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インタビュー

体型をキープする食事の秘訣も!料理研究家・リュウジさんに聞く史上最強の「痩せめし」

YouTubeチャンネル『料理研究家リュウジのバズレシピ』の登録者数は、316万人超え! 言わずと知れた、日本を代表する料理研究家のリュウジさん。作りやすくておいしいレシピが話題のリュウジさんですが、実はバズレシピの『太らないおかず編』シリーズも大人気なんです。今回は新刊『バズレシピ 史上最強の痩せめし編』についてや、リュウジさんご自身のダイエットに対する考えについて聞きました。

痩せめしを自分で作ると、減量生活が華やかになる

――『バズレシピ 太らないおかず編』『バズレシピ もっと!太らないおかず編』に続いて、『バズレシピ 史上最強の痩せめし編』が発売になりました。これまでの2冊から進化した部分を教えてください。

今回は、オートミールのレシピが10種類以上載っています。これまでは、おかずレシピが多かったのですが、今回は“痩せる主食”がたくさん掲載されています。以前から、オートミールを使ったレシピが知りたいという声はあったのですが、その当時は僕がオートミールにあまりハマれなくて作っていませんでした。ここ数年で、オートミールにハマる機会があり、その時に作ったオートミールレシピを掲載しています。

――今回、主食レシピが増えた理由はなんですか?

オートミールレシピが1つあると、あと1品ほしいときや献立の調整がしやすいんです。おかずだけを食べる方の場合、バランスを考えると何品も作らないといけなくなるのですが、逆に主食さえしっかり食べていれば献立をわざわざ考える必要がなくなります。オートミールを使えばお米も炊かなくて良いし、早く作れるし、栄養バランスも取りやすいのですごく楽ですよ。

――ダイエットをするときの食事は手間がかかるイメージがありましたが、早く作れて楽というのは何よりもうれしいポイントですね!

やはり、毎日のことになるのでハードだと続かないんです。ダイエットをする! と意気込んでも、面倒になってやめる人は多いです。そして、作るのが面倒になった人はコンビニの低糖質食材を食べるようになる。けど、毎食をコンビニで揃えようとすると限界がきますよね。何より味の幅がないので飽きます。そこで必要になってくるのが、自分で調理した低糖質レシピや痩せめし。それが作れるようになれば、ダイエット生活が華やかになりますよ。

オートミールは味と香りをしっかりつけよう

――オートミールをおいしく食べるために工夫した点を教えてください。

味と香りをしっかりつけることです。オートミールが苦手だと言う人の大半は、あの香りが好きじゃないんです。雑穀のような匂いが日本人向けではないんだと思います。なので、僕のオートミールレシピは、香りを強めにつけています。ピザ味とかトマト味、あとゴマ油や麺つゆで出汁の香りを利かせたりしています。オートミール自体にちゃんとした味付けをすれば、僕は気にならずに食べられました。僕のレシピで作ると、オートミールがまずいという感覚はなくなるはず。苦手だという方も、ぜひ1回試してから判断してもらいたいなというくらい、味に自信があります。

――今回、本の中で紹介されているレシピの中で、オートミールを使ったおすすめの1品を教えてください。

オートミールチャーハンです。全くオートミールの感じがしなくてすごくおいしいです。米と差がない仕上がりになっているんです。オートミールは、胃の中に入ると水分で膨らむので満足感が持続するので、僕のレシピはほとんど30gしか使っていません。白米の3分の1で満足できるというのは非常に優れた食材だと思っています。

オートミールチャーハン

材料 (1人分)

オートミール… 30g
水… 50ml
豚こま切れ肉(刻む)… 80g
塩コショウ…少し
ゴマ油…小さじ2
キャベツ(刻む)… 80g
卵(溶いておく)… 2個
A うま味調味料… 7ふり
A 塩…小さじ1/3
A 黒コショウ…適量
A しょうゆ…小さじ1/2
紅ショウガ…適量

