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コラム

頑張るのは1品だけ!大人気レシピ作者☆栄養士のれしぴ☆さんの、リアルな日々の献立とは

クックパッドで圧倒的人気を誇る「☆栄養士のれしぴ☆ のキッチン」の上地智子さん。つくれぽ数、殿堂入りレシピ数が共にNo1である上地さんにとって初の献立本となる『クックパッド☆栄養士のれしぴ☆の簡単3皿で毎日らく献立』が9月13日に発売になります。ファンの方にとっては待望の献立本。この一冊に込めた想いについて聞きました。

――献立本が初というのは意外でした。今回、献立をメインにしたレシピ本を作った経緯を教えてください。

献立ということをあまり意識していなかったんです。今回の本を作るときに、編集さんからも、「日々の献立はどうしていますか?」という質問をいただいたのですが、私、普段の生活では1品くらいしか頑張っていないということに気づいちゃったんです(笑)。

――上地さんの家の食卓には、毎日手の込んだおいしいものがたくさん並んでいるイメージでした!

いえいえ。毎日頑張るのは大変なことです。実は、普段から献立について聞かれることが多いのですが、なかなか難しいなと思いまして。全部頑張って作っているというイメージを持たれていそうで……。実際の我が家の献立は、主菜は頑張って、副菜は簡単にできるものが多いです。

――そうなんですね。今回、献立を本にしたのはどういった気持ちの変化からですか?

1品しか頑張っていないってリアルだなと感じたんです。SNSを見ていると、豪華できらびやかな献立がたくさん出てきますよね。でも、それは私にとってはリアルじゃないんです。毎日のことだから、作るものすべてを頑張るなんて続けられない。だからこそ、1品頑張ったら、副菜、副々菜は頑張らない。そういう私のリアルが、世の中のみなさんにとっても継続可能でリアルなものなのではないかと思い、今回の献立本を作りました。

5d0cee22aee17855d0a64cd926eec537 ご自宅のキッチンで作業する上地さん

――1品しか頑張らない理由は?

頑張らない理由は、作るもの全部に調味料を使って味付けをすると塩分過多になるということがひとつ。あと、旬な食材は素材そのものの味を楽しみたいということでシンプルに調理をしているからです。副々菜に関しては、調理もせず出すだけのものにしています。

ーー今回の本を見ると、1品しか頑張らなくてもこんなに豪華になるんだという驚きがありました。頑張る1品はメインになると思うのですが、それ以外の副菜、副々菜はどのように決めることが多いですか?

例えば、主菜は豚小間のスタミナ炒めにしようと決まっても、副菜、副々菜がなかなか決まらないという声が多く届きます。私は、決まらないときにはたんぱく質が足りないから目玉焼きを焼こうとか、ゆで卵を作ろうと考えたて副菜にします。その他には、ズッキーニを炒めただけのの、もやしとニラをマキシマムで炒めただけのシンプルなものにすることも多いです。さらにあと1品……となったとると、なかなか思いつかないんですよね。

ーーあと1品の副々菜ということですよね?

そうです。私は、買ったものをそのまま出すこともあります。カニカマや出すだけの茶碗蒸しを活用したり。子どもたちも「おいしいね」と言って食べてくれるし、新しい味の発見にもなるんです。ちょっと冒険要素的もあるので、簡単1品という枠は必要だと思います。あと、出かけた日の夕飯にお惣菜を買ってくることもありますし、献立本の中で紹介しているカルパッチョは、お刺身を買ってきて、ベビーリーフの上に並べてオリーブオイルをかけるだけでできる1品です。

ーーそういう提案は、毎日の食事作りをしている人からするとすごくうれしいと思います。

私は、うまく手を抜く方法を伝えていきたいなと思っています。私の献立を見て、「そんなに頑張らなくても良いじゃん!」て感じていただきたいし、実際に頑張らなくても満足できるということをお伝えできたら良いなと思っています。

ーーでも、慣れていないと完成されたバランスの良い3品を、見せ方や組み合わせ含めて揃えるというのはハードルが高かそうだなと感じるのですが、うまくまとめるためのコツはありますか?

全体的に仕上がったものを頭の中で想像してみてください。例えば、お肉、ひじき……となった場合、緑や赤が足りていないなということがわかります。お弁当のように、緑、赤、黄色というバランスを考えて、目でも楽しめるようにする。次は、味の組み合わせと調理工程を考えます。揚げ物と炒め物だと火を使うものばかりになるから、副々菜は、トマトをカットするだけにするとか。

ーーそう聞くと、かなりマルチタスクな気がして、「できない」となる人もいるのかなと思うのですが。

まずは色合いが大事ですよね。頑張って作っても茶色ばかりになるよりも色合いが整っているほうがいい。我が家ではミニトマトは常備しています。あと、きゅうりを切っただけのものとか。もし、色合いに迷ったら、ミニトマトやきゅうりといった簡単素材に頼ったら良いと思います。あとは、カットしてあるフルーツを買うのも良いと思います。

6e3b2f3924f66538b62784133997f2a3 彩りのよい野菜で献立のバランスが取れます

ーーそれは、おかずとして出すのですか?

