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インタビュー

「食事のしつけ」いつから始めるのが正解?12人産んだ助産師ママの回答に驚き

12人産んだ助産師として知られるHISAKOさん。ご自身の12人育児と、助産師として約5万人の子育て支援をしてきた経験から語られる育児についてのアドバイスは、子育てで悩める多くの親たちを救っています。そんなHISAKOさんに、クックパッドのママスタッフたちが抱える「子育て中の食事の悩み」について聞いてもらいました。

未就学児の食事についてのお悩み

【悩み その1】

――3歳の息子は、朝ごはんをノロノロ食べます。忙しい朝、結局途中から私がごはんを食べさせることになります。できれば最後まで1人で食べてほしいのに、「食べさせて」と言われると断りきれない……どうしたらいいのでしょうか

かわいいじゃないですか~! 「食べさせて~」なんて言ってくるのはあと数年の話。この時間を楽しまないなんてもったいない! こんなにハッピーなことないですよ。
子どもから「やって!」と言われていないのにやってあげるのは過干渉。子どもの自立を阻害すると言われています。でも、子どもが「食べさせて」とか「着替えさせて」と頼んできたら、それは全部やってあげて良いと発達心理学的には言われているんです。そこで拒否をすると、「ママがしてくれない。もっとこっちを見てくれる方法はなんだろう?」と子どもは考えます。その結果、親を困らせることで承認欲求を満たすようになります。

子どもから「やって」と言ってきたことは、基本的にはやってあげてください。時には「一緒にやってみる?」と誘導してみるのもいいですね。「わがままを言う自分も全部ママは認めてくれて愛してくれるんだ」という信頼関係ができると子どもの気持ちにゆとりができて、自分でやってみよう! とチャレンジ精神に繋がっていくんです。手が離れていくときっとさみしいですよ。「食べさせてあげようか?」なんて聞きたくなっちゃいます(笑)。

【悩み その2】

――食事は、子どもが食べるものを作りたいので、子ども好みの同じ味ばかりになってしまいます。食の幅が広がっていない気がして申し訳ない気がしてしまいます

子どもは、親がいろいろ工夫しても食べないものは食べません。けど、食べないからと言って、好きなものばかり並べるのではなく、食べないだろうというものも食卓には並べてください。もちろん、出しても食べないです。でも、「食べないですよね~知ってま~す!」でいいです。
3歳くらいの子は目新しいものは警戒するので、ルーティンを作ってあげるんです。ブロッコリーは食べないとわかっていても、毎日並べるとだんだん見慣れてきて、手に取る瞬間があります。割いて遊びだしたり、ちぎってみたり遊びはじめます。それはしめたものです! これが食育です。好奇心を持ちだしたら勝ちです。見慣れていくということが重要なので、諦めずに継続してみてください。

【悩み その3】

――食べている途中で、ふら〜っと立ち上がったり、目の前に置いた人形とふざけながら食べたりします。最後まで集中して食べるのはいつ頃? 人形を取り上げると泣くので見守っていますが、これで良いの?

小学1年生で集中力が続くのは15分。就学前の子どもたちは、年齢+1分と言われています。3歳だったら、4分座っていられたら凄いんです。なので4分座っていたら褒めてあげてください。5歳でも6分です。1歳児にいたっては2分もったらいいところ! 離乳食時代は1分なんですよ。

【悩み その4】

――食事中にトイレに行くことがあるのですが、我慢させなくていいの?

本当は、食事中にトイレ行くのはマナー違反。なので、ダメだということを教えてあげないといけないのですが、小学校高学年までは仕方ありません。まだまだ消化吸収の発達途中なので、ちょっと食べるとおなかが動き出して排泄欲が促されてしまうからなんです。なので、小学3年生くらいまでは食事中のトイレは仕方ないと考えて、認めてあげましょう。生理現象なので仕方がないと思います。

兄弟ごはんの悩みあるある!

【悩み その5】

――8歳の長女と4歳の長男は朝ごはんの進みが違うし、それぞれに朝食べるものが違うのでカスタマイズして用意しないといけないのが大変! 朝ごはんってどこまで対応すればいい?

4歳と8歳が同じものを好んで食べてくれるというのは、そもそも無理ですよね。カスタマイズはしたら良いと思います。うちは、中高生、小学生メニュー、未就園児で朝ごはんが違うし、その他に夫用の筋トレ飯も作っているので、毎朝4種類の食事を準備しています。

みんなと同じもの出して食べてくれないほうがストレスになるから、絶対に食べてくれるものを出せば良いんです。それに、私は朝ごはんって適当で良いと思います。学校に行けば給食もあるしね。「給食、ありがとう!」というくらい力を抜いておけば良いと思います。 「菓子パンは朝ごはんではない!」と言われることがあるけど、朝からあまり食べられない子が菓子パンなら食べられるというのであれば、じゅうぶん朝ごはんだと思います。タンパク質やミネラルは足りないかもしれないけど、とりあえず必要なエネルギーにはなるんだから。

また、4歳くらいの子はルーティンを好みます。大人は、いろんな経験をさせたいと思うし、いつもと同じだと申し訳ないという気持ちになります。でも、発達心理学的には、子どもはいつもと同じほうが心が安定すると言われています。楽しい刺激すら、子どもにとってはストレスなんです。

いつも同じ時間に起きて、同じものを食べて、同じ時間に家に帰るという日々のルーティンが一番心が安定すると言われています。でも、子どもはある日突然飽きたりするので、ルーティンを3パターンくらい作っておくと良いですよ。

【悩み その6】

――食事中のしつけってどこまですべき? お箸の持ち方、咀嚼音や姿勢などマナー的なことって何歳くらいからどの程度教えたらいいの?

