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老化防止には「食べる時間」が大事!医師が解説、食事をとるべきタイミング

山田周平

エンタメ記事や育児コラムなどを書いています。

体内時計が乱れてしまうと、体調などの健康面にも大きな影響を与えてしまいます。特に、睡眠障害などが起こりやすいというイメージが強いですが、それだけではなく筋肉維持や老化防止などにも関わりがあるようです。そこで今回は、体内リズムが健康にもたらす影響について、YouTubeチャンネルの登録者数が37万人を誇る、医師でヘルスコーチの石黒成治先生に教えてもらいました。

“サーカディアンリズム”が果たす役割

細胞の中には“概日リズム”や“サーカディアンリズム”と呼ばれる、細胞そのものが時間を認識する体内時計があります。

その体内時計は、睡眠と覚醒のサイクルを調節するという重要な役割を果たしますが、それ以外にも食事の分解やエネルギー吸収など、代謝に関する能力にも影響を与えやすいです。

さらに、サーカディアンリズムは筋肉の量にも非常に影響を与えます。筋肉の量は血糖値のコントロールや脂質のコントロールなど、代謝臓器としての役割があるとよく言われますが、その機能に細胞の中の時計が関与しているのです。

「睡眠」と「覚醒」のリズムが乱れる

サーカディアンリズムは多くの遺伝子によってコントロールされていますが、その遺伝子が乱れると睡眠と覚醒のリズムも乱れて健康に影響を与えてしまいます

例えば、夜勤をする人は睡眠障害が出やすいとか、身体的や心理的な健康異常、心血管系や代謝の異常、女性ホルモンの異常やガン、不安、抑鬱などが起こりやすいということが、過去の研究で報告されています。

サーカディアンリズムは太陽の光でリセットされるのですが、リズムは25時間周期と言われているので、24時間に合わせるために太陽の光を浴びて時計をリセットしなくてはいけない。でも、なかなかやらない人が多いのが実状です。

体内時計のコントロールは“老化防止”につながる

サーカディアンリズムは主に脳がコントロールをしていると考えられていますが、脳だけではなく、脳と筋肉がお互いに交信していることが、マウスを使った研究でわかっています。

視交叉上核(SCN)と呼ばれる目の奥にある核が、サーカディアンリズムをコントロールする脳の領域ですが、このSCNの遺伝子をブロックするとサーカディアンリズムが狂ってしまうのです。

サーカディアンリズムの遺伝子がブロックされると、活動性や非活動性が変わってしまい、酸素消費量やエネルギー消費量、血糖値や脂質の代謝の異常なパターンが出てくることが報告されました。

さらに、そのまましばらく観察していくと、マウスの筋肉の量も徐々に減少し始めました。そこで再びSCNの遺伝子を発現させて元に戻したら、それ以上筋肉は減少せず、筋肉を維持することができました。

なので、筋肉の維持や早期の老化防止には、細胞の中の時計であるサーカディアンリズムをコントロールすることが非常に重要になります。

“活動的な時間帯”に食事を取ることが大切

人も年齢を重ねて睡眠と覚醒のサイクルが乱れてくると、同時に“サルコペニア”と呼ばれる筋肉量の減少も起こります。

年齢を重ねると多くの人が、睡眠時間が短くなったり、朝早く目覚めて夜は早く寝たりといった感じになります。動物実験でも、年齢を重ねるとSCNの遺伝子の発現が減少して、サーカディアンリズムが乱れやすくなることがわかっているので、人においても同じようなメカニズムがあることは容易に想像できます。

ただ、この動物試験には続きがあり、マウスに食事制限を加えるとサーカディアンリズムが復活して、筋肉の機能低下を防ぐことができたということも報告されています。

活動性が高いときに食事を与えて、活動性が緩いときには食事を与えない。食べる時間と食べない時間をしっかりと分けるようにしたそうです。

人も食事が遅れたり夜間に食べたりすると、肥満や糖尿病、心臓病などになりやすいのですが、こういったときには体内時計が乱れています。食事のタイミング遅くなったり食事の回数が多かったりすると太りやすくなり、特に20時以降にカロリーを摂ると体重が増えやすくもなります。

どの時間帯に食事を取って制限するかということが重要ですが、朝型タイプの人はなるべく早い時間、夜型タイプの人はある程度遅くてもいいとは思います。

ただ、寝る直前にはならないようにすることと、なるべく活動的な時間帯に食事をすることが重要です。それによってサーカディアンリズムが崩れるのを防いで筋肉量の萎縮を防ぐことができて、早期の老化を防ぐこともできます。

食事の時間帯食べている時間全体を一度考えてみると、老化の予防にもつながるでしょう。

(TEXT:山田周平)

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画像提供:Adobe Stock

石黒成治先生

消化器外科医、ヘルスコーチ。
1973年、名古屋市生まれ。1997年、名古屋大学医学部卒。国立がん研究センター中央病院で大腸癌外科治療のトレーニングを受ける。その後、名古屋大学医学部附属病院、愛知県がんセンター中央病院、愛知医科大学病院に勤務する。2018年から予防医療を行うヘルスコーチとしての活動を開始。腸内環境の改善法、薬に頼らない健康法の普及を目的に、メールマガジン、YouTube、Instagram、Facebookなどで知識、情報を分かりやすく発信している。Dr Ishiguro YouTubeチャンネル登録者数は37万人超(2024年1月時点)。

執筆者情報

山田周平

ライター。さまざまなWEBサイトでエンタメ記事や育児コラムなどを書いています。著書に『ひとのパパ見て わがパパ直せ』。
Instagramアカウント:@damepapa31

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