新生活がスタートするこの時期。春からお弁当作りがはじまるという方も多いのではないでいしょうか。毎朝のお弁当作りとなると、考えるだけで気が重い~となってしまいますよね。そこで今回は、「家族が喜ぶお弁当」をテーマにYouTubeで動画配信をしているにぎりっ娘。さんにお弁当作りのポイントや作りおきの活用方法について聞きました。
――この春からお弁当作り生活がスタートする方のために、お弁当作りが苦ではなくなるポイントを教えてください。
お弁当を作る工程をルーティン化することです。前もって作るものを決めておけば、あとは工程通りに進めるだけ。下準備をする→卵焼きを作る→その他のおかずも卵焼きと同じフライパンで作るという流れをルーティン化することで、お弁当を作るのは大変という気持ちが軽減されるようになると思います。朝、どうしても時間がないときや、できるだけ寝ていたいという人は、前日に下準備を終えておくか、作りおきや下味冷凍を活用するとお弁当作りがラクになるのではないでしょうか。
――お弁当のおかずの作りおきって便利ですね!作りおきでお弁当を作る場合は何分くらいで完成しますか?
作りおきを活用したら10分くらいでお弁当が完成します。朝にラクをしたいなら、作りおきが一番おすすめです。朝、温めてお弁当箱に詰めるだけなので。作る余裕がある場合は、下味冷凍したものを使う量だけ、前日から解凍しておけばOK。解凍を忘れてしまっても、流水につけるか電子レンジの解凍機能を使えば大丈夫です。
――下味冷凍を使ったおすすめのお弁当のおかずレシピを教えてください。
鶏のから揚げです。朝から揚げ物は大変と思うかもしれませんが、下味冷凍しておくことで味が染みているし、あとは揚げるだけという状態になっているので便利です。揚げ物と言っても、玉子焼き器で揚げ焼きができるので揚げ物のハードルも下がります。
鶏もも肉…1枚(300g) 塩、こしょう…各少し A 酒、しょうゆ…各大さじ1 しょうが、にんにく(各チューブ)…各大さじ1/2
1.鶏肉は8等分に切り、塩とこしょうをふる。 2.冷凍保存袋にAを合わせて混ぜ、1を加えて袋の上から揉み込む。平らにして空気を抜き、袋の口を閉じて冷凍する。 *冷凍保存せずにすぐに使う場合は、1分ほど揉み込んでから揚げる。
1.フライパンか玉子焼き器に揚げ油を深さ1.5㎝ほど入れて、170℃に熱し、解凍した「鶏のから揚げ」に片栗粉をまぶして入れる。途中で裏返して片面2分ずつ揚げる。 2.最後に180℃に上げて1~2分揚げ、表面がからりとしたら出来上がり。
――お弁当作りに欠かせないアイテムは?
調理器具だと、あまり大きくないフライパンか玉子焼き器。このどちらかがあれば便利だと思います。玉子焼き器でもメインのおかずは作れるし、揚げ物もできちゃうので、お弁当作りでは大活躍です。
――お弁当作りの時に活躍する食材はありますか?
彩りになる食材は活躍します。私は、必ず大葉とミニトマトを入れています。彩りとして、緑と赤はこれでOK!
大葉は、買ってきたらサッと洗って水気を切ってから小さい保存バックに入れて立てて保存しています。空気を抜いた状態にしておくと1週間は持ちます。ただ、1枚でも痛みだすと全部傷みやすくなるから気をつけてください。
ミニトマトは、洗ってからヘタを取り、水分を拭き取った状態で保存します。ミニトマトがない場合は、梅干しを入れて赤の彩りとして使います。赤・黄・緑があればお弁当はきれいに見えるので意識してみてください。にんじんの副菜でも彩りを調整できますよ。
――お弁当を作る上で意識しておくべきことはなんですか?
