【体にやさしい「いたわりごはん」 Vol.15】今日はなんだかちょっぴりしんどい……そんな日は、体にやさしいごはんでパワーチャージ! 身近な食材で手軽にできるプチ薬膳メソッドで、体の調子を整えましょう。
9月の前半、朝晩は過ごしやすくなり秋の気配も感じ始めます。そんな夏と秋の季節の変わり目は疲れも出やすく、空気も乾燥してくることから風邪も引きやすくなります。また、朝晩の冷え込みによって思いの外、体が冷えていることがあります。胃腸の冷えは消化・吸収能力を低下させ、栄養分を十分に吸収できなくなるため疲れにつながります。
そこで季節の変わり目の体調管理に役立つのが、「かぼちゃ」です。かぼちゃは薬膳では、体を温める作用があり、胃腸の調子を整える食材として知られています。そのため、疲労回復や風邪予防にも効果が期待できます。手足の冷えを感じている方には冷え対策にもおすすめの食材ですよ。
かぼちゃはとても栄養価の高い野菜で、特にベータカロテンやビタミンEが豊富に含まれています。ベータカロテンは粘膜を強くし、免疫力を高めてくれます。ビタミンEは血行を促進する作用があるため冷えの改善に役立ちます。
かぼちゃの性質は薬膳で「温性」といって、体を温める食材です。胃腸を温めることで、働きを高めて気(エネルギー)を補うので、疲労回復に役立ちます。ただし、食べ過ぎると胃がもたれやすく、余分な水分がたまり気や血の循環が悪くなりやすいので適量を摂るようにしましょう。
体を温めエネルギーを補うかぼちゃと、冷えや疲労回復に役立つ食材である、たまねぎ、鶏肉、しょうがを組み合わせたレシピをご紹介します。
スープにすることで、消化も良く体を温める効果も高まります。玉ねぎも体を温める作用があり、血や気の巡りを改善します。体が冷えた時や風邪の引き始めにもおすすめです。
薬膳で鶏肉は、胃腸の働きを助け、気(エネルギー)や血を補う食材なので、疲れている時におすすめの食材です。しょうがを組み合わせることで温める効果も高まり、風邪予防に効果的です。
栄養価が高く体を温めるかぼちゃは、季節の変わり目の体調管理におすすめの食材です。手軽に作れるレシピなのでぜひ試してみてくださいね。
漢方薬・生薬認定薬剤師。調理師。薬膳アドバイザー。大学卒業後、薬局にて従事している時に、病気の予防、健康維持には食育が大切であると感じ、服部栄養専門学校に入学し卒業する。お料理好きの漢方マニア。