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新しいパン屋さん、おしゃれなパン屋さん、かわいいパン屋さん…探せば探すほど魅力的なパン屋さんは多く、パンブームが続く昨今。
そんな”新パン時代”のなか、みなさんは変わらぬ味で長年親しまれている、地元ならではのパンに注目したことはありますか?パン屋さんはもちろん、スーパーや駅の売店などで売られ、学校の給食でも食されるパンたち。実は、レトロでかわいく、そして何より歴史や想いがたくさん詰まった愛すべきパンなんです。
地元に根づくパンはコッペパンやクリームパン、惣菜パンなど、誰もが一度は食べたことがあるようなパンが多く、新しいというよりは、懐かしいパンたちかもしれません。しかし、土地やお店によって生み出された独特な個性、その特徴は何とも幅広いんです!
そんな各土地ならではが詰まった「地元パン」を、200個以上集めた本が『地元パン手帖』。著者の甲斐みのりさんは、全国の郷土菓子に魅了され各地を旅しはじめたことが発端となり、こうしたパンの存在に気づいたそう。今回は「地元パン」について聞いてみました。
―まずはじめに、地元パンとはどんなパンなんですか?
「地元パンときくと、近所のパン屋さんのパンを想像する方もいると思います。でも私は、その土地や人、時代と繋がる物語を持ったパンのことを独自に「地元パン」と名付け、そう呼んできました。そのため一般的な定義があるわけではなく、10年間採集していく中で、次第に自分の中で「これは地元パンだ!」と感じるポイントが、いくつか明確になってきました。
1:昭和20年〜30年代くらいまでに創業したお店
2:学校給食用のパンも作っているパン屋さん
3:その地域では当たり前に食べられているけど、他地域では売られていないパン
4:流行語が名前についたり、パンが生まれた時代背景を映し出しているパン
5:通りかかって、店構えに惹かれたお店
6:昭和から続き、お店そのものやパンにストーリーがあるもの
7:見た目もチャーミングなもの!
例えばこうしたことにピピッと引っかかったパンを、私の中で地元パンと呼んでいます。
地元パンを集めることは、食を通して日本そのものや各地の歴史を知ることに繋がっています。そのため、この地元パン採集は民俗学に近い感覚で行ってきました。パンのジャンルも幅広く、その数は無限に近いですね。今回この本の中で紹介したのは、あくまで私にとっての地元パンであり、一個人の活動の、限られた範囲での記録なので“手帖”としています。」
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