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コラム

毎日食べているアレが老化の原因に⁉️アンチエイジングに欠かせない“副腎”を元気にする食事法とは

近年アメリカの抗加齢医学会では、アンチエイジングのカギを握る臓器として「副腎」が注目されています。毎日の何気ない食事で副腎を疲れさせ、機能を衰えさせてしまうと、アンチエイジングのみならず、さまざまな体の不調が起こってくるのだとか。そこで今回は、抗加齢専門医である本間龍介氏と本間良子氏の共著『抗加齢専門医が教える 食事は「引き算」に変えなさい 細胞から若くなる最新常識』(青春出版社)から、副腎の“毒”となる食べものを体のなかに入れない食生活のヒントを少しだけご紹介します。

老化症状とは、「体内の火事」
その火を消してくれるのが副腎の働き

そもそも、老化症状はどうして起こるのでしょうか。

「年をとって体の機能が衰えていくからだ」と答える人が多いかもしれません。たしかにその通りですが、医学的な目で見ると、老化にともなう疾患や症状はすべて体内で起きている炎症反応ととらえることができます。

わかりやすくいうと、体のあちこちで火事が起きているのです。

たとえば血管で火事が起これば動脈硬化につながります。それが脳の血管に火事が起こって血管が詰まれば脳梗塞に、心臓で詰まれば心筋梗塞に。もっと身近な例でいえば、肌で起こればシミやシワになります。

ここでは「火事」という言葉を使いましたが、一般的に医療では「酸化(サビ)」「糖化(焦げ)」といわれている現象と同じです。体のサビにしろ、コゲにしろ、炎症性物質が体内にあって、それが火事を起こし、体に悪さをしているのです。

さまざまな体の不調や病気は、その火事が体のどこで起こっているかの違いであり、症状の度合いは、その火事がボヤ程度なのか、終息に向かってくすぶっているのか、大火事なのかの違いなのです。

ここで登場するのが、「火消し役」のホルモンです。

体内のボヤであれ、火事であれ、どんな炎症も抑えるように働く「火消しの水」のような大事な存在です。火消し役のホルモンの名前は、「コルチゾール」副腎から分泌されるホルモンのひとつです。

ところが、コルチゾールが火消しをするよりも速いスピードで火種が増えてしまったり、消しきれないほどの量の火種ができたり、あるいは消しきれなくなってしまったりすることがあります。そのとき、さまざまな病気や老化症状が外に出てきてしまうというわけなのです。

副腎をケアするには、
毒となるものを「入れない」ことが重要

副腎をケアし、元気にする方法はとてもシンプルです。

それは「副腎の仕事を減らすこと」であり、「副腎をタフにすること」です。そのために心がけておくことは2つだけ。

1、体に負担になるもの、毒になるものをなるべく入れない
2、体にいい栄養素を入れる

「入れる」「入れない」― この2つのルールのうち、より重要なのは「入れない」ことです。「入れない」だけで、症状が改善してしまう人もたくさんいます。

まずは、食べたものを消化吸収するところである腸に、火種となるものを「入れない」こと。

たとえば、最近は一般の人にも「グルテンフリー」が広く知られるようになりましたが、パンやうどん、パスタ、ケーキなど小麦に含まれるグルテン(小麦たんぱく質)は、腸の炎症を引き起こす「腸の毒になる食べもの」です。

そのため、小麦を含む食材をとらないようにする「グルテンフリー」の食事は、副腎が疲れている人にとっても有効です。ご存じの方も多いと思いますが、体の免疫機能の70%は腸に集中しています。体にいいもの・悪いものを見極めて、体に有害なものは下痢や嘔吐として排泄します。

「体の入り口」は、口ではなくて、本当は腸! だから、副腎ケアも腸から始めるのです。

いつもの食事から小麦と乳製品を減らすだけで副腎がケアできる

朝食はパン、昼食にラーメンやうどん(あるいは、ピザやパスタ)を食べる― こんな食事パターンを続けていると、確実に副腎は弱っていきます。

なぜかというと、これら小麦粉を使った食品に含まれるグルテン(小麦たんぱく質)がアレルギーや腸の炎症を引き起こすもとだからです。腸の炎症を引き起こすグルテンを「入れない」ことで、火種を減らし、副腎の負担を減らすことにつながります。

腸の機能が下がっているときに、グルテンをとると、消化吸収にさらに負担がかかり、副腎を働かせてしまうのです。

グルテンとは、小麦やライ麦などの穀物に含まれているたんぱく質のこと。小麦粉に水を加えてこねるとモチモチしてきますが、このモチモチ成分がグルテンで、パンをふわふわとやわらかくする働きがあります。

グルテンを含む食材には、パンをはじめ、小麦粉からつくられたパスタやうどん、ラーメンなどの麺類、ケーキやクッキー、ドーナツなどの菓子類、シリアル、カレーのルーなどたくさんあります。

これら小麦を使った食品を食べないようにする「グルテンフリー」は、かつて世界ランク1位に上り詰めた男子プロテニスプレーヤーのジョコビッチ選手が実践した食事法として話題を集めました。欧米を中心に健康に関心のある人たちから絶大な支持を受け、近年グルテンフリー食品は日本のスーパーでも手に入るようになりました。

実際、いつもの食事をグルテンフリーに変えただけで、副腎疲労の症状が改善する人も少なくありません。

それは、グルテンが腸にとっては炎症やアレルギーをもたらす“毒”だから。

もちろん、毒に対する感受性には個人差があります。「私は小麦にアレルギーがないから大丈夫」という人もいるでしょう。ただ、本人が気づいていないだけで、グルテン過敏症の人は潜在的に多いものです。自覚症状がなく、消化に何も問題がなくても、集中力の低下、慢性疲労、下痢や便秘、肌荒れ、重いPMS(月経前症候群)や生理不順、不妊症、ぜんそくなど、人によってさまざまな症状が出るということは覚えておきましょう。

