日本No.1レシピサイト「クックパッド」編集部
2013年流行語大賞候補に一躍躍り出た「お・も・て・な・し」。そう、日本人は人をもてなすのが大好きだ。豪華な接待でもなく、日常の延長線上で、相手の負担にならない塩梅で、相手への敬愛の意を示す。その極意は、家庭の「おもてなし料理」にこそあった––。
2020年オリンピック東京開催決定。このニュースとともに、今、最も注目をされているのがIOC総会の最終プレゼンテーション披露された滝川クリステルさんの「お・も・て・な・し」スピーチ。「お・も・て・な・し」と一文字ずつ発し、手を合わせて心を添える。そのジェスチャーは鮮烈な印象を残し、2013年の流行語大賞候補に一気に躍りでたほどだ。ここで言われた「おもてなし」とは、日本人が持つ独特の心遣い、相手を思いやり、「喜んでもらいたい」と思う心のこと。「日本人はおもてなしの心を持つ民族である」。微笑みながら語るスピーチに、相手のことをつねに気遣い、思い、行動する姿の大切さを改めて感じた人は多いことだろう。
そんな「おもてなし」の心を表すのにもっとも適しているのが料理であろう。クックパッドで「おもてなし」で検索すると9771品(2013.9.23時点)。中をのぞいて見ると、単なる豪華な料理だけではない、「おもてなしの心」が見えてくる。
「今、いちばんおいしいものでもてなす」。四季のある日本ならではの「おもてなし」といえば、旬の素材を使ったものだ。秋なす、さんま、柿、栗。とりわけ秋はおいしいものが多い。ただ食卓に登場するだけで、季節を感じ、うれしくなる。投稿には、旬のおいしさをそのまま生かした料理のほか、ちょっとしたアレンジでおもてなし度をアップしている例も多く見られた。
続いて、盛りつけにちょっとした工夫をした「見せる=魅せる」おもてなし。一見、豪華な一皿のように見えるが、レシピをみると、特別な材料や調味料を使っているわけではない。いつもの料理の見せ方を変える。そんなひと手間に、「おもてなしの心」を込めた一皿だ。
手をかけた豪華料理ももちろんいい。でも、おもてなし料理の投稿の多くは、「実は簡単」というものが圧倒的だ。作り手の都合もあるだろうが、「相手の気持ちの負担にさせない」、そこにはそんな気遣いがきっと隠されている。
家族の、友人の、大切な人たちと囲む食卓をより楽しくしたい。そんな思いが込められたのが「おもてなし料理」なのだ。
このブームをきっかけに、大切な誰かを料理で「お・も・て・な・し」するのもいいかもしれない。(TEXT:田久晶子)
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