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インタビュー

【手を見ればその人の年齢がわかる!?】水仕事で手が荒れるのを防ぎたい!スキンケアのプロに聞いた「手荒れ予防&ケア方法」

寒い季節は手荒れに悩む人が多くなりがち。そんな中、日々の料理や洗い物をしていると、手荒れはどんどん酷くなってしまいますよね。今回は、日本スキンケア協会認定講師でエステティシャンのnaomi先生に、手のスキンケアと予防方法を教えてもらいました。

肌が乾燥しやすい時期は要注意

――寒い季節は手荒れに悩む人が増えてきます。注意すべきことを教えてください。

冬は寒さで手の新陳代謝が落ちてきたり、末梢神経が鈍ってきたりするため、手が荒れやすい状態になります。さらに空気が乾燥していると、肌表面の水分も奪われやすくなるので、外で冷たい風にあたるだけで肌がカサカサになってしまうことも。買い物にいくときに温かい手袋をするだけでもだいぶ違いますよ。

水仕事は手のダメージ大!

――暖かい家の中でも気をつけるべきことはありますか?

家の中でも料理、洗濯、お風呂洗いなど、水を使うことはすべて手荒れを引き起こす可能性があります。特に注意すべきは「洗い物」。食事の後、食器などを素手で洗っている人がいますよね。そのとき、食器用洗剤も使うと思いますが、洗剤に含まれる界面活性剤は肌への刺激が強く、手の皮膚膜や角質層を落としてしまう恐れがあります。また、寒い冬はお湯を使うことが多いですが、お湯は皮脂を奪ってしまうため、肌が乾燥する原因にもなります。

――お湯も刺激になるんですね。洗い物での手荒れを防ぐにはどうしたらいいですか?

家に食洗機がある人はなるべく食洗機を使う、そういった機械がない人はゴム手袋を使うのが最大の予防策だと思います。ギトギト汚れがついたフライパンなどを洗うときはゴム手袋が必須。食器用洗剤は油を落とすほどの洗浄力ですから、自分の皮脂も同時に落ちていると思ったほうがいいですよ。

――ゴム手袋以外にも何かおすすめのアイテムはありますか?

手袋をするのが難しい人は、水仕事の前に「予防保護クリーム」を塗るのもひとつの手です。保湿を与えるクリームとは別にガードする“見えない手袋”といった保護クリームがあって、美容師さんや調理師さんなどが使っているプロ用のものは3〜4時間くらい効果が持続します。ほかにも、子育て中の方や敏感肌向けの方用の保護クリームがドラッグストアで販売されているので、そういうものを積極的に利用するといいでしょう。

――生活の中で「手」ってとても刺激を受けているんですね。

考えてみると、暮らしの中で水を使うことって意外と多いですよね。だから、基本的なことではありますが、水に触れる回数自体を減らすことも大事です。例えば、洗い物はまとめて行う、調理中に肉や魚に触れるときは短いトングや100円ショップで売っている薄い手袋などを利用して食材に直接触れないようにするなど、手洗い、水洗いを減らす工夫をしていきましょう。

ですが、そもそもコロナ禍の今、手を洗う回数を減らすのは難しいですよね。その場合は、濡れた状態を長く放置しないで拭くようにしましょう。濡れたらすぐにタオルで優しく拭く。ペーパータオルなどの硬めの紙しかないときは、ガシガシ擦るのではなく水分を押さえるように拭いてください。なるべく手に刺激を与えないことが重要です。

荒れた手をどうにかしたい!保湿用ハンドクリームは必須アイテム

――予防をしていても手が荒れてしまったときのケア方法は?

まずは保湿クリームを塗ること。そのときに手をマッサージしてあげるのもいいと思います。マッサージをするときはクリームをたっぷり塗って、すべりをよくすることが大切。クリームを指の根元から指先に向かって伸ばしていき、円をかくようにして血流とリンパの流れをよくするイメージで塗っていきましょう。

ささくれができている人は、爪のまわりにも塗りこむようにまんべんなく塗るといいでしょう。1本でハンド&ネイルといった全部をケアできる便利なクリームもあります。荒れがひどい人はネイルオイルを使うなど、お時間のある時に様々なハンドケア製品でお手入れするのもおすすめです。

――塗るのに適したタイミングはありますか?

ハンドクリームは適量(手がベタベタしない程度)をこまめに塗ることが大切です。水仕事のあとは必ず塗るようにしましょう。水仕事のときに限らず、乾燥しているなと思った時はいつでも気軽に塗ってください。喉が渇いたら水を飲むのと一緒です。家の中なら台所、洗面所など水を使うところには必ず置いておく。外出する際もバッグの中にクリームを持ち歩いて習慣化していきましょう。

先ほどおすすめした「予防保護クリーム」の場合は朝のスキンケアが終わって、家事や仕事をはじめる前に塗っておけば半日間はガードできると思います。そうすることで、料理のときだけでなく、私たちの生活の中で受ける外的刺激から手を守ってくれます。

――保湿用ハンドクリームはどんなものを選べばいいですか?

手荒れがひどい人は香料も刺激になる場合があるので、無香料のものを選んだ方がいいかもしれませんが、特に絶対にこれがいい! これはダメ! というものはありません。ほとんどのハンドクリームには、保湿成分であるグリセリンやスクワランなどの他に特徴成分が含まれていると思いますので、商品パッケージや成分表を見ながら、自分の肌質・状態にあったものや使用感が気に入ったものを選ぶといいと思います。私は、水仕事のあとはさらっとしたクリームを塗って、寝る前はリッチなクリームをたっぷり塗るなど、2種類の保湿クリームを使い分けています。

――徹底的に予防、ケアをしても手が荒れたら?

手荒れが改善しない場合は、早めにお医者様に行くことをおすすめします。

顔と同じように「手」もいたわってあげよう

――自分でも気がつかないうちに手にダメージを与えていることが多いんですね。

そうですね。顔はケアするのに手はあまり気にしないという方って多いですよね。でも、手って意外と他人から見られていることが多いんですよ。昔は「手を見ればその人の年齢がわかる」とか「手がその人の苦労を物語る」なんて言われていましたよね。そんなふうに年齢やライフスタイルを想像されてしまうのが「手」。そう考えると、手のケアってとても大事だと思いませんか? 何もしないと刺激にさらされやすい箇所でもあるので、しっかり予防とケアをしてあげましょう。(TEXT:河野友美子)

画像提供:Adobe Stock

取材協力

naomi先生
大学卒業後、企業広報部、バリ島スパのスタートアップマネージャー等を経て独立。60回以上の海外渡航で世界中のスパトリートメントにも精通。東京港区のサロンでは、結果の出るフェイシャル、ボディケア共に絶大な信頼を寄せられ長年にわたるリピーター多数。有名女性誌でもゴッドハンドと紹介され、化粧品プロデュースも手掛ける。国内外のプロ向け研修の他、一般向けの学校、企業、行政などの講習でも講師として活躍中。
Beauty Energy 代表/日本スキンケア協会 認定講師/CIDESCOインターナショナルエステティシャン

日本スキンケア協会
美容業界を元気にすることで明るい未来づくりに貢献することを理念に、スキンケアに関する技術や知識についての研修(通信講座、勉強会)や研究を通じて、スキンケアに携わる個人および法人の健全な発展に貢献する一般社団法人。
公式サイトはこちら>>

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