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コラム

「ひどい乾燥で体全体が痒い…」カサカサ肌に悩む看護師 おすすめの食べ物とは

病院に行くほどではないけれど、なんだか感じる体の不調。薬剤師であり調理師、薬膳アドバイザーの資格も持つ道川佳苗さんと、中医学の視点で体を見つめ直し、健やかな暮らしをつくるための「食」を考えましょう。

このような質問をいただきました。50歳男性からの質問です。

「子供の頃からのアトピー性皮膚炎で、乾燥肌で年中体が痒く悩んでます。皮膚科で軟骨や飲み薬もあまり効かない。看護師をしていて手洗いによるひび割れも辛いです。 最近ネットの情報で脱ステロイドや脱保湿の話が出ていて、もはや何十年もステロイド使って良くならない私はむしろこの方法がいいのかなとか、考えたりしてます。また砂糖も控えた方がいいようで、甘いアイスクリーム等お菓子もやめたほうがいいのかなとか考えたりしてますが、実行するほど意志もありません。夜勤とか生活リズムの乱れもあり、いっそのこと看護師の仕事やめてしまいたい気持ちです。 ちなみに若い頃から体育会系で運動習慣あり皮膚科以外の大きな病気は今のところありません。 アドバイスお願いします。」

皮膚の状態は体の中で起こっているトラブルと関係がある?! 

12月に入り、乾燥した空気が本格化し、肌の乾燥やかゆみが気になる方もいるのではないでしょうか?皮膚は体の一番表面を覆っているため、外部の影響を受けやすいのはもちろんですが、実は皮膚の状態は体の中の状態を反映していることもあります。

中医学では、気(エネルギー)、血(血液や栄養分を運ぶもの)、水(血液以外の体液)を指します。これらが十分に体に存在し、適切に巡っていることで健康を維持すると考えます。皮膚の状態も、気や血が不足することで肌がカサついたり、かゆみが生じる可能性があります。

これらの状況に対処するために、今回は皮膚の乾燥やかゆみを和らげるのに役立つ食材やレシピをご紹介します。

乾燥肌や皮膚のかゆみはなぜ起こる?

中医学的には、以下の原因が考えられます。

(1)血が不足することによる肌の乾燥・かゆみ

中医学において、「血(けつ)」は血液だけでなく、血液が運ぶ栄養分も指します。血が不足すると、皮膚への栄養供給が不十分となり、肌のみずみずしさが失われ、潤い不足に陥ります。これにより、肌の乾燥が進み、バリア機能が低下し、炎症が起こりやすくなり、結果としてかゆみに悩むことになります。

外部からの保湿だけでなく、余分な熱を冷ますことと同時に、「血」を補う食材を積極的に摂取することも重要です。また、食事面だけでなく、「血」を消耗させない生活習慣も心がけましょう。具体的には、早寝早起きを心掛け、十分な睡眠時間を確保すること、パソコンや携帯、テレビの画面を見続けずに目を休めることが挙げられます。

辛味の強い食べ物やお酒は体に余分な熱を溜め込み、炎症やかゆみを増加させる原因となるため、控えめにしましょう。また、甘いお菓子の過剰な摂取もかゆみを悪化させます。お菓子の代わりに、ナッツやドライフルーツ、干しいもなど、自然の甘みがある食品に少しずつ切り替えていくと良いでしょう。

(2)肺の機能が弱ることによる肌の乾燥・かゆみ

中医学においては、五臓という概念があり、肌の乾燥・かゆみに大きく関わるのは「肺」です。文字通り「肺」の機能と、呼吸を通して全身に「気」を巡らせる働き、体内の水を動かす働きがあります。これによって、皮膚の潤いやバリア機能が高まります。そのため、肺の機能が弱ると肌の乾燥・かゆみなどの皮膚のトラブルが起こりやすくなります。

肺の機能を守るために心がけたいことは、深呼吸をする習慣を身につけて体の中の気を入れ替えることです。それに加えて、乾燥する季節ではマスクや加湿器を使用して、乾燥した空気から肺を守りましょう。深呼吸と加湿器の活用で、肺の働きをサポートして健康な肌を保ちましょう。

乾燥肌や皮膚にかゆみの緩和におすすめの食材は?

まず、健康な肌を維持するためには、皮膚に十分な栄養を届けることが大切です。そのためには、「血」を補う食材を摂ることが重要です。同時に、肌に潤いを与えるためには、薬膳の観点からは「白色の食材」を摂ることが勧められています。また、肺の機能を高めるためには、辛味のある食材がおすすめです。もしかゆみや炎症がひどい場合には、余分な熱を冷ます食材も取り入れると良いでしょう。これらの食材選びを意識して、美肌を目指しましょう。

▼血を補う食材

牡蠣、マグロ、牛肉、豚肉、鶏肉、牛乳、卵、人参、ほうれん草など

▼潤す働きのある食材

豆腐、豆乳、山芋、白きくらげ、桃、いちじく、柿、梨、バナナ、らっきょう、冬瓜、など

▼肺の機能を高める食材

しそ、みょうが、パクチー、白菜、こんにゃくなど

▼余分な熱を冷ます食材

緑豆もやし、緑豆はるさめ、せり、セロリ、チンゲンサイ、レタス、バナナなど

クックパッドのおすすめレシピはこれ!

豚肉と豆腐でふわふわお好み焼き

豚肉には血を補う効果があり、体を潤す働きがあります。そのため、肌の乾燥にも効果的です。また、肺を潤す効果のある豆腐を組み合わせたお好み焼きは、ふわふわとした食感が楽しめます。卵やキャベツも含まれているので、一品で栄養バランスも良いレシピです。美味しさと健康を両立させた、おすすめの料理となっています。

長芋の大葉梅和え

長芋と大葉を組み合わせた簡単なおつまみです。長芋は肺を潤す働きがあり、大葉は肺の機能を高めます。梅干しとポン酢で和えるだけなので、とても手軽です。さっぱりとした味わいなので、食欲がない時にもおすすめです。

バナナミルク

​​バナナは、内蔵や皮膚を保護し、体に潤いを与える効果があります。さらに、余分な熱を冷ます働きもあります。完熟した、甘みの強いバナナをつぶして牛乳と混ぜるだけで、お砂糖も不要なくらいおいしいバナナミルクが完成します。朝食や軽食など、甘いものが食べたくなった時にもおすすめです。

潤い食材を意識して体の内側からも乾燥肌を改善していこう

空気が乾燥する季節は、乾燥肌や皮膚のかゆみが特に悪化しやすい時期です。外側からのケアだけでなく、体の内側からもケアをして、皮膚の潤いを取り戻しましょう。今回紹介した食材やレシピを参考にして、できることから始めてみてくださいね。

体の「なんとなく不調」お悩み募集中

なんとなく感じる体の不調、もやもや。道川さんに相談してみませんか? こちらのフォームからあなたの声をお寄せください。

画像提供:Adobe Stock

道川佳苗

薬剤師。調理師。薬膳アドバイザー。大学卒業後、薬局にて従事している時に、病気の予防、健康維持には食育が大切であると感じ、服部栄養専門学校に入学し卒業する。お料理好きの漢方マニア。

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