仲良く一緒に遊んでいたかと思えば、些細なことでケンカを始める子どもたち。
園や学校ではお友達と仲良くできるのに、どういうわけか兄弟・姉妹だと抑えが効かなくなる場面ってありますよね。
そんなとき、「仲裁しなくては!」とついつい口を出したりしてはいませんか?
実は兄弟・姉妹の仲と、大人の対応の仕方には大きな関わりがあるのです。
即効性はなくても長いスパンで健全な兄弟・姉妹関係を築かせたい人に知っておいてほしい心構えをご紹介します。
まず、兄弟・姉妹ゲンカにおける親の基本的な心構えとして、中立のスタンスを保つことを心がけてみましょう。
「お兄ちゃん・お姉ちゃんなんだから」「弟・妹はまだ小さいから」というフレーズは、両者の間に不公平感を生み、あとあとの不仲やわだかまりの原因ともなり得ます。
ケンカの原因が明らかにどちらかへ偏っている場合も、露骨に言及せずに避けることがベター。「○○がこうなって△△になっちゃったんだね」と事実確認程度にとどめておいてください。
声かけも「悪い」「ひどい」「ダメ」などの否定する言葉は控えましょう。「悲しかったね」「悔しかったね」「痛かったね」「そうなんだね」といった気持ちに寄り添うものや、相手の言葉を反すうした相槌をうまく使うのがポイントです。
兄弟・姉妹間でのケンカにおいて“悪者”を決めてしまうことは、今後の関係性にマイナスの影響を与える可能性があります。
「あいつは悪いやつだ」「自分は悪いやつだ」という意識を植えつけないためにも、日常的なケンカでは中立の立場を維持していきましょう。
ある程度の理性が働くようになってきた子どもには、ついつい「ああしたら、こうしたら」と意見してしまいがち。しかし5、6歳をすぎ自立心が芽生え始めた子どもたちであれば、自己解決力や自治力を伸ばすために一歩下がったところから見守ることも必要です。
中立的な声かけと同様に、気持ちに寄り添う言葉を選びながら、必要以上に意見やアドバイスを出してしまわないよう心がけてみてください。
初めのうちはうまく解決できないことが多いかもしれませんが、徐々に経験を積みながら、自分たちでトラブルを対処できるようになっていきます。
中学、高校と大きくなり、子どもたちの間だけで理解・共有しやすい感情が出てきたときにきっと役に立つはずです。
中立の立場を保って見守ることをオススメしましたが、なかには子どもたちだけではどうしてもうまく解決できないトラブルもあります。
例えば、同じことが原因で毎日のようにケンカが発生してしまう場合は、ルール作りや環境作りがきちんとできていないパターンが大半です。
「タイマーを使う」「表を作る」「収納スペースを増やす」など、物やアイディアを投入してケンカの原因を根本から解決する手伝いをしてあげましょう。
また、ケンカがエスカレートしてケガや事故に繋がりそうなときも仲裁が必要です。
怒りや疲労で理性が薄くなって加減が効かなくなっていたり、いったん上げた手のおさめ方が分からなくなっていたりなどのシチュエーションが考えられますが、普段は話し合いで解決できているのであれば、クールダウンを待ってから話を進めてみてください。
もし、カッとなって暴力や罵声が出やすい子であるならば、一度相手の立場になって考えてみる機会を親子で設けてみましょう。
些細なケンカにまで大人が介入していると、こちらまで疲弊してしまいます。
兄弟・姉妹の年齢や性格に合わせて、徐々に外側から見守っていくようにシフトしていきましょう。もちろん様子や経過をある程度把握しておくことは必要です。
ぜひ、家族みんなにとって程よい距離感のとり方を見つけてみてくださいね。
執筆/りうな