先日、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産として「和食」が登録される見通しが立ったというニュースが駆け巡りました。12月上旬に開催されるユネスコの政府間委員会で正式に登録される予定です。富士山の世界遺産登録、東京のオリンピック誘致成功に続き、世界的なスポットライトがまたまた日本に当たりました!
そもそも無形文化遺産って? 聞いたことがあるようなないような言葉ですよね。調べてみたところ「芸能や祭り、伝統工芸技術に与えられるもの」だそうで、遺跡や自然が対象の「世界遺産」、文書や絵画などが対象の「世界記憶遺産」と並んでユネスコの三大遺産事業と呼ばれているらしいです。知っていました? ちなみに日本では京都の祇園祭の山鉾行事などがこれまで登録されています。
だまっていてももらえるものではなく、富士山の世界登録や東京オリンピック誘致などと同様に、登録申請をして選ばれるものなのです。そして、それを進めてきたのが「京料理」を支えている料理人たちでした。ほほう、京会席などは世界に誇る日本の美意識が結晶ですものね。
ところが農林水産省などの発表資料を見るとどうも今回認められた和食というジャンル、会席や割烹といったお店などで出されるよそゆきの和食ではなく、いわゆる「一汁三菜」、昔ながらの家庭料理としての和食だそうです。びっくり!
和食の特色である一汁三菜とは、主食(ご飯)、主菜(魚や肉などのおかず)、副菜(野菜などのおかず)、汁物(味噌汁など)からなる日本の伝統的な献立。この世界に誇るバランスのいい食事が、さらに旬や地域ならではの食材や行事に結びついている点が評価されて、今回の登録となりました。
とはいえ、家庭料理も今は洋食中心なのではないの?という疑問が。こんなときは、クックパッドの献立カテゴリーで検索! すると意外や意外、和風 の献立 5923件(2013.10.25時点)、洋風 の献立 3705件、中華風 の献立 774件と、和食の圧勝という結果となりました。 ★RED_SPIC★さんの献立
具体的にみると、ベースになっているのはご飯×おかず(2品以上)×味噌汁というゴールデンな組み合わせ。この一汁三菜にのっとっていればハンバーグや焼き肉も和食として取り込んでしまう、そのポテンシャルに和食の強さと懐の深さを見た思いです。
秋ならさんまや鮭、きのこ、冬なら冬至かぼちゃやお正月のおせち料理と、ますます旬の味や行事食を意識させられる季節です。今回の登録をきっかけに「和食」のよさを改めて見つめてみませんか?(TEXT:松崎祐子)
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