四季が豊かな日本には、魚の旬も移り変わります。旬の魚のおいしさを子どもにもぜひ伝えていきたいですよね。おやこで語る季節のお便りシリーズ、4月の魚についてぜひ、お子さんに読み聞かせしてあげてください。
このちいさな白い魚。名前が言えるかな? そうしらすだね。
“しらす”とは「小さくて白い魚」っていう意味で、それに当てはまるならみんな“しらす”って言っていいんだけど、たいていは“いわし”の赤ちゃんのことだよ。
これがいわし。
ちょっとしらすに似ているよね。
日本のまわりの海に住んでいるよ。
しらすは卵からかえったばかりの赤ちゃん。だから、体の大きさは2cm以下ですきとおっているんだ。それ以上大きくなると、親のいわしと同じ銀色になっていくよ。
しらすはいろんな状態で売られているよ。まずそのままなのが生しらす。そしてそれを茹でたものが釜揚げしらす。ゆでたしらすを干したものをちりめんと呼ぶことが多いよ。ちりめんじゃことも言うんだ。
どれも、ご飯の上にのせてそのまま食べてもおいしいよね。
あと大根おろしにもよく合うよ。
みそ汁に入っているのりみたいな、昆布みたいなもの。これはわかめだね。 のりも昆布もわかめも全部海草という仲間なんだ。海草っていうのは海に生えている野菜のようなものだよ。
日本のまわりの海にはえるよ。波のはげしいところのものがおいしいんだって。
大きな葉っぱみたいな形。茶色に近い色で、茹でると緑色になるんだ。大きいものは2メートルにもなるよ。
一年中食べているのは、干した乾燥わかめや塩につけた塩蔵わかめというもの。今の季節は生のわかめが食べられるよ。
お祝いのときに出るこの魚、鯛っていうよ。日本では昔から魚の王様。「めでたい」にひっかけて、お正月やうれしいことがあるときに食べるんだ。
世界中の温かい海に住んでいるよ。
丸い立派な形で赤い色をしているよ。この形と色のおかげもあって、日本人が昔から好きな魚だったんだって。
鯛のように白い身の魚は魚くさくなくて食べやすいものが多いよ。鯛はお刺身でもおいしいし、焼いても煮ても蒸してもいいから、いろんな食べ方ができるんだよ。
4月に旬を迎えるしらす、わかめ、鯛は、魚介類の中でも小さな子どもになじみのある食材。ふだん食べているそれらの食材にどのような特徴があるのか、旬を通して興味を引き出す機会としてみてはいかがでしょうか。
しらすもわかめも通年ある食材ですが、しらすなら春と秋がやはり一番おしい季節です。わかめは春に生わかめが出回ります。(TEXT:松崎祐子)