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コラム

焦げる直前まで炒めるのがポイント!大人気ブロガーがおすすめする「青梗菜の唐辛子炒め」【中国の簡単おいしい家庭料理 Vol.4】

中国で100万人以上のフォロワーを持つ人気ブロガーで料理作家の陳宇慧さん。これまでブログに掲載して話題を集めた「おいしくて簡単な中国の家庭料理」の中から、日本の食卓にもすぐに取り入れられる絶品レシピを厳選してご紹介します。中国の“家庭の味”をぜひ楽しんでみてください♪

四川料理の味付けを青梗菜で作れる!

こんにちは。陳宇慧です。連載第3回では、余りがちな食材を有効的に活用して作れる「もちもち白玉の具沢山スープのレシピ」をご紹介しました。

突然ですが料理を作る際、「麻婆豆腐」と「麻婆春雨」のように、なんとなく料理名から同じような作り方なんだろうということは想像つきますよね? 2つの料理は「豆腐」と「春雨」と材料の一部が異なりますが、同じ味付けでおいしく仕上がります。

この話と同じような意味合いの料理は他にもあります。鶏もも肉とナッツを唐辛子で炒める「宮保鶏丁(ゴンバオジーディン)」は四川料理の定番なのですが、この作り方や味付けで、青梗菜を主役にしてもおいしい一品に。今回は、このアレンジレシピをお届けします。

唐辛子と花椒を焦げ付く直前まで炒めて!「青梗菜の唐辛子炒め」

材料

青梗菜 約400g
にんにく 2、3片
塩 小さじ1
赤唐辛子 10本ぐらい
花椒(四川山椒) 10粒ぐらい(辛子の辛さやお好みに応じて調整してください)

【タレ】
白胡椒 小さじ1/3
白砂糖 小さじ1
醤油 小さじ2/3
黒酢 小さじ2
ごま油 小さじ1
紹興酒(料理酒でも可) 小さじ2
片栗粉 小さじ2(約3倍の水に溶かして使う)

作り方

(1)野菜を切る

ポイントはなるべく茎を同じ大きさに切ること。小さめの青梗菜の場合は半分に一回だけ切ります。

大きめの青梗菜の場合は1/3程度を縦に切り落とした後、残りの2/3を横に倒してさらに半分に切ります。

切った後は水で洗います。特に根っこ付近は泥が残りやすいので、良く洗い落としてください。 洗い終えたら塩をつけて約20分置き、少し水分を出します。

茎から1枚ずつ剥がして洗っても構いませんが、この切り方にすると少し洗いにくいものの、シャキシャキ感が強く残るのでおすすめです。また、塩でつけることもシャキシャキ感を残すポイントです。

(2)炒める

白胡椒、砂糖、醤油、黒酢、ごま油、紹興酒、水に溶かした片栗粉を全部混ぜ合わせて、タレを用意しておきます。

唐辛子はハサミで切ってから落ちた種を捨て、水洗いをし、水気を少し切りましょう。こうして湿らせることで、すぐ焦げてしまうことを避けられます。

その後、鍋に大さじ2の油(分量外)を入れて、火を点ける前に唐辛子を入れます。弱火で炒め、下の写真のように焦げる直前まで炒めてください。炒め終えたら水で洗った花椒も入れて炒め、十分な香りを引き出したら唐辛子を取り出して捨ててください

この工程は非常に重要なため、それぞれなぜ行うのかの理由もご紹介します。
まず火を点ける前に鍋に入れるのは、低温の状態から香りを引き出すためです。弱火で炒めると上の写真の色まで2〜3分はかかりますが、この状態まで炒めることで最大限に香りを引き出せます(中国語ではこのことを「煳辣」=炒め焦がした辛さと言います)。
なお、花椒は焦げるまでの時間が短いので、唐辛子を炒めた後に入れてください。

そして最後に唐辛子を取り出すのは、青梗菜の隙間に挟まると食感を邪魔してしまうためです。油を大さじ2とやや多めの量にしているのは、この唐辛子を取り出す際にどうしても油も少し取り除いてしまうためです。

これらを終えたら、後の工程は簡単です。水気を切った青梗菜とスライスしたにんにくを一緒に先程の鍋に入れて炒めてください。

十分火が通ったら、先ほど用意したタレを再度よく混ぜてから鍋の外側に沿って入れます。タレの中の黒酢と料理酒の香りを十分引き出せたら出来上がりです。

ちなみに、中国では焦げた見た目の唐辛子を見ると、失敗したように勘違いされることがありますが、恐れずに焦げる直前までしっかり炒めることが大切です。香りや風味が引き出されて、おいしい青梗菜の唐辛子炒めに仕上がりますよ。

陳宇慧

愛称は田螺姑娘(タニシ娘)。中国で100万人以上のフォロワーを誇るブロガーであり、料理作家。ディテール重視で、心が暖かくなるような家庭料理が得意。レシピが詳細で作り方のポイントが的確なため、成功率が極めて高いと支持されている。中国で『日出之食』、『日日之食』、『愉快地吃、痛快地痩(楽しく食べながら、痛快に痩せていく)』と3冊のレシピ本を出版しており、いずれも販売部数が5万部を超えるヒット本となっている。
【Instagram】elynchan

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