いまや国民的行事である「クリスマス」は、イエス・キリストが誕生した日。そして、春分の後の最初の満月の次に訪れる日曜日「イースター」は、処刑されたキリストが、死後3日目に復活したことを祝うお祭の日。どちらも命の尊さを感じる日なんですね。
イースターに必ず食べるものとして有名な「イースターエッグ」は、殻にカラフルなペイントを施したゆで卵。なぜ復活祭にゆで卵を食べるかというと、「ひよこが卵の殻を破って世に姿を現すように、キリストも死という殻を破って、再び姿を現した」という生命の復活を象徴するモノだからだそうです。アメリカのホワイトハウスでは、イースターエッグの殻を割らないようにしながら転がす『エッグロール』という催しが、毎年行われているそうですよ。 ちなみにキリストは、自分が処刑されること、そして復活することも事前に知っていて、死の前日に弟子たちに伝えたとされ、そのシーンを描いたのがレオナルド・ダヴィンチの名画『最後の晩餐』です。
「イースターエッグ」は世界共通のイースター定番食ですが、それ以外のメニューは、国によっていろいろ違いがあるようです。
イギリスで食べられるのは「ホットクロスバンズ」。スパイスの香りが食欲をそそるスイーツブレッドで、シナモンやクローブ、ナツメグなど混ぜ込んだスパイシーな生地にレーズンを加えて焼き上げたパンで、表面に十字架をあしらっているのがポイント!イギリスのカフェではイースターシーズンに入ると、朝食メニューのパンが「ホットクロスバンズ」に変わるそうです。
アメリカのイースターディナーのメインディッシュに登場するのは、豪快な「ハムの丸焼き」。11月にあるサンクスギビングデー(収穫を祝う感謝祭)では「七面鳥の丸焼き」を食べますし、アメリカの人にとっては“お祭=丸焼き”なのかも。和食に例えると「お赤飯」みたいなものかも知れませんね!
(TEXT:大河原裕美)