腸の状態を整えるために、もうひとつ注意したい食品が「乳製品」です。

あなたは、毎日ヨーグルトを食べたり、牛乳、バター、チーズがたっぷり入った料理やお菓子をよく口にしていませんか。

これら乳製品に含まれる「カゼイン」というたんぱく質も、腸や副腎にとって有害なもの。アレルギーの原因になり、花粉症やめまい、アトピー性皮膚炎や下痢、便秘などを引き起こす危険性があります。

とくに日本人は、遺伝的に乳糖(ラクトース)を分解する能力が低い「乳糖不耐症」が多いといわれています。牛乳を飲むと、お腹がゴロゴロして下痢を起こすというのが典型的な症状ですが、乳糖不耐症だからといって、必ずしも症状が表れるわけではありません。自分がそうだとは気づかない人がほとんどなのです。

だからこそ、「私は牛乳飲んでも平気だし」「牛乳大好きだし」と思っている人こそ要注意。カゼインには、「カソモルフィン」といって、麻薬のような強い中毒作用があるため、食べ続けるともっと食べたくなる傾向があります。しかも困ったことに、患者さんのなかでも毎日、中毒のように牛乳を飲みたがる人、ヨーグルトやチーズ好きほど体内に問題を抱えているケースが多いのです。

ためしに2週間やめてみると、体調がよくなったことに気づくのでわかります。

これは、小麦粉のグルテンも同じです。グルテンにもカゼイン同様に中毒性があるため、パンや麺類はやめられない、止まらないのです。クリニックでも、グルテンフリー、カゼインフリーについてお話しすると、まず開口一番、「食べるものがなくなってしまいます」「それでは死んでしまいます」と訴えられます。

でも、実は日本人こそグルテンフリーとカゼインフリーは実践しやすいのです。

パン食ではなく、なるべく米食にする。乳製品は豆乳製品に代用する。便秘にいい乳酸菌はヨーグルトからではなく、みそや漬物などの植物性食品からとる。カルシウムは牛乳からではなく、小魚から......。

そうです! 和食を食べていれば間違いありません。パンやパスタ、ピザが大好きな欧米人は大変苦労しています。

実際、最初はとまどっていた患者さんも、1カ月ほどたつと、お腹の調子がよくなり、胃も強くなるのか、肉が食べられなかった人でも食べられるようになります。

また、意外なところでは集中力がアップしたり、貧血が改善する方もいます。それだけ、グルテンとカゼインが目に見えない炎症を起こしていたのでしょう。

イメージ的には若い世代より中高年世代のほうが和食を好みそうですが、食生活を調べると、朝食をパンと牛乳、ヨーグルト、シリアルなどで済ませる高齢世帯が増えています。年をとるほど朝食づくりが面倒になり、ご飯とおみそ汁をつくるより、日持ちのするパンとコーヒーにしたほうがカンタンなのかもしれません。

本文は『抗加齢専門医が教える 食事は「引き算」に変えなさい 細胞から若くなる最新常識』(青春出版社)より一部抜粋・編集しています。

イラスト/瀬川尚志
画像提供:Adobe Stock

著者メッセージ

食事療法から健康を取り戻しましょう。
私たちは、体調の悪さは、何かが足りないからと思いがちです。そのため、次々に身体に何かを足していこうとします。例えば、お腹の調子が悪いと、食物繊維が足りないと思いがちですが、実はお腹の中の悪玉菌が多いからかもしれません。例えば、疲れやすいとエネルギーが足りないと考え、精力がつく食事を無理に食べたりしがちです。しかし、副腎疲労の患者様を治療して気づいたことは、実は体調不良は体に炎症やストレスをため込んだせいです。
足し算ではなく、健康を「引き算」で取り組むことにより、本来の体の機能が動き始め、体調の改善につながります。まずはグルテンフリー、カゼインフリーの食生活を。

書籍紹介

『抗加齢専門医が教える 食事は「引き算」に変えなさい 細胞から若くなる最新常識』(青春出版社)
体に悪い食べ物や毒素を体に入れない「引き算」の食べ方で、老化は止められる!
血管・骨・内臓の老化から、イライラや怒りっぽい、もの忘れなどの脳の老化、抜け毛や白髪、むくみやしわなどの見た目の老化まで改善!
抗加齢(アンチエイジング)専門医が教える、薬に頼らず、老化という名の体内の火事(炎症)を消し止める方法。

著者紹介

本間 良子  (ほんま りょうこ)
スクエアクリニック院長。米国抗加齢医学会フェロー。日本抗加齢医学会専門医・評議員。聖マリアンナ医科大学医学部卒業後、同大学病院総合診療内科入局。副腎疲労の夫をサポートした経験を活かし、米国で学んだ最先端医療に基づく栄養指導も行っている。
本間 龍介 (ほんま りょうすけ)
スクエアクリニック副院長。医学博士。米国抗加齢医学会フェロー。日本抗加齢医学会専門医・評議員。聖マリアンナ医科大学医学部卒業後、同大学院医学研究科修了。自身が原因不明の重度の疲労感に苦しんだことをきっかけに、アドレナル・ファティーグ(副腎疲労)の提唱者であるウィルソン博士に夫婦で師事。帰国後、日本初の副腎疲労外来を開設。近年は、副腎疲労治療を応用し、認知症状や発達障害など脳のトラブルにも治療効果を上げている。

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