作り方

.耐熱ボウルにオートミールと水を入れ、 ラップをかけずに電子レンジ(600W)で約 50秒加熱する。

.フライパンにゴマ油をひいて中火で熱し、豚肉に塩コショウをふって炒める。 肉の色が変わってきたらキャベツを加え、しんなりするまで炒める。

.溶き卵とを加え、さらに炒める。

Aを加え、サッと炒めて器に盛り、紅しょうがを添える。

純粋に旨味を足せる“うま味調味料”を活用する

――オートミールチャーハンのレシピにも使われていますが、リュウジさんがうま味調味料を使う理由を教えてください。

おいしいからです。日本人は、出汁、旨味を尊ぶ人種なので、普段の食生活で旨味の恩恵にあずかっている人は、うま味調味料を使ったほうが良いと思います。旨味物質であるグルタミン酸とアミノ酸と核酸などを科学的に調合したものがうま味調味料。普段から出汁を使っているなら、うま味調味料を使ったほうが良いということです。

――確かに、さっと一振りするだけでおいしくなるうま味調味料は、すごくお手軽な調味料ですね。

お手軽というよりも、出汁より優れた部分があるという点を知ってほしいです。1つに、うま味調味料は、出汁の香りがしないんです。例えば、かつおと昆布はどうしても香りが出てしまいます。でも、うま味調味料の場合は香りがないので、いろんなフレーバーと合わせられます。うま味調味料は、純粋に旨味を足せるんです。

――純粋に旨味が足せる。すごくわかりやすいです。うま味調味料に関しては、いろいろな意見があると思うのですが、リュウジさんはどうお考えですか?

多くの人々は、手抜きの延長でうま味調味料使っていると思っているけど、そうではないんです。僕は、料理の中で香りを重視するタイプなので、素材の香りを活かして旨味を足したいと思ったときの最良の選択肢がうま味調味料になります。また、塩味がつかないというの利点もあります。他の出汁調味料は塩分が強く、他の調味料を使うと応用がきかなくなることがあるんです。醤油だけ、味噌だけを際立たせたいときにはうま味調味料を使っています。僕の作る料理には、高い割合でうま味調味料が入っているので、何にでも入れていると思われがちですが、かなり考え、計算して使っているんですよ。

リュウジさんのレシピによく登場する調味料『コクコクUP!チーム』にも、うま味調味料があります

リュウジさんの体型維持方法

――レシピ開発時にはたくさん試作、試食をすると思います。それでもスレンダーな体型を維持している秘訣を教えてください。

毎日体重計に乗ることです。体重が増えたら食事を抑えます。食べないのではなく、ヘルシーに、お豆腐や野菜を中心にした食事に替え、夜は、糖質、脂質を控えたものに替えたりします。僕は、運動はせず、食事だけで全てをコントロールしているんです。

――今回の本の中で、食べ過ぎた次の日に置き換え食としておすすめのものを教えてください。

しらたき置き換えは、僕もかなり実践しています。パスタ系レシピは、しらたきとは思えないくらいおいしいと思います。パスタのソースを絡めるのではなく、しらたき自体に味を入れるというのがポイントです。世の中のしらたきレシピは、あまりおいしいものがないので、僕がおいしいレシピを作りました。1つ注意してほしいのが、しらたきは食べ過ぎると腸閉塞になる可能性があるので、1日1食くらいにしておいてください。食べすぎは、お腹の調子が悪くなります。

――これまでにダイエットで失敗したことはありますか?

以前、64キロくらいになったことがあります。身長が167cmなので、64キロあったときは、そこそこふくよかでした。自覚はしていなかったけど、他人から指摘されたことで痩せよう! と決めて、1か月で10キロの減量に成功しました。ところが、あまりに急激に痩せたことで皮膚がおいつかず、妊娠線のようなもので来てしまったんです。その経験から、体重はゆるやかに落としたほうが良いですよとお伝えしたいです。

――例えば、5キロ体重を落としたいという人は、リュウジさんの本をどのように取り入れたら良いですか?

普通の食生活をしていると、昼に炭水化物、夜も炭水化物となってしまうことが多いと思います。日本の食事は、炭水化物の選択肢が多すぎるんです。なので僕は、一番吸収される夕飯を低糖質、レシピ本の中の献立で作ってもらうことをおすすめします。それを続けていけば徐々に体重が減ると思います。

――アルコールは?

