2024年の元日夕方に発生した能登半島地震。石川県七尾市に住むクックパッドアンバサダーの悠美姉さんは自宅で被災し、現在も断水が続いている状況です。蛇口から水がでない。そんな状況になり改めて「水」の大切さに気付かされたと言います。そんな悠美姉さんが節水しながらお米を研ぐ方法をご紹介します。
クックパッドアンバサダーの悠美姉です。 地元・能登に根付いた「食」に関する活動を行なっています。
スイッチを押せば電気が付き、コンロでは食材を調理でき、蛇口をひねれば水がでる。こんな当たり前だと思っていた便利な生活が、能登半島地震が発生し一気に不便な生活に変わりました。現時点でも、地域によって生活に必要な電気、ガス、水の復旧状況が全く違います。
石川県七尾市では、震災から1ヶ月以上経った今でも断水のために水が使えず、トイレやお風呂はもちろんのこと、食事を作る上でも不便な生活を送っています。
電気は使えるので炊飯器を使えばご飯を炊くことはできます。お米を炊くには水を入れて研いでは捨ててを何度も繰り返す必要があり、断水時にいつもとどおりお米を研いでみると想像以上に水を使う必要がありました。この経験を生かし、断水時に貴重な水を少しでも節約しながらお米を研ぐ方法をご紹介します。
米……3合
ザル(ボウルより一回り大きいもの)……1個
ボウル……1個
1.ボウルの上にザルをのせ、その中に米をいれます。
この時にボウルより少し大きめのザルを使うことをおすすめします。ボウルの底とザルの間に少し空間が生まれ、米を研いだときに出る米ぬかや汚れがこの小さな空間に入り込み、汚れを落としやすくなります。
2. 米に軽くかぶるくらい水をいれます。
3. 米を手で優しく混ぜたら手早くザルを持ちあげます。
4. 研いだ水は別のボウルにとっておきます。※
5. もう一度ボウルの上にザルを置き、新しい水をかけます。
6. 優しく手で米を何度か回します。ここで出たとぎ汁もとっておきます。※
7. 米を持ち上げたら炊飯器にいれて適量の水を加えて炊きます。
※お米を研いだ時に出るとぎ汁はお皿を洗う際に使います。とぎ汁を使うと水で洗うより綺麗にお皿が洗えます。予洗いに使えば洗剤を使う量を減らせるので、食器洗いの節水に一役買ってくれますよ。ただしお米の成分が入っていて腐りやすいので、早めに使い切ってください。
お米は乾燥状態で保存されているので、最初に水をいれると一気に水を吸収します。この段階で一旦米ぬかや汚れを落とすことができれば、2回目に注いだお水ではゆっくりとお米を研いであげるだけで、米ぬかもかなり取り除くことができます。お米を研ぐ際に、米ぬかをすべて取り除いてしまう必要はありません。最近は精米技術も上がっているので、2回水を注いで洗うという作業だけでも適度に無駄な米ぬかが落ち、おいしく炊き上がるお米を用意することができます。
貴重な水を使ってまでお米を研ぐ必要性があるのか。確かに生きるための食事では必要ないかもしれません。しかし、長い期間不便な環境で生活していると、少しでも「食」を楽しみたいと感じるようになります。おいしいごはんを食べることができれば、それだけでも気持ちが豊かになります。
災害時はさまざまな我慢が強いられてしまうことがありますが、おいしい炊き立てのご飯があるだけで食事の満足感があがります。温かいごはんがあれば、漬物、缶詰、ふりかけなどおうちにあるものを加えるだけでも楽しい食事になります。ごはんが余ればおにぎりにすることもできます。
震災発生から1か月以上が経ち、私たちの生活のフェーズも少しずつ変化してきました。発災直後とは違い、少しでも笑顔があふれる食事を楽しむ。これも生きるために大切なことです。使える水が限られているというときには、今回ご紹介した方法もぜひ参考にしてみてくださいね。
※被害状況や復興支援に関する情報は執筆時点(2024年2月初旬)のものです。
※イメージ画像提供:Adobe Stock
3人の子どもを育てるワーキングママ
発酵食のレシピ開発で料理の今昔を繋げる
地元・能登に根付いた食に関する活動を行なっており、旬素材を⽣かして楽しめるレシピも得意。発酵⾷エキスパート1級を取得し、いしる(⿂醤)など能登の発酵⾷をもっと⾝近に楽しんでもらえる洋⾷アレンジなども⾏い、今と昔を繋げる料理を⽬指しています。