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コラム

ニューヨーカーはサラダで生きている!?アメリカ人がこだわる「野菜のとり方」

【アメリカの最新ごはん事情vol.15】1989年に渡米し、「セレブ御用達プライベートシェフ」としてアメリカで料理を作り続けてきた明比玲子さんに、日本ではなかなか知ることができないアメリカの食事情を教えてもらいます。第15回目のテーマは「サラダ」。特に健康志向の強いニューヨークの人々はサラダで生きている!? おすすめの生野菜サラダレシピも教えてもらいました。

とにかくサラダを欲するアメリカ人

「サラダ作って〜!」
プライベートシェフとして様々なセレブに料理を作っていますが、この言葉を毎日どれだけ聞くかわからない! というぐらい、健康意識の高いアメリカ人は毎食「生野菜サラダ」をオーダーします。もちろん、サラダ以外にもきちんと食べる人もいますが、一品として食事の席に置いておくだけで精神安定剤の役目を果たしてる? と思うシーンも多々あります。

日本では、「生野菜をたくさん食べるのは大変だから、調理したりジュースで摂る」と思う方が多いかもしれません。アメリカでは、生野菜サラダ=野菜というのが定義のようになっていて、「サラダさえ食べていれば安心」と思っている人が非常に多いです。

しかし、ほとんどの人がサラダにたっぷりドレッシングをかけて食べるので、私から見ると、ドレッシングを食べているようにしか見えないのが正直なところです。

ニューヨークの女性はサラダで生きている

日本でも、ダイエット中の女性はサラダだけ食べるという時代もあったと思いますが、アメリカは今も同じです。特に大都市の若い女性は、サラダで生きていると言っても過言ではないかもしれません。

こう聞くと、アメリカのサラダはあまり良いものに感じないかもしれませんが、ちゃんと良い点もあります。それは、とにかくいろんな野菜、フルーツを食べられることです。そして昨今は、タンパク質摂取も大切なので、ベースのサラダにグリルしたチキンやサーモンをのせて、パンは食べずにロカボのサラダにして一食とする人が多いです。これは、ランチで炭水化物をガッツリ食べて眠たくなるのが嫌なビジネスマンにはもってこいですし、夕食を軽く済ませたいという時にも役立ちます。

自分オリジナルの生野菜サラダを楽しもう

ニューヨーカーは生野菜が豊富にある夏だけではなく、一年中食材を変えてサラダを楽しみます。サラダだけで生活するのは栄養面が偏るため良くないですが、昼ごはんなど一食にサラダを取り入れてみるのはいかがでしょうか?

食材は好きなものを選んでみましょう。ドレッシングはヘルシーに、お酢かレモン汁にオリーブオイル、塩、胡椒がおすすめです。

秋の生野菜サラダ

<材料>
・基本の葉野菜(レタス、ケール、ほうれん草など)
・チェリートマト
・フェンネル
・カボチャ……縦に2つに切り、中の種とワタを取って、オリーブオイル、塩、胡椒、タイムでロースト。
・ピーマン……縦に切らずに輪切りにすると可愛い。
・紫カリフラワー (生で)……色を添えるような感じで散らす。
・ビーツ……アルミホイルで包んでロースト。粗熱を取って、外の皮を剥き、ざくっと切ったあと、オリーブオイル、塩、胡椒、ビネガー、お好みのハーブで味をつける。

【基本のドレッシング (2人分)】
・良質のオリーブオイル……大さじ3
・お好みのビネガー……大さじ1
・塩、胡椒……適量

【ドレッシングに入れるとおいしい食材】
・マスタード(少し入れると、オイルとビネガーが混ざりやすくなる)
・エシャロットのみじん切り(玉ねぎでもOK)
・ニンニクのみじん切り
・パセリ、ディル、バジルなどハーブのざく切り
・ハチミツなどの甘味

アメリカ人が食べるサラダは、ブロッコリーやカリフラワーなど普通は茹でてから食べる野菜も生で食べるため、日本人の私にはとても勉強になります。ある程度の量の野菜を生で食べることは、ビタミン、ミネラル摂取の上で大事だからです。

今回紹介したレシピの葉野菜は、グリーンマーケットで長年人気のサラダ菜屋でミックスされた物の上に、春菊の芽を少し混ぜてもらいました。その他、その時に見て新鮮な物を買うので、ルールは全くありません。量も全てお好みでどうぞ。

明比玲子

兵庫県芦屋市生まれ。1989年に渡米し、ニューヨークのシェフ養成学校で学んだ後、本格的に料理に取り組む。著名レストランでパティシェとして経験を積み、アメリカ人と日本人に料理とお菓子の指導も行う。日本の料理雑誌への寄稿やフードスタイリングも行いつつ、2008年からは、コンサルティングの仕事なども兼ねながら、ニューヨークセレブのプライベートシェフとして、活躍中。
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