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旬の野菜を届けてくれる「旅する八百屋」が話題に！野菜選びのコツを聞いてみた！

2016年06月19日更新

クックパッドニュース編集部

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普段の野菜、どこで買ってる？

毎日の料理に欠かせない野菜。みなさんは普段どのように選び、手に入れていますか？スーパーで買う人もいれば八百屋で買う人もおり、ものによっては自分で育てる人も。野菜とひとくくりに言っても、どのような野菜を選び購入するかは人によって差があり、とても幅広いですよね。
そんな選択肢が数々ある中で、最近特に注目したいのが「旅する八百屋青果ミコト屋」。各地の農家を回り出会った野菜たちを、店舗を構えずに届けている八百屋です。

美味しさがぎゅっとつまった野菜との出会い

個人的に青果ミコト屋の野菜と出会ったのは、3年前のある日。青果ミコト屋が届けたオクラを口にした瞬間、「本当においしい野菜に私は今まで出会っていなかったんだ」と感じた記憶があります。ぎっしりと実がつまり、ほんのり甘い味わいのオクラは、私の中で美味しい野菜の基準を変えてくれた経験に…。

そんな野菜を届けるミコト屋は、いったいどのように生まれたのでしょうか？代表の鈴木さんに、ミコト屋についてお聞きしました。

—— まずは、ミコト屋をはじめようと思ったきっかけを教えてください。

「初めはバックパッカーの旅でネパールへ行った時に、偶然食べた小さなリンゴがきっかけだったんです。過酷な中で食べた、リンゴのしみわたる美味しさに、改めて食べ物の力を知ったような気持ちになりました。そうして自然に、自分が食べていくものは、いったいどこからきてどこにいくのか？そんなことを考えるようになっていきました」

「帰国後は、さらに「食べる」ことの本質について掘り下げてみたいと思い、自然栽培の農家に弟子入りし畑を耕す日々を送っていました。実際に野菜作りに携わってみると、農薬や肥料を使わず、丹誠込めて育てた野菜も、大きさや色、キズなど、見た目が少しでも規格に合わなければ、既存の流通では買い叩かれてるという現状がわかったんですよね。その根本的な原因は、きれいなものを求める消費者側や流通側にあることを知ったんです。本来、不揃いなことは自然なことですよね。それならば、規格に合わないが味に変わりはない不揃いな野菜たちを"これは個性だよ"、"自然な姿だよ"と伝える八百屋になろうと思ったんです」

—— 宅配という形を選んだのは、なぜでしょう？

「ただ野菜を届けるのではなく、できる限り生産者のことや、その土地の背景など、野菜にまつわるストーリーを語りお客さんに届けたかったからです。そのためエリアは限られてしまいますが、できる限り直接僕たちが野菜を届けるようにしています」

—— 野菜にまつわるストーリーを伝えるということは、扱っている農家さんのもとを実際に訪ねているんですか？

「販売している野菜の9割は実際に畑に足を運び、自分たちの目と舌と感覚で吟味したものです。そのほとんどは、農薬も肥料も施さない自然栽培の野菜です。でも僕たちが一番大切にしているのは、栽培方法ではなく、農家さんの野菜に対する姿勢や想いです。やはり野菜にはその人柄が映し出されると思っています」

—— 育てた人の想いや考え方で、野菜の育ち方も千差万別なんですね。届けている野菜はどう決まるんですか？

「日々全国の農家さんと連絡を取り合って、旬の野菜をセットにしてお届けしています。お試しセットからはじまり、SS、S、M、Lの全部で5セットですね。各地でその時期一番美味しいもの、今しか出荷できないものなど、バランスを考えて組んでいます。また各地に古くから根づく在来種などの希少な野菜を組み入れることもあります」

—— 野菜をみてきた鈴木さんに「美味しい野菜の選び方」を聞いてもいいですか？

「とにかくその季節にあった野菜を。春は芽吹き野菜の苦みを、夏は体を冷やしてくれる果菜類を、冬は体を温めてくれる根菜を。旬の野菜に体を整える恵みが詰まっているんですよ。選ぶときの目利きのポイントはたくさんありますが、持ってみてずっしりと重みを感じるものが良いと思います。ゆっくりと自然のリズムで育った野菜は、細胞がぎゅっと詰まって満ち満ちしているはずです。あとは気負わず、なんとなく選んだ自分の感覚を信じてみるのもおもしろいとおもいますよ」

—— 野菜を選ぶことが楽しくなりそうです！最後に、美味しい野菜に出会った時に、オススメの調理法があれば教えてください。

「野菜の香り、旨味、歯触り、それぞれの特徴を引き出すのは、やはりシンプルな調理だと思います。複雑な行程や珍しい調味料がなくとも、美味しさを引き出すことは難しくありません。ただ調味料はできるだけ良質なものを選ぶべきだと思います。グリルした野菜にオイルと塩…それだけで立派に食卓の主役を果たしてくれるんですよ」

シンプルな調理で美味しい野菜を食べれば、この野菜は誰がどうやって作ったのだろう？と、その野菜がとれた背景に誰もが思いを馳せるはず。そんな野菜との出会いはまるで、美味しさと一緒に、野菜を通した人との出会いや自然との出会いが届けられたよう。

スーパーや地元の八百屋で野菜を買うのはもちろん良いですが、ミコト屋の二人が探し出した野菜・農家さんとの出会いを、一度試してみてはいかがでしょうか？それは一つひとつの野菜が育った背景とともに、その野菜を選んだミコト屋の考え方との出会いでもあるはず。凝縮された濃厚な味わいの野菜とともに、作り手や旬、野菜が育つ環境について、そして自分がどのような野菜を選び食べていきたいか、ということについて改めて考えるきっかけになるかもしれません。

取材協力：旅する八百屋青果ミコト屋

執筆：yomyon

東から西へ移動中。
食べることは、人と街を知ること。
日々、ぐるぐる探検中。

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