現在、成人の3人に1人が該当するとされる高血圧。進行すると、脳卒中や心筋梗塞につながりかねない恐ろしい状態です。高血圧の原因はいろいろありますが、最も大きな原因が「食事による塩分の過剰摂取」とされています。でも、塩分を控えると食べ物って美味しくない…なんて思っている人は多いのでは? そこで、今回はおいしく減塩するコツをクックパッド健康レシピからご紹介します。
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」によると、成人が1日に摂取すべき食塩の目標値は男性9g未満、女性7.5g未満とされています。また、高血圧の人は6g未満となっています。ただ、実際は平成23年の「国民健康・栄養調査」によると成人の平均が男性11.4g、女性9.6gとなっており、目標値を大きく上回る結果となっているのが事実です。
そこで、減塩のために日頃の食生活で注意すべき点をクックパッドの健康レシピ・管理栄養士さんにお聞きしました。
「減塩する際にはもちろん、食塩そのものにも気をつけなければいけませんが、日頃使っている調味料にも塩分がたっぷり含まれています。健康食材でもあり、日本人にお馴染みのお味噌汁も、実は要注意なんですよ。 お味噌汁1杯で平均1g~1.5gの塩分があり、なんと3食飲むと1日の摂取基準の半分近くに。回数を減らしたり、具沢山にして水分量を減らすなど工夫が必要です。ちなみに、ラーメンやうどんなどのつゆも全部飲んでしまうと5g前後の塩分を1回で摂取することになるので注意してくださいね。」
美味しいラーメンのスープ。飲み干すのは避けた方がいいということですね。では、普段の料理ではどのように解決していけばよいのでしょうか。
食事における減塩のコツをお聞きすると、香味野菜などを使って「旨味・酸味・辛み」などを料理に取り入れることを勧めてくれました。スパイスやお酢、フルーツやだしなどを利用することで、少ない塩分や調味料でも美味しく食べれるようになるのだとか。さらに、気になる言葉が健康レシピ管理栄養士さんの口から聞こえてきました。
「もうひとつオススメしたいのが、『シュクレサレ』。本来はフランス語でシュクレ(砂糖)とサレ(塩)という意味ですが、料理では甘みや塩気など、対照的な組み合わせを調和させて、素材やお料理のうま味を引き立てる手法のことを指します。また、味以外でも真逆の食感やテクスチャーの組み合わせで美味しさを演出することができます。」
「シュクレサレ」を上手に使うことで料理にメリハリがつき、食材の旨味やコクが増強されるとのこと。減塩しても美味しく、料理を楽しんで食べられ、管理栄養士さん曰く、まさに「ワンランク上のテクニック」だということです。「健康レシピ」のオススメレシピも教えてもらいましたよ。
さつま芋の甘みとスパイスの風味や適度な塩気がベストバランス。
ホクホクとしたさつま芋にアーモンドの歯ごたえがワンポイントに!
塩を少量使用したことで果物の甘みがグンとUP!
トマトの酸味と、スパイシーな黒胡椒が見事にマッチ!
使用している調味料の酸味・甘み・塩味が絶妙に調和。
好みはありますが、パイナップル入りの酢豚は味や食感の引き立てにも一役買っているということですね。
いかがでしたか?減塩対策としての「シュクレサレ」を活用するコツが少しは掴めたのではないでしょうか?是非、毎日の献立づくりの参考にしてみてくださいね。そして、減塩でいつまでも健康な体を保ちましょう!!(TEXT:中本タカシ/ライツ)