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コラム

少ない材料&短時間でごちそうに!人気ブロガー・あいさん流「楽においしく料理を作る」コツ【プロの日々ごはんvol.18】

料理のプロたちが、毎日の料理を楽しむコツを伝授!今回は、料理ブロガーとして活躍中のあいさんにお話を伺いました。料理の面倒をとことんなくして、楽できる料理を考えているという、あいさん。料理が苦手な人でも無理なく料理を続けられるコツについて聞いてみました。

料理は今も好きじゃないです(笑)

今ではこうして料理本を出したり、ブログでも「いいね」をいただけるようになりましたが、もともと料理は大の苦手でした。初めて一人暮らしをしたとき、トマトスープを作ったんですけど、それが大失敗。トマトの味しかしなくて…。当時の彼がそれをカレーに変えてくれてことなきを得ましたが、それからはまったく包丁を握らないまま、結婚まできてしまいました(苦笑)。これはどうにかしなきゃいけないと思って、料理の得意な母と姉に習うことにしたんです。

とはいえ、いくら教わったからといっても急に料理が好きになるものでもなくて(笑)。あきらめずに長く続けるためにも、何かノルマみたいなものを課したほうがいいと思い、料理コミュニティアプリに自分の料理を投稿し始めました。やっているうちに「いいね」やコメントをもらえるようになって、それがうれしくて少しずつ料理の楽しさを知っていった感じです。

料理を続けるコツは「楽すること」

結婚してからは自分が料理初心者ということもあって、簡単な料理を中心に作るようになりました。ごはんって毎日食べるものだから、ちょっとでも楽できるもののほうが日々の負担は少なくなると思うんです。

楽するために絶対これをしない、これをするみたいに決めているわけではないんですけど、私の場合は簡単にボリュームを出せる“厚揚げ”を冷蔵庫に常備していることが多いです。厚揚げに生姜とネギをのっけたり、丸ごと厚揚げを使っておろし煮にしたり、お好み焼きみたいにソースとマヨネーズをかけて食べるのもおいしいし、あと一品ほしいときにも出せるので、すごく便利ですよ。あと、クリームチーズもいつも冷蔵庫に入っています。生クリームの代わりに使えて、サラダなどに入れると濃厚でおいしく仕上がります。

料理を引き算するという発想

使う食材の量も少ないかもしれません。私、結婚前まで食べられないものがすごく多かったというのもあって、苦手な材料はあまり入れないようにしていたんです。例えば、酢豚に入っている大きい玉ねぎやピーマンは小さいころから苦手で食べられなかったので、入れていませんでした。そうすると意外と調理も楽だったりするんですよ。今はほとんど食べられるようになりましたけど、私が小さいころにそう思っていたということは4歳の娘も食べたくないだろうなと思って、少ない材料でも簡単においしく作れるものを考えるようになりました。

めんつゆは本当に便利!

料理が嫌いだったり苦手な人って味付けの配合がわからないから失敗してしまうということが往々にしてあると思うんですよ。私も昔は目分量というか“感覚”でやって失敗していたので…(苦笑)。そういうときにおすすめなのが「めんつゆ」を使った料理です。例えば「肉じゃが」も、めんつゆに砂糖を足せば肉じゃがっぽい味になるので、それで十分。以前はめんつゆばかり使うのもよくないかも…って思っていた時期もあったんですけど、最近は誰かに何か言われるわけでもないし、おいしく仕上がるし、これでいいのかなと思っています。我が家の肉じゃがはいつも「めんつゆ」です!しかもレンチンなのでとっても簡単ですよ。

調理後も楽できるように…

料理って作るだけじゃなく、片付けも面倒ですよね。そういうときは、ワンプレートに盛ると洗い物も楽チンですよ。おかずだけ全部プレートにのせて、あとはご飯と味噌汁で完了。シンクの中にあるお皿の量が変わります。見た目にもボリュームが出ますし、彩りが足りないときは市販品のつぼ漬けやしば漬けなど色のあるものを足してあげるだけで明るくなります。赤やオレンジなどの明るい色だけでなく、昆布や黒豆など黒色を使ってもお皿がぐっと締まりますよ。

最初は市販品を使うことに抵抗があって、紫キャベツのピクルスとかを作っていたんですけど、おいしいと思っているのは私だけだったことに気づき、「しば漬けでいいや!」って思って入れるようになりました(笑)。子どもは市販品の佃煮とかも大好きですし、そういうものを活用して手を抜くのもありですよ。

あいさんの最新著書

シンプルおうちごはんBEST』(扶桑社

大人気料理ブロガー・あいさん初のレシピ本が発売されました。もともと料理が苦手だったというあいさんならではの視点で作られたレシピはどれも簡単で、私たちの食卓にも取り入れやすいものばかり。「料理があまり得意ではなくて、『これから彼氏に作ってあげるんだ』とか『仕事の片手間にやらなきゃいけない』など、初めて料理をする方にも届けられたらいいなと思って作りました。私の同志みたいな方に手にとっていただければうれしいです」というあいさん言葉のとおり、料理初心者や苦手さんも必見の内容になっています。

本書の中から特に初心者におすすめのレシピを聞いてみると、「切ってあえるだけのトマトナムルは本当に簡単。火もレンジも使わず5分もあれば作れます。ブログに載せた時は『毎年夏に作ります』っておっしゃってくださる方もいてうれしかったですね。飲み干せるし、おつまみとして出しても喜んでもらえるし、これからの季節にはぴったりです」(あいさん)

さらに、お子さんウケ抜群というレシピも!「本の始めのほうに掲載している『懐かしのふわふわ肉団子』は私の母の味なんですけど、うちの娘も大好きでよく作ります。しょうがもチューブを使ってできるだけ楽します。あともう1品、コールスローサラダも子どもに好評でした。ピーマンが入っていて、うちの娘はこれならピーマンも食べられるんですよ。小さいお子さんがいるご家庭にはおすすめです」(あいさん)

このほかにも、ボリューム満点の丼&麺レシピ、冷凍野菜ミックスで作る楽うまおかずなど、毎日の献立作りに役立つレシピ満載!それぞれのレシピに料理のポイントがついているのでわかりやすいですし、あいさん流「料理をおいしくする調理ワザ」も紹介されています。しかも、どれもが全部料理を楽にできることにつながっているというのが、うれしいポイント。ぜひチェックしてみてください!

あい

1983年、福島県生まれ、埼玉県在住。夫と4歳の娘の3人暮らし。料理が苦手で、独身時代は包丁を握ったことがなく、結婚を機に料理を始める。モチベーションを上げるため、記録として2015年にブログ「あいのおうちごはん」をスタート。料理が苦手な人でも手軽においしく作れる、ハードルの低いレシピが好評。2018年に料理ブログポータルサイト「レシピブログアワード」のお弁当部門のグランプリを獲得。現在は、webサイトへのレシピ提供や、企業のレシピ開発に携わる。

【ブログ】あいのおうちごはん
【インスタグラム(料理、日常)】@ai.ouchigohan
【インスタグラム(お弁当)】@ai.ouchigohanbento

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