最近は、「離乳食がはじまったらしつけ開始」という情報を見かけますが、そんな小さい頃に「こうしなさい、あーしなさい」と言ってもわからないですよね。子どもって、初めて喋る言葉の多くは、ママの言葉を真似するんです。食事以外でもそうだけど、ママの仕草や行動をよく見ているし真似をしますよね。なので、ママが見せてあげるんです。ママがちゃんとお行儀よく、お箸やスプーンの使い方をすれば、自然と子どもはそれを学んでいきます。そして、それをしっかりできるようになるのは、小学校5,6年……、いや、下手したら中学生くらいからです。自分の行動を見せていくということはすごく大事です。

うちの高校生は、ずっとお箸の持ち方がおかしかったんです。時期がきたら持てるようになるだろうと思ってあまり厳しく言わなかったのですが、案の定、中学生になった頃に自分から直したいと言い出しました。『持ち方矯正ができるお箸』を買ってきて、家でだけ使っていたのですが、本人に直したいという意識があるから、1ヵ月もかからずきれいな持ち方になりました。そういう時期がくるのを待ってあげる、というのも大事かもしれませんよね。

ママが抱える「小学生・中学生以上の食事」の悩みとは

【悩み その7】

――小学6年の娘は、緑色の野菜が苦手。ブロッコリーやほうれん草など食べられるものはあるけど、それ以外の緑色野菜全般は避けて食べるのをどうにかしたい。

カレー、ミートソース、餃子の中に苦手な食材を混ぜたら食べられますか? 料理によって食べられたりしますか? もし、それで食べられるなら、それで良いと思います。食材そのものを食べさせるということを目的にするのではなく、料理の方法を工夫して食べられるならそれでOKなんです。

味覚は発達します。うちの子も「昔はなすがほんまに無理やったけど、おいしさに気付いたわ」と最近言っています。本当に、味覚ってどんどん変わっていくんです。

子どもは感覚で判断します。緑色のものは人間にとってはカビや腐っているものを連想させます。それを食べたら生命に危機があるかもしれないと思うから拒否するんです。これは本能ですよね。苦み→毒、酸味→腐敗と判断するんです。

これは、成長とともに感覚統合されていくので、大人になったらいろいろなものが食べられるようになると言われています。6年生の段階で工夫して食べられるのであればそれでOK! ただ、慣れさせていくことは必要なので、苦手な食材も食卓に並べ続けることはしてください。

【悩み その8】

――中学生の長女が朝ごはんを食べません。時間がないわけではなく、朝はお腹空かないと言います。朝はしっかり食べてほしいので困っています

思春期だから食欲はあるはずですが、この年齢は難しいですよね。ママは、「食事をしっかりとって体を作ってほしい」という願いがあると思うのですが、それを3食バランス良く食べてと願うことを諦めて、1日の中でちゃんと栄養が摂れていればOK!と考えてください。それが満たされたらいいんです。それを満たすための方法論はなんでもいいわけです。

あと、思春期の場合、起立性調節障害というものも原因にあるかもしれません。ひどい子は、起きられなかったり、血圧も下がったりします。急激に成長するこの時期に、気持ちが鬱傾向になったり、身体が鉛みたいになったりして動けないという子がいます。

自律神経は午後から安定してくるので、昼から元気になる子もいます。不登校の原因にも、起立性調節障害が関係している子が多いということも言われています。娘さんが朝ごはんが食べられない理由には、そういうことも隠れているかもしれないです。今は、朝食べたくないならそれにあわせてあげて、どこかでバランスをとればOKです。
(TEXT:山田かほり)

画像提供:Adobe Stock

HISAKOさんの最新著書

5万組を子育て支援して見つけた しない育児』(サンクチュアリ出版)

5万組以上の出産・育児に寄り添い、自身も12人の母である助産師HISAKOが育児で「実はしなくていいこと」とその理由を解説します。

本書では、つい「あれもしなきゃ、これもしなきゃ」と思いがちな子育ての中で、実は「しなくていいこと」と、その反対に「するならこっちがおすすめ」をまとめました。

ママの頭の中はいつも「しなきゃ」でいっぱい。でも、子育ての中で絶対に「しなきゃいけないこと」って、実はそんなに多くありません。しなくてもいいのに、「しなければならないと思い込んでいる」いくつもの事柄が、ママの余裕を、そして、笑顔を奪っているのです。

この本では、それらを一つひとつ手放していくコツをお伝えしていきます。
これはけっして“手抜き”というわけではありません。
育児をする上で本当に大切なことを手放さないでいられるよう、身軽になるための提案です。 

取材協力

HISAKOさん

1974年生まれ。看護師・助産師資格取得後、総合病院、産婦人科クリニック勤務を経て2006年大阪市阿倍野に「助産院ばぶばぶ」開設。同院での母乳育児支援・育児相談を中心に、大阪市育児支援訪問・妊婦教室を15年にわたり担当。 政府や自治体依頼による講演活動や、日本全国の幼小中高校、大学、各発達段階に合わせた教育現場における出張授業「いのちの授業(性教育授業)」を展開。 毎日更新のブログは子育てバイブルとして1日5万人以上が愛読。 プライベートでは1998年から2020年の間に12児を出産。2020年沖縄県うるま市に移住、助産院移転。 YouTube『【12人産んだ】助産師HISAKOの子育てチャンネル』を配信中(登録者数約50万人/2023年6月現在)

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