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コラム

SDGsやフードロスってよく聞くけど、何をしたらいいの?国際機関「SDG2アドボカシーハブ」の“中の人”に聞いてみた!

「SDGs」って何をしたらいいの?

最近よく耳にするSDGs(エス・ディー・ジーズ)という言葉。聞いたことはあるけど、何の略称でどんな意味か知らないという人もいるのではないでしょうか。

SDGsは「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略。今、世界は環境問題・貧困・紛争・人権問題・新型コロナウイルスといった感染症など、多くの課題に直面しています。このままでは、人類が安定して暮らし続けることが難しくなってしまうと心配されるため、これらの問題を2030年までに解決するという具体的な目標が立てられ、2015年9月の国連サミットで採択されました。それが「SDGs」です。

しかし、実際に私たちは何をしたらいいのかわからないという声も耳にします。そこで今回は、SDGs達成のためのメッセージを発信している国際機関「SDG2アドボカシーハブ」で働くPaul Newnhamさん(以下、ポールさん)に、私たちが普段の生活で気をつけるべきこと、またポールさん自身が心がけていることなどについて聞いてみました。

国際機関「SDG2アドボカシーハブ」の“中の人”に聞いてみた!

――ポールさんはふだんどのような活動を行なっているのですか?

私は国連機関や民間企業、NGOなどの市民団体と連携して、17の目標で構成されるSDGsのなかでも、特に目標2「飢餓をゼロに」の達成に向けたメッセージ発信の支援や、キャンペーンを実施したりしています。最近では「Good food for all」という「食」に関する取り組みを行い、その中で「#Sustainable Sundays」というキャンペーンを始めました。このキャンペーンは、食にポジティブな変化をもたらすために、私たちに何ができるかを考えていくことを目的としています。

――具体的にどんなことをしているのですか?

簡単にいうと「すべてに優しい料理を週に1回食べよう」という取り組みです。人にも優しくて、健康にもよくて、環境にも優しい、“すべて”に優しいレシピを試してもらおうとしています。

人にも環境にも。“すべて”に優しいレシピとは

――“すべて”に優しいレシピとは、具体的にどんなものですか?

どこに住んでいるか、どんな食文化であるかによって異なるため「これを食べなさい」と1つの答えを出すのは難しいです。ただ、“すべて”に優しい食事という観点では、より少ない水やエネルギーで作られた材料を使っていたり、植物性の材料をより多く使っていることや栄養価が高いことが鍵になってきます

例えば、動物性タンパク質を生産するには、エネルギーを大量に必要とするのであまり環境に優しくはありません。環境に優しい食事はコストが高いというイメージもあると思いますが、私たちはこのような認知を変えていきたいと思っています。

――ポールさんが作った、環境を含めて“すべて”に優しい料理はありますか?

レンズ豆を使ったカレーを作りました。ブロッコリーの茎、マッシュルームなどいろいろな野菜を切って、それらを全部入れました。とってもおいしかったです!

いろいろな野菜を食べられるのでとてもヘルシーです。レンズ豆は栄養や食物繊維も豊富で価格も安く、“すべて”に優しい料理に最適な食材です。育てるのに水やエネルギーもそんなに使いません。そのうえ、レンズ豆のカレーは1回作れば、いつでも温めて好きな時に食べられるから、家族にとってもいい。パンと一緒に食べてもおいしいですよ。

SDGs達成のために、私たちができること

――そのほか、私たちがSDGs達成のために家で取り組めることはありますか?

私の場合は、いろいろな方法で野菜を育てています。都会に住んでいて庭がないという人でも野菜を育てられる「Vege Pot」を使っていますよ。水でできた野菜用のベッド(wicking bed)が入っているんです。毎日水を上げられないときも、水が入っているポットはとても便利です。

あと僕の家では、子どもとどんな材料が食事の中に入っているかを話します。「今日のご飯の中には11の材料が入っているけど、なんだと思う?」と質問したり。どこからきた材料なのか、どんな味がするのか話し合うことによって、子どもたちが食べ物に感謝するようになるし、健康について考えさせることもできます。

――食材について考えることもSDGsにつながるんですね。

はい。ほかにも食材を選ぶ時、それが環境負荷の小さい方法で育てられたものかを確認することも大切です。これはどうやって育てられたのか、そして旬の作物なのか。持続していくのが難しい方法で栽培され、世界中に輸送された季節外れの農産物ではなく、できるだけ旬のものや、どこからきたのか透明性の高い作物を選ぶことが環境負荷を下げるためには大切です。私たちがそれを選択することで、より良い地球環境を作ることに貢献できるのです。

――しかし、実際にそういった方法で育てられた食材は価格が高いものもありますよね?

そうですね。例えば、環境に配慮して作られたバナナが1本150円、ふつうのバナナが100円で販売されていたとします。何も情報がなかったら100円のほうを選ぶ人が多いと思います。でも、そこでなぜ価格に違いが出るのかを考えてほしい。もし予算が許せば、作物にある背景を理解した上で、少し高いものを選ぶことも大事なのではないでしょうか。

それに、安いと人は食べ物を粗末にしがちです。「安いバナナだし、少し傷んできたから捨ててもいいよね」と思う人もいますよね? それがフードロスの問題にも繋がっていきます。100年前、食べ物はもっと貴重なものでした。十分な食べ物があるというのは本当に最近の話です。そういう観点からフードロスを考えることも大切です。

フードロスを減らすためのアイデア

――フードロスの問題も深刻になっていますよね。

はい。そのため、フードロスを減らすためには計画性を持って買い物をすることも大切です。食事のたびに買い物をすると、使いきれない食材が出てきてしまいます。ランチの残り物を夕食時に使ったりすることでもフードロスを減らすことができます。

例えば、ブロッコリーなら上の部分はサラダにして、残りの茎はスープに使えますよね。そのほか、野菜の皮も活用できるかもしれないし、そもそも皮をむかずに使えるかもしれません。バナナも黒くなったらバナナチップにすることもできます。こういうふうに、クリエイティブなやり方がいっぱいあります

クリエイティブになるためにインスピレーションが必要だったらクックパッドをみたり、料理番組を見たり、今はさまざまなところから方法を学ぶことができます。クリエイティブになること、環境問題に意識を向けること、小さなアクションを起こすことが大事です。

――最後に読者にメッセージをお願いします。

SDGsを達成するために大切なのは、私たち一人一人が自分自身の健康と環境問題との関係について意識を向けることです。何が問題なのかを考えて、物事がどう繋がっているかを理解する。あなたの選択がフードシステムにどんな影響を与えるのかを理解することが大事です。そんなふうに、まずは「考えること」から始めてみてはいかがでしょうか?

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