出来上がった食事を食べてみると「今日は似たような味付けが重なってしまった」「油を使ったこってり味ばっかりだ」と思われる事はありませんか? 日本食のすばらしい点のひとつに、「甘み」「酸味」「塩味」「苦み」「うま味」5種類が活かされる料理のバリエーションの多い点があげられます。主菜と副菜の味の組み合せについてプレミアム会員向けサービス「管理栄養士が選んだ献立」で実際に過去に掲載された献立を例に見ていきましょう。クックパッド管理栄養士の副菜レッスン、スタートです!
どうしても、同じような味つけのメニューばかりになってしまうという悩みは、クックパッドにもよく届きます。 味覚とは、「甘味」「酸味」「塩味」「苦み」「うま味」の5種類が基本となっていることをご存知ですか。実は味のバリエーションを広げるためには、その5種類の味をベースに、さらに「甘味+酸味」「塩味+うま味」などいくつかの味が組合わさったものを合わせればいいだけなのです。 味のバランスが整った献立にしたいとおもったときは、1食の献立の中でこの5種類がうまく重ならないようにするといい、ということをまずは覚えておきましょう。
「今夜は何にしようかな?」と考える時、みなさんはどんな順番で献立を組み立てていきますか? 大半の方が主菜から考えるのではないでしょうか。私がクックパッドの「管理栄養士が選んだ献立」を組み立てるときも、主菜から考えています。
その主菜の食材、調理法、味付けが決まったら、次に主菜と異なる味付け、調理法の副菜。最後に汁物の順で、実際に食べているシチュエーションを色々と想像しながら、味や調理法、食材が重ならないように組み立てていっています。
実際に「管理栄養士が選んだ献立」で過去に掲載された献立を例に、献立の立て方を説明していきましょう。
この日は、前日の献立を考慮して豚肉、和食にすることにしました。 豚こま団子を照り焼きソースで味付け、その上にマヨネーズを。ご飯が進みそうなボリューム満点の主菜ですね。これに決定。主菜は甘辛味(「甘み」+「塩味」)ではこれに合わせる副菜は野菜が摂れてさっぱり「酸味」の効いた、これ以上油は使わない物を合わせよう。そこで選んだのが白菜の酢の物。汁物はいつも主菜、副菜に使用していない食材を選ぶ様にしています。汁物は、「うま味」と「塩味」の組み合せと言えますね。
この日は食材が魚がメインの献立に。塩鮭を使用しているため、主菜の味付けは「塩味」これに合わせる副菜はと考えた時、主菜の食材が魚で更にさっぱり塩味である事から、ご飯のおかずとしてのボリュームに少し欠けるかなと思い、副菜にはじゃがいもをベーコンと一緒に煮た甘辛味(「甘み」+「塩味」)を加える事にしました。これなら副菜でもご飯が進む一品になりますね。
1)の献立についてですが、こってりとしたお肉料理にはさっぱりとしたお酢を使った副菜を合わせています。実はお酢には脂肪を合成するホルモンの分泌を抑え、脂肪を付きにくくする働きがあります。お肉料理にはさっぱり酸っぱいものを合わせるは、まさに理にかなった組み合せと言えます。 2)の献立では、副菜にじゃがいも(糖質)を甘辛く煮た物をプラスすることで、血糖値が上がり、事実脳から満腹の指令が出て、満足感が得られます。
このように5つの味覚を上手に組み合わせる事で、献立が味、栄養的に見てもバランスの取れた仕上がりになりますよ。こうした組み合せを考える事で、塩分や糖分の摂りすぎにもなりません。是非実践してみてくださいね。