お弁当は作りたいというよりも、作らないといけないから作っているという人が多いと思うんです。給食がないからとか外食ができないからとか。作らないといけないのであれば、それをいやだなぁと思うよりも楽しんでみてほしいなと思います。もちろん、毎朝大変なんですけどね。私のYouTubeチャンネルを見てくれた方から、「動画を見ていたら、お弁当作りが楽しくなった」というメッセージが届きます。私にとって、その言葉は続けるモチベーションになります。お弁当を作るみなさんは、「お弁当、おいしかった」といってもらえることがきっとモチベーションになるはずです。
――今回、作りおきの本『週末1時間5品だけ!ゆるっと作りおきおかず』を出したきっかけはなんだったのでしょうか。
以前は、週末にたくさん作りおきをしていたんです。でも、すごく労力をかけているのに、その日の気分じゃなかったり、食べきれなかったりしてもったいないことをしてしまったことが何度もありました。休みの日なのに作りおきを作ることで休めないということもあったのでしばらく作りおきをしない時期がありました。でも、それはそれで不便だったんです。
――やはり、作りおきはあったほうがラクですか?
しっかりではなくても、ちょっとあるだけで「あってよかった」という安心感があるんです。休みの日や平日の夜に頑張って作っていると、作りおき疲れみたいなことになってしまいます。なので、1時間で5品くらいで頑張らずにゆるく作っておくというのがラクだなという発見をしました。今回はそれが1冊の本になったんです。
――1時間で5品作るということにハードルを感じる人もいるかもしれませんが、コツはなんですか?
レンジとフライパンをうまく使いながら、5分以内にできる副菜と10分くらいかかるメインを同時調理していると、意外と1時間で5品は簡単にできたりします。
――にぎりっ娘。さんは、普段どのくらい作りおきをしますか?
月に1,2回くらい作っています。1時間で作る5品は、3日くらいで食べきれる量です。
――最近、食材の値上がりが続いています。家計のやりくりに作りおき=節約というのは成り立つと思いますか?
価格が安くなっていると大量に購入したくなりますよね。でも、安く買ったは良いけど消費するのが大変ということになります。うちの場合は、野菜をいただくことが多いのですが、たくさんいただいた野菜を無駄にしないために作りおきをする場合があります。食材を安く大量に仕入れた場合は作りおきをして無駄にしない。そういう使い方だと節約につながるように感じます。
――作りおきはお弁当にも活用できるということですが、作りおきをお弁当に使うときのポイントがあれば教えてください。
昔は、晩御飯の残りをお弁当に入れていました。前日の夜に食べたものなので、アレンジを加えて変化させられたら良いんですが、朝にそんな余裕はないんですよね…。作りおきのものをお弁当に詰めると、「昨日も食べたよ」と思われたりするので、おかずカップに入れて冷凍をして、日をあけてからお弁当に使うという方法もあります。本には、作りおきしたものを簡単にアレンジする方法も出ているので、作りおき、下味冷凍のものをうまくお弁当に活用してみてください。
作りおきおかずとしても、お弁当用に冷凍しておけるおかずとしても便利なレシピを1品ご紹介します。
豚こま切れ肉…300g ピーマン…4~5個(150g) 塩、こしょう…各少し 片栗粉…適量 ごま油…大さじ1/2 A オイスターソース、酒、しょうゆ…各大さじ1 砂糖…小さじ2 顆粒鶏ガラスープの素…小さじ1 にんにく(チューブ)、片栗粉…各小さじ1/2
1.ピーマンは細切りにする。豚肉は大きければ切って塩、こしょうをふり、片栗粉をまぶす。Aは合わせておく。 2.フライパンにごま油を熱し、豚肉を炒め、肉の色が変わったら、ピーマンを加えて炒める。 3.全体に火が通ったら、Aを加えて炒め合わせる。 *冷蔵で2~3日の保存が可能。
――最後に、今回発売になる本はどんな方に読んでほしいですか?
共働きの方や忙しい人に手に取ってもらえるとうれしいです。作りおきをしておきたいけど、なかなかそんな時間は持てないという人や、興味はあるけど何から始めたら良いのかわからないという方。作りおき初心者の方におすすめです。レシピはとても簡単にまとめてあるので、料理をはじめたばかりの方でも作りやすいと思います。
忙しくて、「晩御飯、何にしよ~!」っていうときに、「あ、作りおきがあった!」となるだけで気持ちがラクになりますよ。
(TEXT:山田かほり:撮影/林紘輝(扶桑社))