ヘルシー、節約……でも、それだけじゃない! 身近な食材「お豆腐」の魅力はまだまだあるんです。この連載では、豆腐マイスター・工藤詩織さんに、お豆腐をもっとおいしく楽しむための知られざるノウハウを伝授してもらいます。「そうだったんだ!」と思わず納得の意外な活用法を知れば、きっと試してみたくなるはず♪ あなたの食卓のお豆腐が“進化”すること間違いなしですよ!
オーブントースターやフライパンでカリカリに焼いた油揚げもおいしいですが、ついついワンパターンになりがちですね。また、お手頃な油揚げの中には、皮が薄く中身がスカスカで、焼くとさらに水分が飛んでカラカラになってしまい、食べ応えや味わいが今ひとつ足りなく感じることも……。
そんな時、ぜひ覚えておいていただきたいのが、油揚げを調味料に漬けてから焼く、「漬け焼き」です。今回は、油揚げをもっとジューシーにおいしく、もっと楽しく活用するアイデアを集めてみました。
油揚げは“お豆腐を薄く切って揚げたもの”だと認識している方もいらっしゃるかもしれませんが、厳密には通常のお豆腐とは全く別の専用の生地が使われています。
原料はもちろん大豆と水と凝固剤ですが、豆乳濃度をより低くして生地の中に空気を含ませ、油の中で2倍〜3倍の大きさに膨張するように作られています。そのため、揚げあがった油揚げの断面は細かなスポンジ状になっています。この空洞に、煮汁や調味料がしっかり染み込むのです。
今回ご紹介する「漬け焼き」で、お豆腐屋さんでも商品化している代表例としては「油揚げの味噌漬け」があります。
みりんやお砂糖でやや甘めに、そこに唐辛子やラー油を加えれば甘辛になります。シンプルに塩麹に漬け込んだ油揚げも、ご飯のお供やおつまみにぴったりです。
ほかにも、余った生姜焼きのタレや焼肉のタレ、キムチ鍋の素などを無駄にせず、油揚げに味を吸わせて焼けば立派なおかずに。
しっかり味を染み込ませた油揚げで、千切りキャベツや、さっと炒めたもやしを添えて包みながら食べてもおいしいですよ。これなら油揚げが何枚でもいけちゃいますね。
究極の漬け焼きアイデアは「フレンチトースト風油揚げ」。これはハマってしまうと危険ですが(笑)、おいしいので一度は試す価値ありです!
どのレシピも、味の入り加減は変わりますが、漬けこむ時間は10分程度。じっくり染み込ませたい場合はジップ付きの保存袋に入れて冷蔵庫で一晩程度待ちましょう(空気をしっかり抜くのがコツです)。
また、油揚げを短冊型や三角形に切ってから漬け込めば、すぐに味が染み込むので時短になります。一点だけ、砂糖などの調味料を含んだ油揚げは焦げやすいので、火加減にご注意を。やや強めの弱火か中火で温めたら、仕上げに強火で程よく焼き目を付ける程度にしましょう。
漬け込んだ油揚げは、そのままジップ付きの保存袋に入れて冷凍保存も可能です。焼くときは凍ったままフライパンに入れて、蓋をしながらゆっくりと焼きましょう。
また、漬け込みが長過ぎてそのまま食べるには味付けが濃くなりすぎてしまった場合にも、チャーシュー感覚で刻んでチャーハンに入れたり、炊き込みご飯や混ぜご飯の具材にするなど活用できます。
いかかがでしたか? 皆さんも漬け焼き油揚げの七変化を楽しんでみてくださいね。
幼少から豆中心の食生活を送り、豆腐がいつも暮らしの中心にある無類の豆腐好き。日本語教師を目指して勉強する過程で、食文化も一緒に伝えたいと「豆腐マイスター」を取得。国内にとどまらず海外でも、手作り豆腐ワークショップや食育イベントを実施して経験を積む。2018年より「往来(おうらい)」をテーマに本格的に活動を開始。豆腐関連のイベント企画・メディア出演などを通して、各地で豆腐文化の啓蒙活動を行っている。「マツコの知らない世界」(TBS系)、「ヒルナンデス」(日本テレビ系)、「ごごナマ」(NHK)等へ出演。
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