日本のビスケットの誕生は幕末の長崎から。当時、長崎でオランダ人に軍用パンの製法を学んでいた水戸藩士の蘭医が “保存のきく食糧になるビスケット”の作り方を教わり、そのレシピを書いた手紙を水戸藩に送ったことが史実に残っています。その手紙の日付が1855年2月28日だったことから、記念日になっているのです。
小麦粉・卵・乳製品が原料のビスケットは、カルシウムやビタミンを多く含むほか、タンパク質や脂肪などのエネルギー源も豊富なバランスのいい食品です。
岩手県西和賀町の郷土食として親しまれている「ビスケットの天ぷら」は、その栄養食にさらに米粉の衣をつけたボリュームたっぷりのおやつで、その昔、食料が不足しがちな冬場の食料として誕生したものだそう。いまではTVで紹介されるなど人気のB級グルメとなり、町内で市販されています。
昨年末クックパッドの『みんなのカフェ』に、「湿気ったクッキーやビスケット、どう消費しますか?」という質問が寄せられ、みなさんから回答が集まりました。そこでの回答で多かったのは、「ケーキの土台にいいですよ」という声。ビスケットは吸水性が高いので、ケーキ型の底に敷き詰めて具を流し込むと、具の水分を吸って、ほどよくシットリサクサクのベースになってくれます。袋を開けて中途半端に残ってしまったもの、あるいは非常食用にしておいたビスケットの期限が迫って、大量消費したい時などにもこのアレンジ術は使えますよ。
ティラミス以外にも、チーズケーキやアップルパイに活用するレシピなど色々あります。「ビスケット×ケーキ」などで検索してみてください。
そしてもうひとつ。ちょっと小ワザを効かせて、全粒粉と酒粕で作る個性的なビスケットレシピを発見!「市販のものを食べる」というスタイルをちょっと見直して、新しいビスケットワールドを広げてみてはいかがでしょうか?
(TEXT:大河原裕美)