ようやく気温が上がり始めた今日この頃。お住まいの地域によっては梅の花が咲き、一段と春の訪れを感じている方も多いのでは?春の風物詩にはいろいろありますが、食事なら断然「山菜」でしょう。今回は、スーパーや八百屋さんでも簡単に手に入る春定番の「山菜」とレシピをご紹介します。
まだまだ寒いながらも、陽が伸び、徐々に春が近づいている事を感じるこの季節。 農業技術の発達で一年中スーパーには同じ野菜が並んでいますが、タラの芽、ふきのとうなど、春の山菜はこの季節にしか店頭でお目にかかれない、春の訪れを感じさせてくれる貴重な存在。ぜひ、食卓に登場させて春を感じたいものです。
クックパッド管理栄養士によると
「春に旬を迎える野菜の共通点は独特の苦味(えぐみ)。昔から『春には苦味を盛れ』という言葉があります。この苦味の正体は、実は抗酸化作用でお馴染みのポリフェノール。このポリフェノールは腎臓のろ過機能を高め、冬の間に溜まった老廃物を排出したり、新陳代謝を高め体を春モードに切り替える重要な役割をします。
冬眠から目覚めたクマはふきのとうを探して初めに口にすると言われます。 春の苦味は春に必要な栄養が含まれているという訳です」
春を迎えるために山菜は冬の体にも必要というわけですね。これは、食べないわけにはいきません。
タラの芽とウドは、共に春に芽吹く木の若芽をいただきます。タラの芽は「山菜の王様」とも呼ばれるほど、食感・香りがよく、苦味やアクもおだやか。根元の固い部分と切り落として、さっと茹でて和えものや酢のものに、もしくは揚げて天ぷらにしても美味しくいただけます。
ウドには畑で育てる「軟白ウド」と山林で自生する「山ウド」の2種があります。好みですが、香りや味わいは「山ウド」が強いです。料理の定番は酢みそ和え、きんぴら、天ぷら、煮物など。サラダとしてマヨネーズやドレッシングとの相性もよいです。アクが強い場合には酢水にサッとさらすとよいそうです。
ふきのとうは、全国の平地や山などいたるところに自生するふきの花のつぼみです。独特の香りと苦味が人気で、春山菜の代表とされています。根元の固い部分だけ切り落として、そのまま天ぷらに。もしくは、下茹でしてアクを抜き、和え物や煮物、つくだ煮にしても最高です。
山菜そばの定番ワラビとゼンマイは、共にシダ植物の一種。地中から出るクルッとした若芽をお浸しや煮物、和え物として楽しむのが一般的ですね。どちらもアクが強いので、重曹と熱湯でしっかりとアク抜きすることでさらに美味しくいただけます。ぜんまいはアク抜き後に水を搾って天日で干すと、干しぜんまいとして長く保存できます。また、韓国料理のナムルにもよく合います。
いかがでしたか?どれもとても素朴な料理ですが、どこかホッとするような感覚が味わえるかと思いますよ。是非、ご家庭で春を感じる山菜料理を味わってみてください。(TEXT:中本タカシ/ライツ)
参考資料:
『増補改訂 フィールドベスト図鑑12 日本の山菜』(Gakken)
『里山の山菜・木の実ハンドブック』(NHK出版)