風邪を引いていると食欲がなくなるのは、体調不良だけではなく、味が変わって感じることも原因のひとつなのだとか。風邪は、味覚にまで影響を与えているようですが、一体それはなぜなのでしょうか。
食べ物の基本の味は、舌の味覚センサーである味蕾(みらい)で甘味・苦味・酸味・塩味・うまみとして感じています。しかし料理の味はその5つの味の組み合わせだけでは決まりません。この基本の5味に唐辛子などの刺激による辛味、炭酸のシュワシュワ感や舌触りといった要素が加わって、味覚となります。
さらに脳では、舌から来た味覚の信号と見た目や香り、過去の記憶や心理的な状態などを合わせて総合的に食べ物がおいしいかどうかが判断されています。梅干しを見ただけで酸っぱく感じたり、焼き鳥屋さんの前でにおいを嗅ぐと焼き鳥を食べたくなるなど、日常でも見た目や香りで何を食べたいか左右されていますね。 それではなぜ風邪を引くと食べ物がおいしくなくなるか考えてみましょう。
1:香りを楽しめない
一番大きな原因は香りを楽しめないことです。風邪を引くと、鼻水や鼻詰まりなどで食べ物の香りを楽しむことができなくなります。風邪を引いてなくても鼻をつまんで食べると、味を弱く感じ、食べ物がおいしくなくなりますね。
2:お薬の影響
解熱鎮痛剤や鼻水止め、咳止め、痰きりなどの一部には味が感じにくくなる副作用が知られています。ちなみに、降圧薬や睡眠薬など様々な薬で味覚異常が報告されていますので、風邪に限らず食事がおいしくないと感じる方は一度主治医にご相談ください。
3:亜鉛不足
風邪やケガなどから正常な状態に戻るためには亜鉛が必要です。最近では必要量以上をとっていても食品添加物によって吸収が阻害されてしまい、不足している人も多いようです。そして、亜鉛が不足すると舌の味蕾の再生ができず、味覚異常が起こることが知られています。 亜鉛不足は免疫力をも落としてしまいますし、風邪の引き始めに亜鉛のサプリメントをとると早く風邪の症状が良くなるという研究もありますので、風邪を引いたら亜鉛のサプリメントを飲むのもいいですね。
4:ストレス
誰しも風邪を引きたくないものです。風邪症状自体がストレスになるのみならず、仕事を休まなくてはいけなかったり、予定通りに物事が運ばなくなってしまうなどのストレスも大きいですね。ストレスを感じた状態では、味覚を感じにくくなったり、場合によっては味が変化して感じるという研究があります。
風邪を引くと、鼻づまり、お薬の影響、亜鉛不足、ストレスなどにより食事をおいしく感じにくくなります。これから寒くなりますが,牡蠣や牛肉など亜鉛を多く含む食事で免疫力を高め,生姜などで体を暖めて食生活からも風邪を予防していきましょう。
(監修:Doctors Me 医師)
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