そうなんです。私は、夕飯を一人分トレーに乗せて出しているんです。そうすると、分量を把握できので。並べたときに余白が多いなと思ったら、その余白をフルーツで埋めています。もし食べられなかったら朝ごはんに出しても良いですし、何か予備的な食材が冷蔵庫に入っていると安心だと思います。

ーートレーに乗せることで、分量もバランスも把握できるんですね。

楽なのは大皿スタイルですが、そうすると食べ過ぎたり、食べなさすぎたりするので、親として目で把握しにくいんですよね。一人分をトレーに乗せることで子どもたちが食べた分量が把握できるし、苦手な野菜や食材も把握することができるんです。

ーーひとり分ずつ出すというのは大変ではないですか?

私は2019年頃から、普段の食事もトレーにひとり分をセットして出しています。外食屋さんごっこみたいなことが好きで、ちょうど無印良品のトレーが4枚あったのではじめてみました。大変だなと思うのは最初の一週間ほど。何より、家族の満足度が上がるんです。

ーーご家族はどんなところに喜ばれていますか?

子どもたちも成長してきたので、家族の食事時間がバラバラになることがあります。大皿で作ると後に食べる人に出すものに残り物感が出てしまうのですが、一人分をセットしてあるので残り物感がなくきれいな状態で食べられます。それに、食べ終わると自分たちでトレーをそのままキッチンまでさげてくれるので合理的! お皿は流しにおいてもらって、トレーは自分たちで拭いてくれるので、後片付けも楽になりました。

ーートレーに1人分ずつは大変そうというイメージでしたが、お話を聞くと便利なことばかりですね。

料理で大変なのは、カット、洗い物、買い出しですよね。私は、調理自体は楽しいという感じで終わるので、大変と感じている負担をいかに効率よくするかだと思っています。そういう点で言えば、トレーにセットするというのはかなりおすすめです。

ーー作るほうの満足度もあがりそうですよね。

大皿で出していたときと同じものを作っても、満足度が違うんです。主菜(大)、副菜(中)、副々菜(小)、3皿がうまって、トレーの上にきれいに並べられると写真を撮りたくなるんですよね(笑)。写真を撮っておくと、大皿で出していたときよりも、過去の献立を把握することができるという利点もあります。日々の食事の内容を把握できるうえに、作るほうも食べるほうも満足度があがるんです。

Ca99fb650ccac25bfa2ab65c237271b9 トレーにセットすると全体のバランスが見えてきます

ーートレーに並べるものには、汁物もありますよね。汁物を作る上で意識していることはありますか?

汁物は必ずつけています。味噌汁、ご飯、サラダは固定。味噌汁の具は、残り野菜を使うことが多いです。私は、お味噌汁のために買い物をしません。玉ねぎ1/2というレシピがあった場合は、残りの玉ねぎを冷凍しておいてお味噌汁の具に使います。調理している間に出る半端野菜をカットして常に冷凍庫にストックしています。冷凍したものは汁物に向いているので、ラップをして冷蔵保存するよりは、冷凍して汁物の具にしてみてください。

ーー半端野菜は冷凍保存ですね。それをストックしておくだけでもかなり楽ですよね

冷凍しておくと、いざというときにすごく役立つんです。冷凍野菜が溜まってきたなとおもったときには、豚汁を作ります。バタバタして、デリバリーに頼りたい! となったときでも、豚汁だけ作ればお寿司を買ってきたりしてバランスが取れるんです。

ーー毎日の食事作りが大変と感じている人にとって、すごく役立つお話をたくさん聞けました。今回の献立本はどのような方に読んでいただきたいですか?

主婦の方に向けた本のように思われるかもしれませんが、一人暮らしの大学生や年齢を重ねて一人になった方、新婚さん……。つまり、日々食事の用意をする方全てに読んでいただきたいです。日々の献立を考えるのが苦手だという方は、「とりあえず3皿埋めよう。そのうち1皿は、お皿に乗せて出すだけで良いんだ」と思えば、気持ちが軽くなりますよね。作るプロセスもしっかり書いてあるので、この本一冊を覚えたら生きていけると思います(笑)。

あと1品で本当に困ったときには、スーパーで焼き芋を買ってきても良いんです。焼き芋があるのとないのを比べたらあったほうが良い! だったら、焼き芋を買いましょう! これまでの献立本とは違い、いろんな切り口で入っていける本になっていると思うので、ぜひ読んでみてください。

(TEXT:上原かほり)

『クックパッド☆栄養士のれしぴ☆の簡単3皿で毎日らく献立』(扶桑社)

☆栄養士のれしぴ☆/上地智子(かみじ・ともこ)

☆栄養士のれしぴ☆(上地智子)さん 栄養士、フードコーディネーター。2人の娘に自らのレシピを伝えたいと思い、2011年2月から料理レシピサービス「クックパッド」に投稿を開始。ポイント満載のつくり方と、確かなおいしさが評判となり、「☆栄養士のれしぴ☆のキッチン」のつくれぽ数は合計45万件超え(2022年7月現在)。つくれぽ数最多のNo1レシピ作者である。

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