cookpad news
コラム

野菜博士・緒方湊くんに聞く!「ピーマン」の苦味が減る切り方とは⁉︎

子どもが苦手としている野菜上位といわれる「ピーマン」。独特の苦味が苦手というお子さんも多いですよね。でも、切り方を少し変えるだけであの苦味が軽減できるって知っていましたか? 今回は、さまざまな種類のピーマンを食べている野菜博士・緒方湊くんに「ピーマンをおいしく食べる方法」について聞いてみました。

縦がいい?横がいい?切り方がポイント

チンジャオロースのときは細切り、ピザトーストには輪切りなど、作る料理によって縦切りにしたり横に切ったりしていると思いますが、実はピーマンには苦味が出にくい切り方があるんです。ポイントは繊維。ピーマンは縦に繊維が走っているため、繊維に沿って切ることで細胞が壊れず、苦味成分が出にくくなります

一方、横切りやみじん切りは、繊維が断ち切られて細胞が壊れてしまうため、苦味成分が出やすくなってしまいます。苦味を出したくない場合や、栄養を逃したくない場合は繊維に沿って縦に切るようにしましょう。ちなみに僕は、小さな時からピーマンが苦手な時期はありませんでした。ピーマンって苦いですかねえ?(笑)

調理の仕方で苦味を軽減できる

切り方だけでなく、調理をする際にも苦味を軽減する方法はあります。その方法は「油通し」をすること。茹でる、冷凍するなどありますが、油通しすると油でコーティングされるので、苦味を感じにくくなり、食感も残っているのでおすすめです。

苦くないピーマンもある!

一口にピーマンといっても緑、赤、黄色などさまざまな種類のピーマンがあり、苦味を感じにくいピーマンもあります。苦いのが苦手な人には「こどもピーマン」がおすすめですよ。

こどもピーマン

ピーマンが苦手な子も食べられるようにピーマン独特の苦味とにおいを抑えたピーマンです。ししとうのような形をしており、品種名は「ピー太郎」といいます。

緑ピーマン

シャキシャキした食感が特徴で苦味成分の「ピラジン」が含まれています。このピラジンには血行をよくする効果があるといわれています。ピラジンはわたや種に多く含まれています。なので、僕はわたや種も一緒に食べられるピーマンの肉詰めが好きで、よくお弁当に入れてもらいます。

赤ピーマン

緑のピーマンが完熟すると赤色に。熟すにつれて苦味成分の「ピラジン」がなくなり、甘みが出てきます。緑ピーマンより、ビタミンCやE、カロテンが豊富に含まれているのが特徴です。

カラーピーマン

小型ピーマンやパプリカ、トマトピーマンなどの総称。緑ピーマンと比べると糖度が高いので、あのピーマンの苦味が苦手な方は、カラーピーマンやパプリカから食べるのがおすすめです。

このほか、トマピー、アナスタシア(黒ピーマン)、ピートン、浜クロピー、フィレンツェテンダーピーマン、UFOピーマン(ベル型ピーマン)なども食べています。今年は庭の菜園でジャンボピーマンを栽培しています。ジャンボピーマンは一般的な緑ピーマンに比べて苦味やにおいがなく、肉厚。その名の通り長さ15~20センチの大きなピーマンです。

こちらのトマピーは肉厚でジューシー。苦味はなく、甘いですよ

おすすめの食べ方

カラーピーマンはいろどりが良いのでマリネがおすすめです。炭やガスコンロで表面が真っ黒になるまで焼いて、黒くなった皮の部分を剝き、その後マリネ液に漬ければ完成。今年は都内のレストランさんとテレビ局の企画でピクルスを考案し、商品化しました。

苦くないピーマンは自分でも作れる!?

家庭菜園でピーマンを栽培する時、水切れしないように育てると苦味の少ないピーマンになります。新鮮なピーマンは水分をたくさん含み、生で食べてもそんなに苦味を感じません。そのことからわかるように、鮮度が落ちると切り口から水分が蒸発し、苦味が出てくるので、地元産のなるべく流通に時間がかからないピーマンを食べると苦みの少ないピーマンに巡り合うことができると思います

知っておくと役立つ「ピーマンの保存法」

あまり知られていませんが、ピーマンはリンゴと同じくエチレンガスをたくさん出すので、保存する時は個別包装するのがおすすめです。1個ずつ新聞紙かラップに包んでポリ袋に入れて保存してください。使いかけのものは、傷みやすいヘタと種を取り除き、ラップに包んで冷蔵庫へ。2〜3日で使い切るようにしましょう。

ピーマンの切り方を変えるだけで苦味を抑えることができるとは驚きですね!これで子どもたちのピーマン嫌いも克服できるかも⁉︎ ぜひ試してみてください。

『野菜がおいしくなるクイズ』飛鳥新社

\まいにちのお買い物が、宝探しみたいに楽しくなります!/
いつも使っている身近な野菜の選び方・食べ方・保存法など、すぐに役立つワザを最年少野菜ソムリエプロ・緒方湊くんがクイズ形式で解説してくれる一冊です。
クイズにこたえながら、野菜のおいしい食べ方を身につければ、自然と料理も上手になってしまいますよ。ぜひお手元に一冊どうぞ。

緒方湊(おがたみなと)くん

最年少野菜ソムリエプロ。
幼少期から野菜や果物が大好きで、8歳で「野菜ソムリエ」、10歳で「野菜ソムリエプロ」に合格。多くのメディアでも紹介され、「天才野菜博士ちゃん」としてテレビ出演も多数。
自宅の菜園で日本各地の「伝統野菜」を栽培をしつつ、イベントや講演を通して野菜の魅力を発信中。

ウェブサイト:みなとの野菜大辞典

おすすめ記事