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何をどれだけ食べたらいい?アメリカの食事ガイド「マイ・プレート」

ハンバーガーやピザなど高カロリーなメニューをイメージする人が多いとされるアメリカの食事。米国農務省(USDA)によると、成人の約74%は肥満とされ、日本の約26%と比べ2倍以上となっています。そこで今回は、健康増進や肥満対策が気になるアメリカの食事ガイド「マイ・プレート」をご紹介します。

アメリカの食事ガイド「マイ・プレート」とは

アメリカの食事ガイド「マイ・プレート」は、1992年に発表された「フード・ガイド・ピラミッド」を発展させたもので、健康増進や病気の予防をするために2011年からはじまりました。以前のピラミッド型のガイドでは、穀物が一番下に最も多く摂る食品として、脂質と甘いお菓子が一番上に最も少なく摂る食品として示されていました。現在進行中の「マイ・プレート」では、丸いお皿(プレート)を4つに分け、何をどれだけ食べればバランスのよい食事になるかを視覚的に分かりやすく示しています。

それぞれのグループ分けは次の通りです。

・オレンジ色:ご飯・パン(穀物)
・むらさき色:肉・魚・大豆製品・豆類(タンパク質)
・緑色:野菜・豆類
・赤色:果物
・青色:乳製品

「マイ・プレート」で食事をバランスよく摂る4つのポイント

・主食の半分は全粒穀物にする
・さまざまな食品からタンパク質を摂る
・お皿の半分は野菜と果物にする
・乳製品は低脂肪・無脂肪のものにする

一枚のお皿に食品を分けるのが難しい場合は、野菜→主食→主菜→果物→乳製品の順に器を大きいものから小さいものにすると「マイ・プレート」のようにバランスのよい食事をイメージすることができるでしょう。

「マイ・プレート」を参考に毎日の食事をバランスよく摂る工夫

主食の半分は全粒穀物に

全粒穀物は、白米など精製したものと比べてビタミンB1や鉄分が豊富に含まれます。主食となるご飯を雑穀米や玄米、パンをライ麦パンや全粒粉パンにするとよいでしょう。シリアルを食べるときは、オートミールを混ぜて食べるのもおすすめです。

さまざまな食品からタンパク質を

タンパク質は、肉・魚・卵・大豆製品・豆類など、さまざまな食品からとりましょう。アメリカの食事ガイドでは、大豆・レンズ豆・ひよこ豆などの一部の豆類はタンパク質・鉄分・葉酸・カリウムなどが豊富に含まれることから、タンパク質と野菜の2つのグループに属しています。大豆製品や豆類は、肉と比べて飽和脂肪酸が少ないので、脂肪のとり過ぎが気になる方はとり入れたい食品の一つです。

お皿の半分は野菜と果物を

新鮮な野菜や果物を摂るのがよいですが、忙しいときは冷凍食品や缶詰・乾燥したものを活用してもOKです。ジュースで摂るときは、果汁100%か自家製のフレッシュジュースを飲むようにしましょう。また、果物は野菜に比べて糖質が多く含まれるので、マイ・プレートの示すように野菜の方を多く摂るよう意識しましょう。

乳製品は低脂肪・無脂肪のものを

乳製品は過剰になりがちな飽和脂肪酸を多く含みます。飽和脂肪酸は、コレステロール値の上昇や肥満のリスクとなることで知られています。牛乳やヨーグルトを摂る習慣のある方は、低脂肪や無脂肪のものを選ぶか、豆乳などの大豆製品に切り替えて脂質を控えましょう。

何をどれだけ食べればバランスのよい食事になるか示したアメリカの食事ガイドである「マイ・プレート」。ガイドラインでは、「健康増進と病気の予防のためのバランスのよい食事」として紹介されています。そして「マイ・プレート」は、米国人向けの食事ガイドです。日本では、日本人の食生活や食事摂取基準に合わせた「食事バランスガイド」を参考にしましょう。また、人によって病気の程度はさまざまで、食事療法の内容も異なります。主治医の指示がある場合はそれに従ってください。

【参考・参照】 USDA MyPlate〈https://www.myplate.gov/〉(最終閲覧日:2022/7/23) USDA Dietary Guidelines for Americans2020-2025〈Dietary_Guidelines_for_Americans-2020-2025.pdf〉(最終閲覧日:2022/7/23) 厚生労働省 令和元年国民健康・栄養調査報告〈https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/eiyou/r1-houkoku_00002.html〉(最終閲覧日:2022/7/23) 厚生労働省 日本人の食事摂取基準2020年版〈https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_08517.html〉(最終閲覧日:2022/7/23) 農林水産省 他の国ではどんなフードガイドを用いているの? 〈https://www.maff.go.jp/j/syokuiku/evidence/pdf/gaikoku_p17.pdf〉(最終閲覧日:2022/7/23) 文部科学省 食品成分データベース〈https://fooddb.mext.go.jp/index.pl〉(最終閲覧日:2022/7/23)

【執筆者:栄養士 保延 弘美】
仕事に没頭しすぎたことで体調を崩したことをきっかけに、健康的なカラダが仕事の質を良くするという思いを胸に約6年勤めた会社を退社し、栄養士の資格を取得。その後、JICA青年海外協力隊として2年間、中米グアテマラで現地の栄養教育を経験。現在は、病院で食事・栄養管理に関わる仕事と子育てをしながら、あすけん栄養士としてコラムの執筆やオンライン栄養カウンセリングを担当。

※本記事は、AI食事管理アプリ『あすけん』の「ダイエットの知識」コラムからの転載記事です。

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