中国で100万人以上のフォロワーを持つ人気ブロガーで料理作家の陳宇慧さん。これまでブログに掲載して話題を集めた「おいしくて簡単な中国の家庭料理」の中から、日本の食卓にもすぐに取り入れられる絶品レシピを厳選してご紹介します。中国の“家庭の味”をぜひ楽しんでみてください♪
こんにちは。陳宇慧です。連載第4回では、焦げる直前まで炒めることがポイントの料理「青梗菜の唐辛子炒め」をお届けしました。
日本で白菜といえば、「鍋」によく使われるということもあって、冬の人気野菜ですよね。中国でもお手頃な価格帯や保存のしやすさから、同じく定番の食材です。昔の話ではありますが、中国の北方のほうでは冬になると食べられる野菜がかなり限られていたため、白菜は事前に大量購入して保存する家庭も多くあり、冬の大事な「保存食材」としても重宝されていました。
今回お届けするレシピの「白菜の黒酢炒め」は、中国の家庭料理でもっとも定番的な白菜を使った料理の一つと言えます。使う調味料の種類が少なく、時間もあまりかからないのが人気の理由。また、米酢ではなく“黒酢”を使用するため、独特の豊かな香りを楽しむことができるのも人気の秘密です。
白菜 1/3〜1/2個(約400g)
塩 5g
【タレ】
砂糖 5g
黒酢 10ml
ごま油 10ml
片栗粉 5g( 約2倍の水に溶かして使用)
まず根っこを少し切り捨ててから、縦に3〜4等分に切ります。
根っこの硬い部分を全部切り捨てます。それ以外の部分は斜めに小さく切ります。斜めに切ることでカットした断面が大きくなり、味を良くなじませることができるのです。
切り終わった野菜は容器に入れて、塩を上に撒き、30分から1時間置いておきます。
時間が経つと水が出てきて、白菜が縮みます。
大きさが2/3程度まで縮み、葉っぱにやや透明感が出たらOKのサインです。
なお、最後は水洗いせずに、出てきた水を手で絞ってください。
黒酢、砂糖、ごま油、水に溶けた片栗粉を全部混ぜ合わせて用意しておきましょう。なお、片栗粉は沈殿しやすいので、フライパンに入れる前には必ず一回混ぜましょう。
フライパンに大さじ2の油(分量外)を入れて、強火で温めてください。熱くなったら白菜を入れて軽く炒めます。
強火のまま30秒くらい炒め、白菜がしんなりしてきたら先程のタレをフライパンに沿って入れます。よく炒めて、タレが全体的に良く絡んだら完成です。
黒酢の香りが漂い、食欲を強くそそられます! 白菜は炒める前に水分を少し出すことで、シャキシャキ感が残ります。レシピはクックパッドでも掲載です。
1つは黒酢の分量。完成品から十分な香りを感じられない場合は、次回作るときに黒酢の量を少し増やしてみてください。黒酢の香りがこのレシピではもっとも大事なポイントです!
もう1つは塩の分量。事前に塩で漬けることで薄味になることは少ないはずです。しかし、不安な場合は仕上げる直前に味見をして、お好みで調整しても問題ありません。醤油味が好きならば、醤油を少し入れても良いでしょう。
「色の鮮やかさが少ない」「素材自体の味も薄い」「分量が多くて1度に食べ切れない」などの理由から、実は中国では子どもを中心にあまり人気がない、という一面もある白菜。しかし、今回ご紹介した黒酢炒めの作り方はこれら全ての弱点をカバーできる料理のため、子どももパクパク食べてくれます。もちろん大人でも食べ飽きずに楽しめるので、ぜひ作ってみてください!
愛称は田螺姑娘(タニシ娘)。中国で100万人以上のフォロワーを誇るブロガーであり、料理作家。ディテール重視で、心が暖かくなるような家庭料理が得意。レシピが詳細で作り方のポイントが的確なため、成功率が極めて高いと支持されている。中国で『日出之食』、『日日之食』、『愉快地吃、痛快地痩(楽しく食べながら、痛快に痩せていく)』と3冊のレシピ本を出版しており、いずれも販売部数が5万部を超えるヒット本となっている。
【Instagram】elynchan