「うちの子、野菜をなかなか食べなくて…」。小さな子供をもつママの悩みの一つに、野菜の好き嫌いがありますよね。
野菜は、摂取した栄養素を体の中でスムーズに利用するためのサポート役を担ったり、豊富な食物繊維によって便秘を解消したりと、成長期の体には欠かせないもの。風邪が流行し始めるこれからの季節、免疫力向上のためにも、野菜を口にしてほしいと多くのママたちは願っているはず。「そこで注目してほしいのがだし茹で野菜なんです」と、クックパッド管理栄養士である尾花有理は語ります。
はたして「だし茹で」とは一体どんなものなのでしょうか?
作り方はとっても簡単。野菜をゆでるときに5センチ角の昆布を入れて、いつも通りにゆでるだけ(顆粒だしを使うのももちろんOK。その際塩分は控えてください)。ゆで上がれば、ざるで水けをきって完成です。
今回は、小松菜、キャベツ、にんじん、かぶを試してみました。
味は淡白ながら、ペラペラの紙みたいな食感が苦手な子供が実は多いのがキャベツ。それをだし茹でしてから、卵炒めにしてみました。
キャベツがやわらかくなるとともに、やさしい味わいになってとっても美味しい!
独特の食感と青菜くささが嫌いと言う子も多いのでは?カルシウムもたっぷりだからしっかり食べて欲しいですよね。そこでだし茹でしてから、ツナ炒めに。
小松菜の青臭さがぬけ、さらにツナのうま味もプラスされて止まらない〜♪
おやつ感覚でポリポリかじって欲しいと、スティック状にしたにんじんとカブもだし茹でに。にんじんの色移りをさけるため、カブのあとにんじんを茹でたほうが良さそうです。
野菜の甘味が引き出されるから温野菜サラダとしても絶品。これを食べることができたら、「野菜を食べられた!」という子供の達成感も大きそうです。
ちなみに、ゆで汁は捨てずに味噌汁などに活用してくださいね。
子供が野菜を苦手な理由の1つが、野菜特有の青臭さ。その青臭さを除いてあげるだけで、子供にとってぐっと食べやすいものになります。
食物繊維のシャキシャキした食感も、咀嚼力の弱い子供にとっては、噛み切りにくく飲み込みにくいと敬遠する要因となります。そのため、子供が食べやすいように野菜を調理するには、青臭さをとることと、噛み切りやすく飲み込みやすい食感にするのがポイントなんです。
野菜というと、生のサラダや加熱量の少ない炒め物にするメニューが多いのですが、そうするとシャキシャキの食感が残ったままになり、食べづらさの一因に。そこで、まず知ってほしいのが、野菜を「茹でる・煮る」ことの大切さです。しっかり加熱することにより、食物繊維がやわらかくなりグッと食べやすくなります。また、茹でることで青臭さをやわらげることもできるのです。
味覚には、甘味、酸味、塩味、苦味についで「うま味」というものがあります。昆布やトマトに含まれるグルタミン酸、鰹節から抽出されるイノシン酸、しいたけから抽出されるグアニル酸などがその正体です。
ちなみに、うま味物質は「たんぱく質」などに多く含まれます。これは人間の生命活動に必要不可欠な食べ物(=たんぱく質が豊富な食物)を探知することに適応して発達した味覚と言われています。
野菜にかつお節をかけると食べやすくなるのは、かつお節に含まれるうま味のおかげ。うま味の持つ効用を子供たちの野菜摂取に使わない手はないんです!
野菜を食べやすくする調理法と「うま味」を掛け合わせたのが「だし茹で野菜」。わが子に野菜をしっかり食べて欲しいと望む全てのママに、ぜひ挑戦してもらいたいですね。