2月4日は「立春」。二十四節気の最初であり、いろいろな暦の起点となる大切な日です。「春」という名前はつきますが、本格的な春の到来はまだ遠く、春が芽吹いたような状態。山菜などをおかずに取り入れて、春を待つ献立を作るのもいいですね。
「立春(りっしゅん)」は、文字通り「春」が「立」つ日。二十四節気では第1の節気となり、この日から春がはじまることを表します。旧暦では、新しい年の始まりを意味し、お正月とほぼ重なっていました。今でもお正月に「迎春」などの言葉を使うのはその名残とか。また、二十四節気の最初の節気ということもあり、さまざまな雑節の基準となっています。
「立春」の前日。新しい年のはじまりを前に、豆などを巻き、邪気をはらう風習があります。
「立春」から数えて88日目。この日に摘んだ茶葉はよいお茶になると言われています。
「立春」から数えて210日目。台風が来ることが多い日と言われます。収穫時期にもあたり、農家の人々の目安になっていました。
他にも、「春一番=立春から春分までの間に、その年にはじめて吹く南よりの強い風」、「桜の開花=概算法の1つに立春からの最高気温の合計が540℃というのがある」など、春先に耳にするいろいろな言葉の起点となっているのが「立春」。まだまだ寒い時期ですが、食卓に春の食材を使ってみたり、ファッションに春色の小物を加えるなど、生活の中に少しずつ春を取り入れていきたいですね。
本格的な春の到来はまだ先、とはいえ、スーパーや百貨店の野菜売り場では、そろそろ山菜などが並ぶ時期です。春の山菜といえば、「ふきのとう」「たらの芽」「菜の花」など。いかにも春らしい見た目ながら、独特の苦みが特徴ですよね。実はその苦みこそ、春を迎える体には大切な要素。冬の間に体内にたまった老廃物や脂肪を排出し、春先の気候にあった体にしてくれる、大事な役目があるのです。クックパッドのレシピにも、春の山菜を使ったものがいろいろありますよ。
「立春」の次にくるのは「雨水(うすい・今年は2月19日)」。寒さがゆるみ、空から降るものが「雪」から「雨」に変わります。季節の流れが暦の名前からわかるのが二十四節気の魅力ですね。季節ならではのおいしいものを食べて、春を楽しく待ちましょう。(TEXT:田久晶子)
季節の変化と太陰暦のずれを調整するために、1太陽年を24等分にわけて設定したもの。12 の「節気」と12の「中気」があり、それぞれに「立春・啓蟄・雨水・大雪」など、天候や生き物の様子を表した季節感ある名前がついています。昔から季節の変化を知る手段や農作業の目安として使われていました。人々の暮らしに根づく暦として、今も親しまれています。