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上戸彩さん×高良健吾さん 料理とおもてなしの心を熱く語る!

世界無形文化遺産の登録がほぼ決定した日本食。これから熱い注目を浴びること間違いない日本食を、さらに盛り上げる映画『武士の献立』が12月14日に公開されます。見終わった後、誰もが「何か美味しいものが食べた~い!」という気持ちになり、私たち日本人が忘れかけていた"何か"を思い出させてくれます。この映画で、料理上手の春を演じた上戸彩さんと、"包丁侍"の跡取りにも関わらず料理が苦手な安信を演じた高良健吾さんに、撮影エピソードなどをうかがいました。

調理シーンは吹き替えなし!見事な包丁さばきは練習の賜物

上戸さんは料理上手、高良さんは包丁侍という役柄。撮影の前に、包丁さばきなど特別な練習をしましたか?
上戸:野菜を切る練習が1~2回。魚をさばく日が3回ありました。
高良:2カ月くらい前から。桂むき、いもむきなど色々とやりましたね。
上戸:高良さんはすごく練習していて、お魚を最初から最後までさばけるんですよ。
高良:魚をさばくシーンの撮影があったので、覚えなくてはならなかったんです。

お二人は同じ日にお稽古をしていたんですか?
高良:いえ。別々です。
上戸:当時の包丁は大きいし、手の大きさによって扱い方が変わってくるので、高良さんには男性の先生、私には女性の先生がついたんです。教わっているとき、「高良さんは、もうここまでできます!」とか言われて、それがすごいプレッシャーになりました。
高良:料理を教わったのは初めてだったんですけど、先生がすごく素敵な方で。あの方たちだったから、ここまで上達できた気がします。
上戸:そうね。すごく楽しかった。私を教えてくださった先生の手が、私みたいに小さいの。それで、「あ~あ撮影の時は、この方が吹き替えてくださるんだ」って安心していたら、見事に吹き替えナシだったんですよ! 撮影のとき、「はい、じゃあ次はこれをやってください」って言われたのが、初めて見ることだったり。「とりあえず、やってみようか!」と思って臨機応変にやってみたら、できちゃった…という感じですね。

スゴイ!それは天性のものですね。

海山の幸満載の献立の中でいちばんの美味が「治部煮」

映画にはたくさんの料理が登場します。
実際に召し上がってみて美味しかったのは何ですか?

高良:治部煮です。
上戸:私も治部煮! わさびを溶いて入れるとピリッと味が締まるんですよ。こういう“隠し味”っていうと、普段カレーを作るとき、いちばん最後にちょっとだけお酢を入れる感覚のと似てます。隠し味程度に入れると味が締まると美味しいよ~。入れすぎると酸っぱくなるから注意してくださいね。

当時は調理器具も調味料も、今ほど充実していません。
そんな時代を体験していかがでしたか?

上戸:「この食材にはこのしょう油、あれにはあのしょう油」とか、「この料理にはこのダシをとろう」とか、美味しい料理を作るために、いろいろ工夫をしていたんですよね。食材を探しに行くシーンを演じながら、「こんな時代があるから、今があるんだなぁ」と思いました。

いろいろなものが揃っている現在と比較していかがですか?
上戸:いろいろありすぎですよね~。私はシンプルなものがいちばん美味しいと思う。クックパッドで料理を検索するときも、材料が少ないものから観てるんですよ。

クックパッドをご覧になることがあるんですか?
上戸:よく観てますよ。だから今回のインタビューも、すごく楽しみにしていました。
ありがとうございます!

反発する春と安信の心が通じ合うのも料理の効果

高良さんにお尋ねします。料理が苦手だった安信が包丁侍になる決心をします。
その心の変化をどう思いますか?

高良:安信の本心は刀の道に進みたかったのに、思い通りにはならなかった。でも、彼の家では料理が身近だったから、小さい頃から話に聞いていたり、他の人よりは知識があっただろうし、才能もあったんだと思う。ただ料理に向き合えなかった。だから、後を継ぐと決めてからは、覚えが早かったんだと思います。

夫・安信に料理を教える春を演じるとき、心がけたことはありますか?
上戸:この映画は時代劇なのに、女性が強いんですよ。男性に逆らったら、刀で切られてもおかしくない時代なので、どこまで強く演じていいのか難しかったですね。視線を合わせるだけで(刀で)切られてしまうのに、安信をにらみつけるシーンでは、その加減に悩みました。

そんな強気の春を妻として迎えた安信を演じて、いかがでしたか?
高良:この時代背景では、好きな人とは結ばれないのが当たり前。春との結婚も望んだことじゃない。安信は、他の人のために何かを諦めた人物だと思う。でも、その諦めたことにちゃんと向き合っている。ちゃんと向き合わないと、ずっと引きずると思う。諦めることも、実はそんなに悪くないんじゃないかな。諦めたことで、見えてくることもあるし。春との結婚でも、ちゃんと向き合って、会話することで安信は変わった。春と出会ったから成長したし、いい男になったと思います。

「誰かに料理をつくってあげたい」そんな気持ちになる映画

最後にお二人から、映画の見所を教えてください。
上戸:映画を見終わると、「お腹が空いた」とか「何か食べたい」と言ってくださる方が多いんです。高良さんとも、「誰かに料理を作ってあげたい」って思ってもらえる映画にしたいねって話をしていたんですよ。心を込めて料理をつくるシーンがたくさんあるし、料理をする想いを感じていただければうれしいです。
高良:誰かに美味しいものを作ってあげることは、素敵なことです。美味しいものを食べているときは、マイナスな気持ちが微塵もない。ただシンプルに"美味しい"との想いだけ。料理を通して、思いやりの心が伝わるといいですね。もうひとつの見所は、血が流れない時代劇ということ。「食で加賀藩の誇りを取り戻そう」と、刀ではなく、包丁で主君に仕える人たちがいた、という映画ですね。
上戸:すごく温かい映画です。

映画『武士の献立』12月14日(土)全国ロードショー

気の強さが仇となって1年で離縁された春(上戸彩)は、加賀藩の料理方を務める舟木伝内(西田敏行)に、「息子の嫁に!」と懇願され、跡取りの安信(高良健吾)と再婚。ところが安信は剣の腕は立つのに料理が苦手。しかも春よりも4つも年下。姑の満(余貴美子)の力を借りながら、夫の料理指南を始める。
映画『武士の献立』公式サイトはこちら

武士の献立 × クックパッド 特別コラボ企画

この冬注目の映画「武士の献立」は、料理を介して家族の絆を深めていくヒューマンドラマ。画面からは和食のおいしさ、美しさが伝わってきます。まわりの人を笑顔にするコツは、いつもの料理にほんのひと手間かけること。ちょっと頑張るだけで、味は驚くほど変わります。そこで全3回に渡り、料理研究家、大黒谷寿恵さんが和食の魅力とひと手間ポイントを伝授します。
映画「武士の献立」に学ぶ、ひと手間で驚くほど美味しくなる和食のコツ!

上戸彩

1985年東京都生まれ。'97年第7回全日本国民的美少女コンテスト審査員特別賞を受賞し、デビュー。映画やドラマ、音楽、CMなど活動範囲は多岐にわたる。映画最新作は『テルマエ・ロマエⅡ』('14GW)

高良健吾

1987年熊本県生まれ。『M』('07)で第19回東京国際映画祭"日本映画・ある視点"部門特別賞受賞以降、数々の作品に出演。『苦役列車』('12)では第36回日本アカデミー賞助演男優賞を受賞。

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