食卓が華やぎますね。食欲がない時にもさっぱりといただけます。
なすを焼いて、トマトとめんつゆを合わせたタレと和えてマリネに。トマトの旨味と甘酸っぱいタレがなすに染み込んで絶品ですよ。
さっぱりと食べやすい酢の物にして。冷えが気になる人はしょうがのすりおろしを加えると冷やす作用が軽減されるのでおすすめです。
暑くて顔がほてる、のどが渇いて仕方ないなど、熱がこもることによって起こる症状は、余分な熱を取って潤いを与えてくれるトマトで癒やしましょう。食欲がない時にもおすすめのレシピなので、ぜひお試しくださいね。
漢方薬・生薬認定薬剤師。調理師。薬膳アドバイザー。大学卒業後、薬局にて従事している時に、病気の予防、健康維持には食育が大切であると感じ、服部栄養専門学校に入学し卒業する。お料理好きの漢方マニア。