フランスのモン・サン・ミッシェル島に、「ラ・メール・プラール」という老舗のレストランがあります。そちらのスフレ・オムレツを一度でいいから食べてみたいと憧れて、旅立った若かりし日のこと。はじめて食べた、あつあつでふわふわのスフレ・オムレツのおいしさといったら、この世にこんなにおいしいものがあるのかと思うくらいでした。そんないつかの味の記憶を頼りにしてレシピを作りました。失敗は二度三度どころではありませんでした。世界を魅了するモン・サン・ミッシェルの味に届くかどうか。ぜひお試し下さい。
玉子…3コ
牛乳…大サジ1杯
バター…20g
サラダ油…適量
1 ボウルを2つ用意し、それぞれに卵黄と卵白を分けて入れます。
2 卵黄は、あらかじめフォークを使ってしっかり溶いておき、牛乳を入れ、よく混ぜ合わせておきます。
3 卵白を、泡立て器でまんべんなく混ざるように泡立て、メレンゲを作ります。固めになるまでしっかりと泡立てます。ハンドミキサーを使うとよいでしょう。
4 卵黄の入ったボウルに、メレンゲの1/3を入れ、よく混ぜ、なじませます。
5 4に、残りのメレンゲを入れ、底からヘラで持ち上げるようにしながら、タテに切るように混ぜます。メレンゲの白いかたまりがなくなり、全体がなじむまで、よく混ぜます。
6 丸いパイ皿やグラタン皿、もしくは鉄のフライパンを使います。今回使ったフライパン(20センチ)の場合は、サラダ油を全体に塗り、弱火に近い中火で熱し、バターを入れます。半分ほど溶けたら火を止め、バターをフライパンのフチまでしっかりと塗ります。パイ皿やグラタン皿の場合も、同様にバターをしっかり塗ります。
7 5をフライパンに静かに流し入れ、表面が均一になるように、かるくヘラでならします。
8 180度に余熱させたオーブンに7を入れ、12分焼きます。
9 焼き上がったら、オーブンから取り出し、フライ返しを使って、オムレツの形が崩れないように、フチから少しずつ、ていねいに剥がしていきます。裏返した皿をフライパンの上に重ね、そのまま裏返して、皿にオムレツを移します。
10 オムレツを折りたたんで出来上がりです。味のアクセントに、今回は削ったグリュイエールチーズを使いました。お好みでお選びください。
文・写真:松浦弥太郎
おいしい卵料理は、それだけで幸せなきもちになります。何度も繰り返し作って、自分だけのおいしさを見つけてくださいね。
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