【“クックパッド芸人”藤井21のソロ飯 vol.26】“クックパッド芸人”を自称し、自らのキッチンに1000品以上のレシピを掲載している「藤井21」さん。1人(ソロ)で作って1人で食べるという「ソロ飯」を日々楽しんでいるそう。藤井21さん自作のおすすめレシピと、悲喜こもごものエピソードをご紹介します。
このあいだ近所のハンバーガー屋に新商品が出ていた。大豆から作られる「大豆ミート」で出来たパティを使った植物由来のハンバーガー。大豆ミート、結構前から存在自体は認識していたけど、目にする機会が増えたのは何年前くらいだろうか。
健康志向の高まりや、将来の食料需給問題の観点からも世界的にも注目の食品…らしいが、なんだか釈然としない自分がいる。
あれは確か数年前。アメリカのハンバーガーチェーンで大豆ミートのハンバーガーを新たに発売して今後の主力商品になっていく、みたいなニュースで、インタビューに答えていた恰幅の良い“THEアメリカン”なおじさんが大豆ミートのハンバーガーを食べながら、
「コイツァまるで肉なのにいくら食べてもヘルシーだぜ! これ食ってたら痩せちまうよ! HAHAHAHAッッッッッ!!!!」
というような内容を見たあの時から、ずっとあった心のしこり。
「まるで肉?」だったら本当は肉を食いたいのか? 健康志向もわかる。食料問題も環境問題もおしなべて理解する。しかし、それと大豆を肉扱いするのは別の話じゃないか? そもそも勝手に肉の代替え的な位置に大豆を置いてくれるな。大豆は大豆であってどこまでいこうと肉ではない! 寿司みたいな食材を見つけてきて「まるでこれは寿司のようだ!」なんて言うか? 言わないだろうって。大豆は大豆なんだよ。
俺は大豆が好きなんだ!
そのままの大豆で十分好きだ。肉の代わりじゃなく、大豆としての大豆が好きなんだ。俺はそのままの大豆を愛するよ。ジップロックに入れた煎り大豆をポケットに忍ばせていた学生だったあの頃から変わっていない気持ち。
大豆を肉を代わりにするなんて許せないから、だから大豆ミートも肉の代替えで使うより、大豆を加工した食材としてその良さを生かした方が確実に旨いって!
大豆加工食品、そのままの大豆、大豆加工調味料の3種類の大豆を使った大豆好きの為のレシピ。
大豆ミートは片栗粉をまぶしてから炒る事で表面はカリっと、中はしっとりした食感に。茹で大豆も外カリっ中ホクホクで、隠し味の味噌のコクと甘味も、アボカドとチリとの相性も良い。一緒にチーズやご飯を巻いて食べ応えのあるラップ飯としても楽しめる。大豆を肉の代わりにせず、そのままで良さを引き出した大豆加工食品レシピのあるべき姿。
へら鮒釣りの名人はF1カーには乗らないし、競馬のジョッキーは競泳はしないのだよ。大豆は大豆として愛してやるべきだ。
誰も愛さないなら俺が愛す!
俺が大豆を愛す!!
料理と笑いで天下を目指す男性ピン芸人。
埼玉県東松山市出身。東松山のやきとりを愛し、東松山市親善大使「東松山市應援團」の一員。食品衛生責任者の資格を持ち、クックパッドには1000以上のレシピをアップしている。日本テレビ系列『ウチのガヤがすみません!』などに出演。
>>オフィシャルブログ「良い香りのある生活」