太りたくないならビールは飲まないほうが良いです。僕は、ハイボールか焼酎だけ。飲むとあまり食べないので、逆に体重が落ちすぎちゃったらビールを飲むこともあります。僕は不思議と飲んでる方が痩せるんです。

――おつまみが止まらないという方は?

おつまみは、糖質が低いものを入れ込みやすいです。僕がこれまで出している痩せめしのレシピ本3冊は、実はダイエット本の皮をかぶったつまみ本だと思っているんです(笑)。だから、今回の本もつまみがいっぱい載っているので参考にしてみてください。スープもわりと載っています。夜に、野菜たっぷりのスープを1食置き換えたりすることもしています。

◯◯は使ってはいけないという考え方は好きじゃない

――この食材は欠かせないというものはありますか?

お豆腐と、白だしをけっこう使っています。白だしは、糖質がなく、しょっぱくて出汁がきいているので、痩せめしに向いている調味料です。オイスターソースとか麺つゆだと糖質が上がってしまうので、白だしはすごく手軽です。塩っぽい味がする調味料なので使いやすいと思います。

――料理酒、みりんは糖質が多い?

どちらも糖質は高いですが、使いすぎなければ問題はないと思います。「この調味料は糖質が高いから使っていけないではないですか?」とか、「全体的に何グラムになるのか」と聞いている方がいますが、糖質量は全体的にみたほうがいいと思います。僕はそもそも、◯◯は使ってはいけないという考え方が好きじゃないんです。

――それはどのような理由からですか?

食で体調管理をしようと思ったら、総合的に物事を見ることが大事。昼にラーメン食べたら夜にヘルシーなものを食べれば良いんです。そういう考え方ができる人が日本人には少ない。ダイエット中にラーメンを食べる人はあまりいないですよね。それって、物事をひとつしか考えていないなと思うんです。週に1回ラーメンを食べて、他のところを気をつけていたらなんの問題ないわけですよね。1食で死ぬほど太ったりする人間はいないので、食事は総合的に見てください

――最後に。いろいろ活躍されているリュウジさんですが、今後やりたいことはありますか?

食べ歩きの本を作ってみたいです。今もけっこう都内近辺の食べ歩きをしているんです。料理の勉強にもなるし、楽しいです。あと、ここ数年、飲食店が大変だったので、少しでも協力したいなというのもあります。そして、技術を勉強させていただくとか、そういったことをしていきたいと思っています。 はっきり自分で評価するインフルエンサーがあまりいない気がするので、僕は割と本音であたっていきたいなというのがあります。路地裏を歩いて探したりしているんです。そういうところの味を勉強して料理にも落とし込んでいきたいですね。

(TEXT:上原かほり)

リュウジさんの新刊著書

バズレシピ 史上最強の痩せめし編』(扶桑社

「1日3食、この本のレシピを食べてもらえば痩せる速度は上がります。ただ、ヘルシーなものばかりなので、人生がつまらなくなっちゃいます。もしダイエットを長期的に考えられるのなら、夕飯だけこの本のものに置き換えてみてください。緩やかに体重が落ちていくと思います。昼は普通に食べられるので、ストレスも感じにくいです。

ダイエットというよりは己の体調管理のために使ってほしい。痩せるためにもなるし、体重をキープするためにも使える本だから、選択肢がものすごく広がります。間違いなく生活の助けになる! そう思って作りました」(リュウジ)

リュウジ

料理研究家。T V・漫画のレシピ監修や、食品メーカー、大手スーパーマーケット等とのタイアップによるレシピ開発、講演等を多数手がける。著書は累計110万部以上。「今日食べたいものを今日作る!」をコンセプトに日夜更新する「簡単・爆速レシピ」が人気を集め、Twitterフォロワー数は約220万人、YouTube登録者数は約300万人。2018年に『やみつきバズレシピ』、2019年に『バズレシピ 太らないおかず編』が料理レシピ本大賞[料理部門]に2年連続入賞など受賞多数。

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