駿台トラベル&ホテル専門学校のブライダル学科長、鹿島しのぶ先生に教えていただく冠婚葬祭の疑問。今回は友人から披露宴でスピーチを頼まれ、どうしていいかわからない!そんな時の「スピーチ」に関する質問にお答えいただきました。
「新婦の学生時代の友人として披露宴に出席しますが、友人代表としてスピーチを頼まれてしまいました。披露宴でスピーチをするのは初めての経験です。どうしたら良いでしょうか?」今回はスピーチに関するご質問にお答えいたします。
結婚披露宴は、二人が結婚した報告の場であり、お互いの親戚や友人にパートナーをお披露目する場です。ですから、新郎のゲストからすると、新婦がどんな人物であるか興味津々なところ。「素敵な花嫁さんでよかった!」、「新郎にピッタリのお嫁さんだ!」と納得して頂けるように、褒め上げるのが基本スタイル。新婦の印象を良くするのも悪くするのもあなたのスピーチにかかっています。披露宴では、どんなに褒めても褒め過ぎということはありませんので、新婦の良いところをたくさん話して差し上げましょう。
人となりをわかって頂くためには、より具体的なエピソードを交えた方が聞き手に伝わりやすいでしょう。「バレーボール部のキャプテンをつとめメンバーをまとめてくれたしっかり者である」とか、「学生時代毎日手作りのお弁当を持ってきたようなお料理上手である」とか、「辛い時に○○さんにこのような言葉をかけてもらい、その一言にどんなに救われたことか」など、将来良い奥様になることがイメージできるようなお話をすると、良いでしょう。
新婦を褒め上げるだけではなく、少し楽しい雰囲気にしたいとか、今後の結婚生活が円滑に送れるように応援したいとか、複数でスピーチを依頼された時に、おすすめなのが、取扱い説明書形式。新婦を一つの製品に見立て、優れている点を滔々と述べたあと、アフターケアーについても伝えることができます。例えば、「電池が切れ、ごきげんななめになり、動きが緩慢になった時には、即、ディズニーランドに連れ出してみてください。みるみるうちに回復し、素晴らしい働きをするようになるでしょう」などという感じです。新郎に対して新婦を大切にしてくださいねというメッセージにもなると思います。
人前で話すことが苦手だったり、極度に緊張してまうタイプの方には、手紙形式をおすすめいたします。スピーチとなると、当日緊張から、話す内容が飛んでしまうこともありますが、お手紙形式でしたら、新婦への想いをお手紙に託し、それを読み上げる形ですので、普通にお話するより、緊張感がやわらぎ、言いたいこともしっかり伝えることができます。読み終えたあとには、そのまま新婦にお渡しでき、感動的なシーンになること間違いなしです。
スピーチをする時には、新婦のことを真剣に考え、新婦に対する想いをご自身の言葉で伝えるのが一番だと思います。私は司会者として、これまでに、美辞麗句を並べて立て板に水の如く話すスピーチよりも、言葉少なくても、拙い言葉でも、ゲストの感動を呼ぶスピーチをたくさん聞いてきました。想いは大切です。
駿台トラベル&ホテル専門学校ブライダル学科長として、ブライダル関連、接遇マナーの授業を担当。著書に『敬語「そのまま使える」ハンドブック』、『そのマナー、どっちが正解?』(三笠書房)などがある。現役婚礼司会者としても活動中。
駿台グループの教育精神「愛情教育」をベースに、観光業界に必要なマインド&スキルを備えた人材を育成。就職のためではなくワンランク上の、就職してからも役立つ力をつける。それがスンダイの目標です。教員は業界の第一線で活躍中のエキスパート。仕事現場の視点からの授業は迫力が十分。基礎力から専門知識・専門技術まで「本物の実力」を身に付けられるスンダイ独自の授業です。 駿台トラベル&ホテル専門学校HPはこちら