【ドキュメンタリーレストラン ゼロ vol.10】出張料理人・ソウダルアさんが、日本中で日々失われていく食材をメインに据えたコース料理を考案し、そのレシピをお届けします。連載第10回目のテーマは、「白菜」。
一年を通して手に入る白菜。
その中でも特に旬になるこの時期に、発酵をかけてたっぷりと召し上がるのはいかがでしょう?
冷蔵庫の中でだんだんと育っていく白菜に寄り添う鍋料理を3つ提案いたします。
まずは白菜をまるごと一玉、発酵させましょう。
白菜 1玉
塩 大さじ3杯
昆布 お好みで
鷹の爪 お好みで
白菜を食べやすいサイズにカットし、ジッパー付き保存袋に塩と入れ揉み込み、昆布・鷹の爪を加え、空気を抜いて冷蔵庫に入れる。4〜5日おいておけば完成
※塩はいわゆる食塩でもいいですが、うまみのある自然塩にするとよりおいしくなります
発酵白菜 400g
発酵白菜のジュ 100cc
干し椎茸 10g
豚バラ肉 200〜250g
春雨 50g
胡麻油 大さじ2
塩 小さじ2〜3
水 300cc
※ジュとはフレンチ用語で素材から出る液体を指します
1. 発酵白菜とそのジュ、干し椎茸、塩、胡麻油、水を鍋に入れ弱火にかける
2. 春雨を水(レシピ外)で戻す
3. 鍋の端が沸いてきたら、春雨と豚バラ肉を入れ蓋をして、5分ほど火を入れれば完成
発酵白菜 400g
発酵白菜のジュ 100cc
牡蠣 100g
ベーコン 100g
バター 20g
牛乳 300cc
鶏ガラスープ(顆粒) 小さじ2
塩 お好みで
胡椒 お好みで
1.発酵白菜とそのジュ、牛乳、鶏ガラスープ、お好みで塩を鍋に入れ、弱火にかける
2. 鍋の端が沸いてきたら、牡蠣と短冊に切ったベーコンを入れ蓋をして、5分ほど火を入れ、お好みで胡椒を加え、バターをのせれば完成
発酵白菜 400g
発酵白菜のジュ 100cc
鱈切り身 2枚
舞茸 1袋
チゲ鍋の素 1袋
胡麻 小さじ2
1. 発酵白菜とそのジュ、チゲ鍋の素を鍋に入れ弱火にかける
2. 鍋の端が沸いてきたら、鱈の切り身と舞茸を入れ蓋をして、5分ほど火を入れ、胡麻を散らしたら完成
この3つの鍋はそれぞれに本家があり、それらを発酵白菜を中心に据える形でアレンジいたしました。レストランと言うには家庭的かも知れませんが、日本の真冬は鍋を囲み、つつきあうことで乗り越えてきたと思いますので、今月はこのようなスタイルにさせていただきました。
日本中で白菜一玉を余すことなく、みなさまが平らげてくだされば、それもまたひとつゼロに近づくのだと思います。
今宵も日本のどこかで心と身体をあたたまるドキュメンタリーレストランが開かれることを願っております。
大阪生まれ。5歳の頃からの趣味である料理と寄り道がそのまま仕事に。“美味しいに国境なし”を掲げ、日本中でそこにある食材のみを扱い、これからの伝統食を主題に海抜と緯度を合わせることで古今東西が交差する料理をつくる。現在は和紙を大きな皿に見立てたフードパフォーマンスを携え、新たな食事のあり方を提案中。
【フードパフォーマンス映像】
https://vimeo.com/275505848