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コラム

スイカとも実は相性抜群!暑い日に楽しむ、お寺の「梅干し」レシピ

【今日はお寺ごはんで一汁一菜 Vol.11】料理僧・青江覚峰(あおえ かくほう)さんが提案するのは、誰でも簡単に作れる「一汁一菜のお寺ごはん」。実際にお坊さんたちが食べている、肉や魚を使わない一工夫あるレシピを教えていただきました。からだと心がほっとゆるむ、優しい味わいのお料理ですよ。

日本が生んだ万能食材「梅干し」

「梅干し」と聞けば、ぱっと思い浮かぶ、日の丸弁当やおにぎり。お弁当箱の蓋を開けたときやおにぎりを割ったとき、白いご飯の真ん中に置かれた赤い梅干しを想像すると、塩気と酸味を思い出して口の中が涎いっぱいになります。

梅干しは味の強さや色みから、食事のアクセントとして古くから重宝されてきましたが、栄養の面でも非常に優秀な食品です。疲労回復効果や食中毒予防などのよく知られた効能に加え、動脈硬化の抑制、糖尿病、胃がん、インフルエンザなどにも予防効果が期待できるなど、まさにスーパーフードであると言えます(※1)。

さて、そんな素晴らしい梅干しは、叩いて「ねり梅」にしたり、酒と合わせて煮詰めて「煎り酒」にするなど、調味料としても活躍してくれます。塩気と酸味、そして梅本来の甘味の混ざった絶妙な味わいで、料理のバラエティがぐんと広がること間違いなしです。

今回は、そんな梅の料理を二品つくります。

まず一品目は「ズッキーニの梅びたし」です。ほうれん草でもきゅうりでもなんでもいいのですが、今回はこの時期スーパーにも立派なものが並ぶズッキーニを選んでみました。かたちを生かして細長い千切りにすることで、ズッキーニが持つわずかなぬめりと相まって、まるで素麺のように食べられる一品。するするとした舌触りと梅の味が、暑さで食が細くなりがちなこの時期にうってつけです。

もう一品は、ちょっと目先を変えて「ほんのり梅香るスイカのスープ」です。前述した煎り酒とスイカを合わせただけの、とってもシンプルなスープ。キンキンに冷やして飲むもよし、半冷凍でシャーベット状にしても食べるもよし。鮮やかな赤が見た目にもかわいらしく、一口含めばスイカの甘みと梅干しの塩気が絶妙なバランスで、なんとも後を引く美味しさです。

余談ですが、うちのお寺は「龍神梅」の梅干しを使っています。梅と塩以外は何も使わないシンプルな製法でつくられたものなので、どんな料理とも好相性。塩気がきつくないのも、食べやすい、使いやすい理由です。

これを叩いて煮切りみりんと合わせたねり梅、酒と一緒に煮きった煎り酒は、うちのお寺には欠かせない調味料。白いご飯にのせてそのままいただくのはもちろん、様々な食材や料理と合わせて、毎日のようにいただいています。

ズッキーニの梅びたし

材料

ズッキーニ…1/2本(180g程度)
梅干し…3個
A
昆布だし…1/2カップ
薄口しょうゆ…大さじ1
みりん…大さじ1/2

塩…お好みで

作り方

1.Aの材料を鍋に入れて中火にかけ、ひと煮立ちさせる。

2.鍋を火からおろし、種を取り包丁で叩いた梅干しを加える。味見をして塩が足りなければ塩を加える。

3.ズッキーニを千切りにし、さっと湯がいてよく水を切り、に30分ほど漬ける。

ほんのり梅香るスイカのスープ

材料

スイカ…300g
煎り酒…大さじ1.5

【煎り酒を手作りする場合(作りやすい分量)】
日本酒 1カップ、梅干し3個を鍋にいれ、弱火にかける。全体の水分量が1/4くらいになったら火を止め、瓶に入れて保存する。

作り方

1.スイカの身を皮からスプーンで取り、種を取り除き、粗くフードプロセッサーにかける。

2.と煎り酒とよく混ぜ、冷蔵庫で冷やし、盛り付ける。

(※1)出典:紀州梅効能研究会

青江覚峰(あおえ・かくほう)

1977年東京生まれ。浄土真宗東本願寺派 湯島山緑泉寺住職。米国カリフォルニア州立大学にてMBA取得。料理僧として料理、食育に取り組む。ブラインドレストラン「暗闇ごはん」代表。超宗派の僧侶によるウェブサイト「彼岸寺」創設メンバー。
ユニット「料理僧三人衆」の一人として講演会「ダライ・ラマ法王と若手宗教者100人の対話」などで料理をふるまう。著書に『お寺ごはん』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『ほとけごはん』(中公新書ラクレ)、『お寺のおいしい精進ごはん』(宝島社)など。
【公式HP】https://www.ryokusenji.net/kaku/