今肉好きたちの間で話題になっているものは何だろうか。それは間違いなく【肉寿司】である。私はこの食べ物を初めて知った時に、敵うわけがない、と悟った。日本人が大好きな「寿司」と、老若男女を虜にする「肉」か組み合わせは、つまり絶対的に美味しいことを意味するからである。
と言うわけで!今回は肉寿司専門店である【加藤商店 肉寿司】恵比寿横丁店で、【肉寿司】の魅力を徹底的に調査してきました!
恵比寿駅西口から徒歩2分。恵比寿で働く方の憩いの場、恵比寿横丁の一角にあります。入って右手側です。
どこか懐かしく落ち着く店構え。渋くてよい感じです。小奇麗なので女性でも入りやすい雰囲気。
寿司ネタがずらーり。魚の寿司では魚の種類がそのままネタになりますが、お肉ではそうはいきません。そのため新たな美味しさを求めていろいろな食材を掛け合わせ、新メニュー開発に努めているそう。専門店ならではのこだわりを感じます。
このツヤ。鮮やかな赤。気品あふれる佇まい。寿司ってこんなに迫力のあるものでしたっけ…。お肉の存在感は計り知れません。ここではっきりと分かりました。肉寿司は、寿司が食べたいから食べるものではない。がっつりと肉が食べたい時に食べるものだ、と。
こちらは「福来る盛り合わせ」。手前が、左からローストビーフと馬刺し中トロ。奥が馬刺し赤身、スチームで蒸したタン、馬刺しユッケの巻き寿司です。
一つ一つのネタについて感想を述べると、感動のあまり10ページくらいの記事になってしまいそうなのでここでは控えますが、特に私のお気に入りは、赤身とタン。
赤身は、一貫目はそのまま、二貫目には会津から取り寄せている辛味噌を付けていただきます。辛さのおかげで肉の甘みが引き立ちます。というか、この辛味噌自体がとても美味しい!これだけで日本酒のつまみになります。絶対に合う。
そしてタンはスチームで蒸してあるのでふっくらぷりっぷり。歯がスッと通る柔らかさで、噛むたびに肉の風味が広がります。一切れが大きくて食べ応えも満点。
実は醤油にもこだわりがあるんです。肉寿司似合うように作られた特製醤油は、コクのあるものを選び、さらに色々な具材を足して豊かな味わいに仕上げているそう。醤油皿に出した瞬間にふわんと良い香りが広がります。
【加藤商店 肉寿司】は、馬肉を世間に広めたい、という思いから始まったそう。そのため各テーブルに「馬肉新書」なる本が。安全管理や産地などについて分かりやすく書かれている本で、読めばますます馬肉が美味しく感じられること間違いなし。知ることでもっと馬肉を好きになってほしいという願いが込められています。
こちらは変わり種の「和牛ロッシーニ」。炙った和牛の上に、なんとフォアグラとトリュフの乗った贅沢な一品です。人生初の高級食材に思わず「私が食べていいんでしょうか」とお店の方に聞いてしまいました…。口に入れた瞬間に溶けていくフォアグラとお肉。トリュフの香りが鼻に抜けます。上品な油のコクと甘みが口いっぱいに広がります。こりゃたまげた。
「和牛と雲丹トロ軍艦」は、こちらも和牛だけでも美味しいのにその上に雲丹を乗せてしまう、という贅沢極まりない一品です。口に入れた瞬間、磯の香りが広がり、雲丹がとろけ、それを追う様にお肉もほろほろと溶けていきます。海と山のごちそうである両者が出会うのは運命だったのですね…。
一番人気の「さしとろ」はもはや寿司の域を越え、ステーキだとしか言いようのないサイズの国産牛リブロースを使用した一品。片面が炙られた状態で提供され、店員さんが目の前でもう片面を炙ってくれます。油か表面に浮き出て、テカテカと輝く様は神々しく、もはや厳かな雰囲気を醸し出しています。リブロースは薄く切るほど美味しいのですが、加工に手間がかかり、削りカスが多く出てしまいます。しかしそこはおいしいものを提供したいというこだわりのもと、限界まで薄くしているそうです。そのおかげで、口に入れた途端にほどけていくようにお肉が溶けていく極上の食感が味わえるのでしょう。来たら絶対に食べるべし。
2010年にオープンした【加藤商店 肉寿司】は肉寿司のパイオニアといっても過言ではありません。餅は餅屋というように、肉寿司に興味が湧いたらこちらを訪れる他ありません。肉寿司はいつか肉料理の定番となると思われます。みなさまも今のうちに一度この感動を味わってみてください!
住所:〒150-0013 東京都渋谷区恵比寿1-7-4 恵比寿横丁内
電話番号:03-3444-7005
営業時間:[月~土]17:00~翌5:00
[日・祝日]定休日
12/30〜1/1は休業
成城大学文芸学部3年
音楽、映画、美術館が好きな、アッパー系サブカル女子。食い意地は誰にも負けません。