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こんなに万能だったの!?知らなきゃ損の「春菊」のおいしい食べ方

【“クックパッド芸人”藤井21のソロ飯 vol.36】クックパッド芸人を自称し、自らのキッチンに1000品以上のレシピを掲載している「藤井21」さん。一人(ソロ)で作って一人で食べるという「ソロ飯」を日々楽しんでいるそう。藤井21さん自作のおすすめレシピと、悲喜こもごものエピソードをご紹介します。

僕の好きな野菜上位に入る「春菊」

人間には誰しも苦手というものが存在する。それはもちろん食べ物でも。「あれが苦手だ」「んーあんまり食べたくはないかな」「いや、これだけは死んでも食べられない」など程度の差はあれど、苦手な食べ物があるという人は少なからずいるだろう。

そんな苦手な食べ物に関してとある会社が調査したランキングがある。「苦手な野菜ランキング」という何とも全農家を敵に回しそうなランキングだ。そのランキングは大人と子ども別に分かれているのだが、大人でも子どもでも共にトップ5に入っている野菜がある。

それが「春菊」だ。

嘘? そんなことある? あの春菊が?? 苦手な野菜????

正直、ランキング上位に入っている他の野菜はゴーヤとかセロリとかピーマンだったりと、大変申し訳ないが、理由がわからなくもない。強い苦味が特徴のゴーヤも、その香りで時に肉料理の臭み消しにも使われるセロリも、子どもの苦手な野菜の代表の様なピーマンも、どの野菜もおいしいし好きだけど、まあそれが苦手だというのも理解できる。

ただそこに春菊が並ぶというのか…

僕は春菊が好きだ。

世間が苦手な野菜に選ぶなら、僕は好きな野菜の上位に入るくらい好きだ。

ほのかな苦味と香りがあとを引いてクセになるあの春菊が。柔らかな葉は見た目にも緑が鮮やかで、シャッキリと歯応えの良い茎を持つあの春菊が。旬は11月から2月にかけての冬だけど、その名前にもなっている菊に似た花を咲かせるのが春だから、名前に春と付いているあの春菊が。鍋の具材の定番で、とりわけすき焼きと言えば必ず入っていて、鍋の中で紅一点ならぬ“緑一点”的な存在でくどくなりがちなすき焼きの味をスッキリとさせてくれる名脇役の春菊が。

いやいや脇役だけじゃなくメインもはれる。生姜の風味との相性も良く、オイスターソースのコクのある味わいで、今晩の夕飯にもお酒のおつまみにも最適なみんな大好き塩焼きそばにしてもおいしい春菊が。

濃厚で香ばしい胡麻白和えに爽やかな風味と色味で一花添えてくれるあの春菊が。

火を通すのが一般的と思われがちだけど、生でも食べられて、火を通すよりも実はあの独特の風味が少ないので食べやすく、シャキシャキの茎と柔らかな葉がおいしいあの春菊が。

材料全部一気に混ぜて焼くだけで出来て、サクサクと軽い食感でそのままおやつにしても良し、チーズやトマトだったり色々トッピングして酒のおつまみにもおすすめなクラッカーにしてもおいしいあの春菊が。

サクサクほろほろの食感とバターの濃厚な風味にほんのりと苦味と香りを与えてくれて、バレンタインに貰う甘いチョコレートが苦手な男子諸君でもこれならにっこりの甘塩っぱいおかず系クッキーにしてもおいしいあの春菊が。

こんなにも主役を立てる名脇役もでき、それでいて主役にもなれる実力を兼ね備えており、和食、洋食の区別なく使えて、料理に限らずお菓子にまで色々応用が効く春菊を。それでもみんな苦手だと言うのでしょうか。

春菊、食べてみませんか?

調理法によってはもしかしたら苦手だった春菊が好きになったり、匂いだけで食わず嫌いだったけど食べてみたら意外とおいしいと思えたり、昔食べられなかったけど今は食べられる様になっている、と気付いたり出来るかもしれないから。

だって春菊の花の花言葉は「私を信じて下さい」だから。

藤井21(ふじいにじゅういち)

料理と笑いで天下を目指す男性ピン芸人。
埼玉県東松山市出身。東松山のやきとりを愛し、東松山市親善大使「東松山市應援團」の一員。食品衛生責任者の資格を持ち、クックパッドには1000以上のレシピをアップしている。日本テレビ系列『ウチのガヤがすみません!』などに出演。

>>オフィシャルブログ「良い香りのある生活

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